
10月1日にYZF-R9と思われる新型の発表を予告したばかりのヤマハが、さらに新型MT-07 Y-AMTと新型TRACER9 GT Y-AMTを2025年モデルとしてリリースするという。スタイルを含めたモデルチェンジが期待できそうだ。
MT-07はついに電子制御スロットルを採用!?
AMT(Automated Manual Transmission)=自動マニュアルミッションを装備した新型MT-09 Y-AMTは9月に発売され、好調なセールスを記録している。ヤマハは、このメカニズムを他のモデルに拡大すると宣言しており、早くも2025年モデルで投入されそうだ。
注目なのはMT-07 Y-AMTで、搭載される並列2気筒688ccのCP2エンジンにもY-AMTが導入されるだろう。現状CP2には電子制御スロットルが搭載されていないので、エンジンなどにも大幅なモデルチェンジが加えられるはずだ。同時にスタイルもMT-09風になるという。
そして、MT-09 Y-AMTと同じ並列3気筒888ccのCP3エンジンを搭載するTRACER9 GT(トレーサー9GT)にもY-AMT仕様が追加されるという情報で、ツアラー性能に磨きをかけるだろう。トレーサー9GTも同時にモデルチェンジし、スタイルも変更されると思われる。
なお、ライバルのホンダはクラッチ操作を自動化するE-クラッチを今後拡大するとアナウンスしているが、ヤマハがここでY-AMTモデルを2機種追加するとE-クラッチの機種数を上回ることになる。MT-09 Y-AMTがセールス好調だけにどちらが支持されるのか注目だ。
MT-07 YAMT [予想CG] 並列2気筒エンジンにもY-AMTが投入されるとより普及に弾みがつくだろう。 スタイルは新型MT-09顔になると予想した。
TRACER9 GT Y-AMT [予想CG] トレーサー9GTへのY-AMTの投入は順当と言えるだろう。スポーツ性の高いY-AMTだが、ツーリングモデルではより快適になるはずだ。
Y-AMTは変速も自動化してくれる
自動マニュアルミッションとは、クイックシフターのようにクラッチ操作を省いてくれるだけでなく、ホンダのDCTのように変速も自動で行うモードがある新しいシステム。既存のエンジンに後付けすることができるので、多機種展開も可能になるのも特徴だ。
エンジンにはクラッチとシフト操作をライダーの代わりに行うアクチュエーターがクラッチ側とシフト側にそれぞれ搭載され、左ハンドルに設置されたシーソーボタンでマニュアルシフトが可能。また、自動変速するATモードには2種類のシフトプログラムが用意されている。
左ステップにチェンジペダルは装備されておらず、ヤマハとしてはライダーに荷重コントロールに集中してもらいたいという狙いがある。オートマというと快適性重視のイメージがあるが、それだけでなくよりスポーティな走行ができるのがY-AMTのコンセプトになる。
もちろん、オートマならではのイージーライドも実現しており、発進や低速時のクラッチ操作はスムーズ。Uターンも不安なく行えるほど煮詰められており、オートマ化されたミッション車のネガを解消した完成度を誇る。これが、よりラインナップを拡大するだろう。
MT-09 Y-AMT [YAMAHA] STDから11万円アップの136万4000円で発売されたシリーズの新バリエーション。装置もトータルで2.8kg増に留めており、ホンダのDCTよりも優位となる。
Y-AMTが搭載されたMT-09のエンジン。シリンダーの背後に装置を納めているのはエンジン幅を広げないようにするヤマハならではこだわり。吸気は電子制御スロットルを採用している。
この記事にいいねする