
2025年11月に施行される新排ガス規制によって、現行の原付一種=50ccが絶滅する可能性が高い。日本を代表する名車スーパーカブ50も消滅? と思いきや、ホンダの執行役が「存続」を明言。スーパーカブ110をベースとする新基準原付として販売される!
目次
スーパーカブ50は終了へ! ファイナル仕様が近々発表か
当WEB既報のとおり、ホンダは50cc以下の原付一種バイクを2025年5月頃に生産終了する方針だ。これは2025年11月から全面適用施行される新排ガス規制によるもの。コストを度外視すれば対応は可能と言われるが、価格が高騰してしまう。それに見合ったセールスは難しく、存亡の危機を迎えている。
それは、世界的ベストセラーであり、日本を代表するバイクでもあるホンダ スーパーカブ50においても例外ではない。1958年に誕生した初代スーパーカブC100も50ccで、デビュー以降、日本人のビジネスや生活を支えてきたが、ついに生産終了になるとの噂だ。
これを惜しむように、近々スーパーカブ50のファイナルエディションが設定される模様。当WEBでは、OHCを初採用した1966年型C50風のブルーになると見ている。
スーパーカブ50ファイナルエディションのイメージCG(当web作製)。元ネタのC50は庶民の足として活躍し、2012年まで生産された記念碑的モデルだ。
現行スーパーカブ50(24万7500円)は、2017年11月に登場。2022年型で110版は排ガス規制に対応し、キャストホイールなどを導入したが、50は非対応でスポークホイールを継続した。
ホンダ執行役が「スーパーカブ110の新基準原付版」について言及
このラストモデルで50cc版のカブは消滅してしまうのかと思いきや、「新基準原付」として存続することが明らかになった。
7月2日に行われた二輪メディア関連の会合に、本田技研工業の執行役 二輪・パワープロダクツ事業本部長である加藤稔氏が参加。加藤氏は4月から同役職に就任しており、バイク関連では実質的な舵取り役と言える。
加藤氏によると、ホンダは「50ccバイクの生産を順次終了する予定」だが、現行のスーパーカブ50や原付スクーターを新基準原付に適合。「お客様にご提供する準備を整えていく」という。
加藤氏は1988年、ホンダに入社。国内販社であるHMJ(ホンダモーターサイクルジャパン)の立ち上げに関わった後、海外駐在などを経て、2020年4月から執行職に就いている。
二輪メディア向けの会合で使われた資料。「スーパーカブはなくなりません!」という力強い宣言が!
スーパーカブ110をデチューンして新基準原付に対応
新基準原付(新原付)とは、法改正が進められている新しい枠組み。従来の原付一種(50cc以下)は、排気量で区分していたが、今後は「125cc以下、最高出力4kw(5.4PS)以下」を新原付と定義。これまでの原付免許で乗車でき、上限30km/h、二段階右折などの交通ルールも継承される。
順当に進めば次期排ガス規制が原付に適用される2025年11月までに法改正と、メーカーによる製品開発が並行して進められることになる。
現行のスーパーカブ110は、50版と基本車体が共通。109cc空冷単気筒エンジンは8PS、0.90kg-mを発生するが、排気量はそのままに最高出力をデチューンした新原付版が今後登場する。
2023年9月に実施された性能実験では、テスト向けにスーパーカブ110の新原付版を製作。エンジンは5.16PS、0.71kg-mにデチューンされたが、50と110では走行フィールの差が少ないとの声が多かった。
ちなみに現行50は3.7PS、0.39kg-mなので、新原付版はよりパワフルになるかもしれないのだ。
スーパーカブ新原付版の予想CG。ドラムブレーキ+スポークホイールの50と異なり、110はディスクブレーキとキャストホイールを採用する。新原付版もこれを踏襲か?
ベース車のスーパーカブ110(30万2500円)。アンダーボーンフレームの車体や外装、LEDヘッドライトなどの装備は50と共通だ。
今後も50ccはメンテを継続、そして争奪戦になるのはもうすぐ!?
加藤氏によると、株主総会で「ホンダ50cc生産終了」の情報を見た株主から「今後50ccのメンテナンスは受けられなくなるのか?」との質問を受け、「今の50ccのお客様に関しては引き続きメンテナンスはしっかり対応していきます」と回答したと話す。
原付ユーザーは当面、安心して乗り続けることができそうだ。
ただし現在、ホンダを含む二輪メーカーは公式に50ccの生産終了をアナウンスしていない。当WEB調べによれば、50ccモデルのセールスは2024年に入って微増しているが、争奪戦にまでは至っていないのが現状だ。
都内にあるホンダ系の有力販売店によると「50ccスクーターの注文はそれなりにあるものの、生産数が少なく、欲しいユーザーに行き届いていない。50ccが生産終了する影響で注文が殺到したということはないが、メーカーが正式に終了を発表すれば駆け込み需要が発生するかも知れません」。
昨今、SR400やセロー250、CB400SFなど、生産終了が正式発表されるや否や争奪戦が起きたり、既に買えない事態が頻発している。現在の「原付」が欲しい人は早めに動いた方が吉だろう。
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