218PSを発揮する最強スーパースポーツのCBR1000RR-Rが2022年でモデルチェンジする。また、1992年から発売されているファイアーブレードの30周年カラーも用意され、日本でも発売される見込みだ。
細部のアップデートに加えて初代のトリコロールカラーを導入
RR-Rの218PS/14500rpmの最高出力を発揮する並列4気筒エンジンは、吸気がスムーズな流れになるようエアボックスとインテークファンネルを改良。また、マフラー本体や触媒部分での排気効率アップに合わせて、エンジンの吸気ポートも流速を上げるように調整されている。駆動系では、ドリブンスプロケットの丁数を3丁増やし43丁とし、各ギアでより力強い加速力を実現した。
電子制御スロットル(Throttle By Wire=TBW)はバネ荷重が減少し、リニアなレスポンスが得られるよう改良。ソフトウェアについても、HRCのSBKチームなどから得られたデータをフィードバックしている。特にラップタイムに直結するトラクションコントロール(HSTC)は、改良されたエンジンに合わせて制御がアップデートされた。同時にクイックシフターの制御も新たに最適化されている。
さらに、2022年型CBR1000RR-R SPには、1992年の初代CBR900RRの誕生以来30年に渡るチャレンジを記念して、初代モデルのカラーリングをモチーフとした30周年記念カラーを設定している。30周年車は、日本では期間限定受注になるとの情報で、来春のモーターサイクルショーで初公開されることから、そのタイミングでの予約受付けになると思われる。
ただし、CB1100EX/RSファイナルエディションが10月8日~11月30日の期間限定受注で発表されたものの、計画数に達したことから10月25日に予約受付けを早期終了した例もあり、RR-R30周年車も日本への割り当て数に達した時点で予約を終了する可能性が高い。CB1100ファイナルで計画されたのは1600台だったが、RR-R30周年はかなり少数になることが予想されるので、早めの決断が吉だ。
ファイアーブレードは、V4全盛期に企画された異形のモデルだった
CBR900RRは時代を切り開いたパイオニアとして知られるが、開発当時、ホンダの大型スポーツバイクの本流はV型4気筒750ccのモデルだった。これに並列4気筒エンジンで対抗すべくCBR750RRを開発したチームが存在し、実際にプロトタイプまで完成していたが発売には至らなかった。
これをベースに市販されたのが900RR。当時盛り上がりを見せていたZZ-R1100などのリッターオーバーのスポーツバイクに0-1000mまで上回るパワーと、乾燥重量185kgという超軽量な車体で圧倒的なスポーツ性を発揮するモデルとしてデビューを果たしたのだ。
900RRはライダーに歓迎され、当初の893ccから918.5cc、929ccと小刻みに排気量を増やしながら改良を繰り返し、2004年には1000ccに拡大されるとともに、プロダクションレースにも参戦可能となった。すでにV型4気筒モデルは撤退しており、並列4気筒のファイアーブレードが大型スポーツバイクの本流として進化を続けることになった。
2022年型CBR1000RR-RファイアーブレードSP欧州仕様主要諸元
・全長×全幅×前高:2100mm×745mm×1140mm
・ホイールベース:1460mm
・シート高:830mm
・車重:201kg
・エジンン:水冷4ストローク並列4気筒DOHV4バルブ 1000cc
・最高出力:217.6PS/14500rpm
・最大トルク:11.42㎏-m/12500rpm
・燃料タンク容量:16.1L
・変速機:6速リターン
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70ZR17、R=200/55ZR17
この記事にいいねする