難しい時代も過ごしたMVアグスタだが、そんな中で新たな3気筒エンジンのファミリーを展開することに成功し、さらに今回は同じエンジンでアドベンチャーモデルをラインナップするにまで至った。この構想はしばらくあったのだが、オーナーシップを巡って会社自体が安定しなかったため、なかなか形にならなかった経緯があるものの、満を持して登場となった。アドベンチャーのカタチになっても、伝説的イタリアンブランドのスポーティなDNAをしっかり継承しているのか検証する。
■試乗・文:Klaus Nennewitz ■写真:MV Agusta https://www.mvagusta.com/jp ■翻訳:ノア セレン『MVアグスタのアドベンチャー・モデルって?』MV AGUSTA ENDURO Veloce試乗
イタリア・ヴァレーゼの名ブランドについて語る時、賞賛に続いて「でも」が発せられることが多い。その「でも」はパーツ供給であったり、カスタマーサービスであったり、あるいはニッチなマーケットに向けたプレミアム路線を突き詰め過ぎたことによるクオリティの管理であったりと多岐にわたる。これに加えてここ20年で何度も変わったブランドのオーナーシップやパートナーシップがまた、MVアグスタという名を不安定にさせてきたという面もあるだろう。その経緯はロシアのTimur Sardarov氏のファミリーが2017年にCom Star Invest社と共にMVアグスタ株の49%を保有し、そして2019年にオーナーとなった、という所でひとまず決着がついていた。
そして今、MVアグスタはまたもや大きな転換期を迎えたのである。Pierer Mobility Group の一員であるKTMが2024年3月にMVアグスタの筆頭株主となり、新たにHubert Trunkenpolz氏がMVアグスタのCEO及びチェアマンに就任。かつてのSaradarov氏時代の関係者はまだ多く在籍しており、サンマリノの開発部門とデザインセンターは引き続き稼働中である。
情報提供元 [ WEB Mr.Bike ]
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