ホンダは、インドネシアにおいて、交換式バッテリー2個を動⼒⽤電源に採⽤した「CUV e:(シーユーヴィー イー)」、固定式バッテリーを搭載した「ICON e:(アイコン イー)」の電動⼆輪パーソナルコミューター2機種を同時に発表した。この2機種は昨年開催された「2023 Honda電動二輪事業説明会」において公表した「2030年までに、グローバルで電動モデルを30機種投入」という目標における、それぞれ10機種目、11機種目に相当。どちらも定格出力1.0kW超の軽二輪(250cc以下クラス)モデルとなる。

「CUV e:」フルカラーTFT液晶メーターとデュアルモバイルパック搭載のミドルクラス

CUV e:は、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を2個動力源に使用した排気量110cc相当のモデル。2023年に東京ビックサイトで開催された「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で、ワールドプレミアとして出展した「SC e: Concept(エスシー イー コンセプト)」を市販化したものだ。CUV e:のネーミングは、1994年にホンダが初めてリース販売した電動スクーター「CUV ES(Clean Urban Vehicle Electric Scooter)」に由来。CUV e:は、CUV ESと同じシティーコミューターコンセプトとして開発され、「多くの方の街中での快適な移動を実現する電動スクーター」であることから、Clean Urban Vehicle に、Hondaの電動車両を示すe:を加えてCUV e:とし、新時代のパーソナルコミューターと位置付けた。

動⼒⽤電源には、交換式バッテリーのHonda Mobile Power Pack e:を2個使⽤。Honda独自開発の自社製モーターを採⽤。磁気回路と構造の最適化により高効率化を図ることで、航続距離向上に寄与。カタログ上では80.7kmの航続距離、83km/hの最高速度を発揮できるようだ。
また、様々な走行シチュエーションに応じて、3つの走行モード(STANDARD、SPORT、ECON)から選択ができ、狭い場所での切り返しに便利なリバースモード、フルカラーTFT液晶メーターを標準装備。スマホ連携機能「Honda RoadSync Duo」を追加したバリエーションモデルもラインナップする。

カブとも読めるネーミングだが、こちらはあくまで「シーユーヴィー」。実用的なEVとしての機能充実を図るコンセプトは、電動モビリティの中のスーパーカブ的な立ち位置となり得るだろう。

「ICON e:」原付一種相当の「EM1:e」をベースに固定式バッテリーを搭載

ICON e:は、Honda Mobile Power Pack e:を搭載した、日本では原付一種相当の「EM1:e」をベースに、バッテリーを含む主要電動部品を変更。エクステリアをインドネシア向けとして一新したモデル。国内ではモバイルパワーパックを1個使用していた動力用電源を、中国で普及している三元系リチウムイオンバッテリーに更新。充電は車載状態、バッテリー単体の二通りが可能となっているほか、バッテリーがフットボードへ移動したことで、メットインスペースも充実した。

後輪にコンパクトなインホイールモーターを採用。パワーコントロールユニットがモーター出力を効率的に制御することで、一充電あたりの走行距離50km以上を実現。フロント部内側にはフロントインナーラックと、携帯端末の充電にも便利なUSB Type-Aソケットを備え、こちらも原付スクーターとしての普段使いの機能性を高めている。

インドネシアで生産。グローバルに展開も!HONDAのカーボンニュートラル実現へ電動二輪市場への参入を本格化

CUV e:とICON e:は、両モデルともインドネシア国内での生産を予定。それぞれの地域のニーズに応じて適切な場所で生産をするとともに、インドネシアを皮切りにグローバルに展開していく。また、電動コミューターのラインアップの強化により、Honda Mobile Power Pack e:搭載モデルのみならず、固定式バッテリー搭載モデルも加わることで、今後も顧客ニーズに応じて多様な選択肢を増やし、電動二輪車をより身近なものにしていく見通しだ。

Hondaは、2050年にHondaの関わる全ての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルを実現することを目指す。2040年代には全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目標とする。この目標を達成するため、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化に取り組む計画だ。2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付け、電動二輪市場への参入を本格化。2026年までを市場参入期、2026年から2030年を事業拡大期、2030年以降を事業本格拡大期と位置付け、戦略的に電動二輪車の市場投入を推進していく。

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