現在日本メーカーの4気筒400ccのラインナップはカワサキのZX-4Rシリーズのみという状況だが、そこにホンダが新型CB400を投入すると予想されている。背景には中国での4気筒スーパースポーツブームがあり、新たにQJモーターも400ccクラスに参入するようだ。

3機種目の中国ミドル4気筒がデビューか

日本のお家芸として発展してきた並列4気筒エンジンのモデルだが、近年中国メーカーによる開発が活発になっているのは周知の通り。600cc前後のアッパーミドルクラスを中心に、上は1000ccクラスから下は400cc前後のミドルクラスまで数多くのモデルが登場している。

今回新たにリークされたのは、QJ MOTOR(QJモーター)のモデル。フルカウルのボディに並列4気筒421ccのエンジンを搭載しているとされ、最高出力は77.5PS、最高速は220km/hに達するという。車名は「SRK400RR」、中国名は「赛(サイ)421」になるようだ。

QJモーターはベネリを擁する中国の大手メーカーで、2023年末にはハーレーのX350およびX500も手掛けており、日本でもその存在が浸透してきているメーカー。2024年から並列4気筒の「SRK800RR」がSBKのWSSPに参戦を開始しており、急速に勢いを増している。

他にも中国では2023年にKOVEが「450RR」、2024年にはCFMOTOが「500SR VOOM」を発売。いずれも並列4気筒エンジンを搭載しており、ホンダが中国や日本で発売するという新型CB400(中国版は500ccと言われる)に対抗する存在と言える。

中国でも人気のカワサキZX-4Rを含めて日中のミドル4気筒対決が激化しそうな気配だ。

スーパースポーツ世界選手権にSRK800RRが参戦

世界選手権のロードレースに参戦する中国メーカーは、QJモーターとCFMOTOの2社があり、ともにモト2とモト3にエントリー。ただし、両レースとも自社の製品による参戦ではないので、そのポテンシャルを証明するにはプロダクションレースに参戦する必要があった。

そこで踏み出したのがQJモーターで、今シーズンからSBK併催のWSSP(スーパースポーツ世界選手権)にファクトリー体制で参戦を開始した。マシンは並列4気筒エンジンを搭載するSRK800RRで、独自開発とされる778ccユニットは102PS/10000rpmを発揮している。

ライダーは、WSSPで19回の表彰台経験がある実力派、ラファエレ・デ・ロサ選手を起用するが、8月のポルトガルラウンドを終えた時点でポイント獲得はなし。ベストタイムもトップから2~5秒ほど遅れており、まだまだ開発を進める必要がありそうだ。

それでも、自社のスーパースポーツモデルで世界選手権に挑戦を開始したことは、中国メーカーのレベルが高まっている現れと言えるだろう。日本メーカーが得意とする並列4気筒のスーパースポーツは、いずれレースでも中国モデルと対決する日が来るかもしれない。

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