
文/Webikeスタッフ:銀
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今まで、片道約30キロの道のりをヤマハ NMAX(2016年式)で通勤していましたが、この試乗企画の影響によりADV150に買い替えてバイク通勤しています。ルートとしては、約1/3は渋滞がひどく、すり抜けが多いストップ&ゴーの道で、2/3は流れの早い国道の幹線道路、主に国道246号線を走るルートです。今回のクロスカブ110も同様のルートで走行しています。
モトレポートでは、試乗インプレの他に新車・中古バイク検索サイト「ウェビック バイク選び」に掲載されているバイクに関する情報を発信しています。
目次
エンジンフィーリングがシルキーでギアチェンジも予想以上に滑らか
今回の試乗はクロスカブ110。以前C125の試乗をした時も感じましたが、クロスカブ、C125、CT125ハンターカブと、カブをベースにした各モデルのデザインは本当に魅力的。ちょっとレトロ感があって、アウトドア的なギア感を感じさせルデザインは、一周回って最先端のデザインになったかのよう。街中を走っていると、なんとなく周囲の目線を惹きつけているのが感じられます。
クロスカブ110に跨って走り出すと感じるのは、「オートバイ」ではなく「原動機付自転車」に乗っている、という感覚です。両足の間にガソリンタンクが無いせいなのか、車体、ホイールから伝わってくるフィーリングが優しいせいなのか、まさにエンジン付き自転車に乗っている気分。ちょっとしたお出かけにピッタリな、気軽な相棒というイメージです。
エンジンからのフィーリングもとってもシルキーで、ギアチェンジも予想以上に滑らか。クロスカブのしなやかな印象は「トゥルルル~」という排気音から受ける印象も大きいと思います。初心者には緊張感を与えない、バイク経験者には癒しのようなこの排気音。カブシリーズならではの大きな魅力だと思います。
試乗期間中、普段の通勤の他に休日の買い物でクロスカブを利用しました。大き目のエコバッグを肩にかけて買い物へ、といったシチュエーションで、小回りが効いて車体も軽いクロスカブ110は本当に便利。駐車場所も自転車感覚なので、お店の前のちょっとしたスペースに止められるので問題なし。カブに似合う箱型のボックスをリアキャリアにつければさらに便利だと思います。
▲2013年にデビューし2018年に現行型にモデルチェンジしたクロスカブ110。初代から好評でしたが二代目が大ヒットし、2020年のCT125へ繋がりました。ベースはスーパーカブ110で、可倒式ステップやブロックパターンタイヤなどの専用パーツを装備しています。
▲ライダーの身長は170cm。前後タイヤは17インチでサイズ的には一般の小型バイクと同じ。いたって普通のライディングポジションです。
▲ライダーの体重は65kgで足着き性は両足がほぼ接地しますが、わずかにかかとが浮きます。実はスーパーカブ110よりも39mmシート高が高められています。
通勤バイクとして考えてると装備が劣る面が目立つ
一方、国道246号を走行する通勤シチュエーションでは、正直に言ってパワー不足と車体の不安定さが目立ちました。特に夜の帰り道など、車の巡航速度が高い時間帯では、後ろから接近する車に気を使いながら走行したほうが良いでしょう。フルスロットルでもスピードが落ちてきてしまう登坂区間もあるため、後続車への配慮は自らの安全のためにも必要です。
また、クロスカブ110は前後ともにドラムブレーキのため、ブレーキレバーを握り始めた際の初期制動力がディスクブレーキ車と比較すると明らかに弱いです。特に、フロントブレーキは握りこんでいかないと制動力が立ち上がらないため、車間距離に余裕を持つなど、交通量の多い道路を走る際は気を付けたほうがいいでしょう。
スーパーカブと違ってレッグシールドも装備していないため、雨の日も苦手です。スクリーンもないので、上半身はしっかり濡れますし、それ以上に靴が濡れやすいです。防水性能に優れたレインブーツなどを履くことをおススメします。ドラムブレーキが雨だと余計に効きづらくなってしまうのも、不安定感を増す一因になっています。
▲エンジンはスーパーカブと共通の109cc空冷単気筒。最高出力は8PSなので、CT125の8.8PSとは大差ありませんが、排気量差は明確。またスーパーカブC125の9.7PSと比べると大きな差になります。
▲フロントがドラムブレーキのモデルは近年ほどんと見かけないくらいレアな存在になってしまいました。効きやタッチもディスクの方が優れているのが分かります。
▲リアブレーキもドラムです。タンデムステップがスイングアームに設置されているので二人乗りもできますが、シートを用意する必要があります。
カブライフを楽しむのに最適な一台、優しいフィーリングはCT125よりも上!?
バイク通勤、という利用状況では、スクーターと比較してどうしても見劣りしてしまうクロスカブ110。ですが、バイクとしてみれば、この優しいフィーリングは魅力的。比較されることの多いCT125ハンターカブと比べても、滑らかで癒しのフィーリングはクロスカブが上です。
ただ、125㏄との排気量差は埋めがたく、ツーリングにも使うことが多いのであれば、幹線道路の巡航もこなせるCT125クロスカブのほうがおススメだと思います。
以前にもスーパーカブC125のインプレッションで述べましたが、やはり現代のカブは究極の趣味バイクと言っても過言ではありません。通勤の足という枠に囚われず「クロスカブのある生活を楽しむ」ぐらいの余裕をもって、カブライフを楽しむのに最適な一台と言えます。
▲初代クロスカブにあったレッグシールドがなくなり、ハンターカブスタイルに進化したクロスカブ。CT125がデビューした現在でも人気は衰えていません。2020年型でテールランプが新法規に対応しました。
▲フレームマウントされたヘッドライトはLED。ワイルドな印象のヘッドライトガードはシュラフなど軽量な荷物の積載にも重宝します。
▲独自のパイプハンドルはオフロードでのスタンディング走行も考慮したポジションです。
▲メーターは、アナログ式で燃料計付き。トリップメーターやギアポジションインジケーターなどの装備はなく簡素な内容です。
▲スーパーカブシリーズと同じ三角シート。停車時は前の方に座ると足着き性が向上します。タンデムシートはありませんが、大きなキャリアで積載性は優れています。
▲カブと言えばシート下の燃料タンクが特徴。キャップはキー付きなので安心です。
2020年型クロスカブ110主要諸元
・全長×全幅×全高:1935×795×1090mm
・ホイールベース:1230mm
・シート高:784mm
・車重:106kg
・エジンン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 109cc
・最高出力:8PS/7500rpm
・最大トルク:0.87kg-m/5500rpm
・燃料タンク容量:8L
・変速機:4段リターン式(停止時はロータリー式)
・ブレーキ:F=ドラム、R=ドラム
・タイヤ:F=80/90-17、R=80/90-17
・価格:34万1000円
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