
ホンダ発の、クラッチ操作が不要になり、新感覚のライディングを楽しめる期待の「E-クラッチ」。既にCBR650R、CB650Rに搭載され6月から販売が始まっているが、そこにヤマハヨーロッパから、同様にクラッチ操作を不要とする新技術「Y-AMT」が発表された。
スイッチ一つでマニュアルとオートマを切り替えられるというこの装備。E-クラッチに対する強力なライバルになりそうだ! そして搭載されるとするなら、やはりホンダの同クラスとの一騎打ちになるだろうか!?
シフトペダルを排し、指で操作するマニュアルモードを採用
今回発表された「Y-AMT」は、YAMAHA AUTOMATED MANUAL TRANSMISSIONを省略したもので、「次世代のシフト技術によりバイクの楽しみを新たな次元に引き上げる」ものだという。具体的にはこの機能、クラッチレスのマニュアルミッションとオートマチックトランスミッションをスイッチで切り替えることができる新シフト技術とのことで、発表と同時に数枚のスイッチ類の写真、ミッションのCG画像などが公開された。
欧州ヤマハから電撃的に発表された新シフト技術「Y-AMT」現段階では数枚の写真と、簡単な機能説明のみが公開されている。
解説によれば、この技術はマニュアル/オートマをスイッチで切り替えることにより、没入感を高めるライディングを実現するものだという。
Y-AMT搭載モデルは「ライディングにいっそう集中するため」クラッチレバー、シフトペダルを排し、ミッション操作は左側のハンドルスイッチによって行われる。シフトアップにはプラスボタン、ダウンにはマイナスボタンを押すという機能で、レイアウトは自転車の変速機にも似ており、バイクとしてはかなり目新しい。機能説明によればその精度は「最新のクイックシフターを使用するよりもスムーズ」とのことで、スポーツライディングを十分に楽しめるどころか、今以上の操作感の向上を得られるという。
オートマチックモードでは2段階のライディングモードで走行が可能。こちらはアグレッシブなスポーツモード「D+」と、長距離のツーリングに向いた「D」を選択できる。シフトスイッチを任意のタイミングで操作することで、意図的なシフトチェンジも可能だ。このためワインディングからストリートまで、リニアなシフト感覚を得られるのだ。
右ハンドルにレイアウトされたAT/MT切り替えスイッチ。ワンタッチでモードを変更する。
マニュアルモードではシフトチェンジを左スイッチによって行う。人差し指でシフトアップ。
親指でシフトダウンの操作となる。もちろんクラッチレバーはなく、またシフトペダルも存在しない。
ATモードは2段階のモードセレクトが可能だが、シフト操作も受け付けるためアグレッシブな走りも可能だという。
そんなヤマハ発の自動シフトY-AMTだが、構造的な変更はスイッチボックスのほか、エンジンに追加される2つのアクチュエーターがあるのみ。このためシステムの重量はわずか2.8kgとコンパクトで、重量級ツアラーのほか、スポーツモデルの性能もスポイルされない小型軽量さを実現している。
採用モデルはどうなる? ミドルスポーツへの搭載を予想
そんなY-AMT、現在は数枚の画像のみが発表されている状態で、発売時期はもちろん搭載モデルも不明だ。しかし、画像では完全に実機のハンドル周りにレイアウトされていることを確認でき、登場は間近であることを予感させる。ここで忘れてはいけないのがホンダ「E-クラッチ」の存在。昨年発表されたE-クラッチ、こちらもクラッチ操作不要の新シフトシステムということで共通点は多いが、こちらの搭載機はミドルスポーツのCBR650RとCB650R。エントリー層からベテラン層にまで、幅広くまたがるチャンスがあるミドルスポーツ、ヤマハのラインナップではTZF-R7、MT-07がこれに当たる。とすれば、同クラス帯でのガチンコ対決という可能性もあり得る!? 続報に期待していきたい。
搭載機種は不明だが、E-クラッチと真っ向勝負となるミドルクラス、更にマルチユースなスポーツといえば「MT-07」。Y-AMTの写真でもバーハンドルへ装着されており、期待あり!?
同じくミドルスポーツ「YZF-R7」にも十分可能性があるだろう。こちらはCBR650Rとの勝負になるか!?
2023年のミラノショーで発表され、今年6月から国内でも導入が開始されたホンダ「E-クラッチ」Y-AMT同様の新シフトシステムとして、どんな違いがあるか要注目だ。
Y-AMT: Yamaha Automated Manual Transmission(Youtube)
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安全にスムーズに速く走るにはこういうシステムはとてもありがたいのだが、その一方でシフトダウンの回転合わせ、ブレーキングから旋回に至る過程でバイクを上手く操る楽しみがスポイルされてしまうような・・⁈
両手両足が全て別の動きやタッチを要求され、あわせて姿勢や荷重移動等いろんな要素が上手く絡まないとバイクはスムーズに走らないからこそ面白い。
老化や認知症の予防としても(笑)バイクに乗り続けたい身としては簡単になり過ぎるのもちょっとねー。
Y-AMT、Eクラッチと言うよりはDCTにちかいのでは?
これは便利ありがたい!
バイクは自動車と違ってある程度の不自由を楽しむものだからな。
サーキットで0.1秒を削るならともかく、公道で欲しい装備なのか?
楽したいならスクーターで十分じゃない?
クラッチレバー無くしちゃダメでしょ。E-クラッチのほうが分かってる。
こうゆうシステムは半クラッチとかはどぉするん??
いや、俺はクラッチ操作がしたくてMTに乗ってるんだが…
「次世代のシフト技術によりバイクの楽しみを新たな次元に引き上げる」って、俺からしたらバイクの楽しみを奪われてるんだが…
そもそも、クラッチ操作が面倒くさい人の為にスクーターというものが存在するのだと思うのだが、違うかね?
「Eクラッチ」とは少し違うね。
ホンダとヤマハの「思想の違い」が垣間見えて興味深いね。