
ヤマハが欧州で展開しているGenuine Yamaha Technology Racing(GYTR=ジェニュインヤマハテクノジーレーシング)に、YZF-R1の25周年を祝う特別仕様車が発表されたのは昨年7月のこと。この1号車がついに完成した。
2021年にSBKで優勝した仕様とほぼ同じ
2023年に公開されたGYTR R1 Pro 25th Anniversaryは、ヤマハが一般に発売した中で最も豪華でハイスペックなモデル。昨年25周年を迎えた初代YZF-R1イメージで25台が限定販売されるが、この度、英国を拠点とするGYTRのプロショップ「Crescent Motorcycles」が1号車を完成させた。
GYTR Pro R1は、SBKマシンを担当したヤマハモーターリサーチ&デベロップメントヨーロッパのレーシングエンジニアによって開発されており、仕様は実際のSBK仕様にかなり近いという。そのため15万9000ユーロ(約2600万円)という破格なプライス設定となった。
クレセントモーターサイクルズの担当者が「2021年に優勝したバイクとほぼ同じ仕様」と語るように、STDとは全くの別物。さらにジョナサン・レイ選手らと同じメカニックが組み上げるという限りなくSBKマシンに近いYZF-R1を買うことができるのだ。
GYTR R1 Proは、低重心タンクとSBK仕様のマレリ製ECUが収容可能なカーボン製リアフレームを採用。足まわりにはSBK用に開発されたスイングアームを奢るという超ハイレベルなもの。ジョナサン・レイ選手の担当メカニックが「これは間違いなくスーパーバイク」と太鼓判を押す仕上がりだ。
GYTR R1 Pro 25th Anniversary [YAMAHA] 初代R1カラーにちなんだカラーがインパクト大。中身は最新のレーススペックで、SBKレーサーとほぼ同じ仕様になっている。
ジョナサン・レイ選手のSBKマシンを担当するピーター・バンセヴィッツ氏が1号車を組み上げ中。パーツや仕様だけでなくこれもGYTR R1 Proの付加価値と言えるだろう。
2023年のYZF-R1の25周年にちなんだ25台限定車の1号車。R1は2024年限りで公道仕様を欧州で生産終了するが、今後はこのような形でレーサーの販売が続けられるだろう。
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