80年代の耐久レーサースタイルのフロントマスクに、新型の並列4気筒500ccエンジンを搭載するCF MOTO「500SR VOOM」。いよいよ中国にて販売が開始された実車のディテールを、現地スタッフが取材した。

1980年代後半のスポーツスタイルを色濃く残した500SR VOOM

80年代後半のホンダCBRやスズキ油冷時代のGSX-R750のような、耐久レーサースタイルを醸し出す500SR VOOM。ルックスの最も特徴的なダブルラウンドライトは、LEDデイタイムランニングライトとして機能するだけでなく、ラムエア加圧のためのインテークとしても機能する。本物のヘッドライトはラムエアインテークの下に配置されたLEDスクエアライト群で、モダンな雰囲気を漂わせている。

テールも耐久レーサーの短くて四角いリア形状を意図的に模倣しており、同時に、ヨーロッパで人気のある左右2本出しのデュアルエキゾーストパイプと、二重の丸型テールライトのデザインを補完。ショート&スクエアなリアシェイプにより、レトロオマージュしつつスポーティな雰囲気も演出した。

500cc水冷並列4気筒DOCHエンジン

パワーユニットは500cc水冷並列4気筒DOCHエンジンを搭載。ノーマル状態での最高馬力は78馬力/12500rpm、最大トルクは49Nm/10000rpmとなり、スリッパークラッチも装備している。

また、高回転域でのエンジン吸気量を増加させ、より強力な出力を引き出すラムエア吸気機能を搭載。加圧状態での最高馬力は81.8馬力となる。これはZX-4Rでミドルスポーツにこの技術を投入しているカワサキを追って、 CFMOTOもこの技術をもとにエンジンパフォーマンスの競争力を強化することを意味するだろう。

トラックニーズに応える多彩な設備

フレームはCBR250RRやZX-4Rと同様のスチール製トレリスフレームを採用。軽量化を核に設計されており、装備重量はZX-4Rと同等の194kgに抑えられている。同クラスの2気筒スポーツカーよりは若干重いものの、新設計の4気筒エンジンは、クラシックな4気筒モデルCB400SFの201kgと比較すると重量コントロールの面で有利だ。

ブレーキ面では、フロントブレーキに300mmダブルディスクと対向4ピストンラジアルキャリパー、リアブレーキに220mmシングルディスクとシングルピストンキャリパーを採用し、確実な制動性能と走行安全性を確保している、

ショックアブソーバーは、フロントフォークが41mm調整式倒立式で22段階の減衰調整が可能、リアショックアブソーバーは20段階の減衰調整が可能なマルチリンクシングルショックとなる。この構成は、車体の安定性を向上させるだけでなく、路面の凹凸を効果的に除去し、路面の感覚を維持しながらより快適な乗り心地を実現する。

さらに、24セクションの調整可能なステアリングダンパーが標準装備されており、高速での安定性が効果的に向上し、サーキットで走行したい場合の追加の基本改造コストを節約できる。

電子制御面では、5インチTFTフルカラーメーターを搭載し、速度、回転数、燃費などの基本的な運転情報を表示するほか、トルクカーブを直接表示することも可能だ。グラフ表示により車両の出力状態を一目で把握できることで、サーキットユースでの利便性も高まるだろう。さらに、スリッパークラッチ、前後ABS、ワンウェイクイックシフター、タイヤ空気圧検出などの実用的な電子支援システムを多数搭載し、ストリートでもライダーに安全で便利なライディングを提供する。

CFMOTO 500SR VOOMの主な仕様

全長×全寬×全高:2010×715×1115mm
ホイールベース:1395mm
座高:795mm
車両重量:194kg(湿潤重量)
エンジン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ
最高馬力:78PS/12500rpm(ラムエア吸気時81PS)
最大トルク:49Nm/12000rpm
燃料タンク容量:15.5L
トランスミッション:レシプロ6速
ブレーキ:フロント=ダブルディスク、リア=シングルディスク
タイヤ:フロント=120/70ZR17、リア=180/55ZR17

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