自分で買うなら、オフロード性能を追求した<s>。以前の筆者はそう思っていた。とはいえ、月1ペースで過酷な林道ツーリングに出かけるようになった最近は、ローダウンバージョンのスタンダードに興味津々なのだ。
REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko)PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki)
劇的な変貌を遂げた第二世代
2021年春に神奈川県のオフロードコースと周辺の一般道で、現行=第二世代のCRF250L/(s)を初めて体験した日のことは、今でも鮮明に覚えている。2輪の世界にはいろいろな仕様変更が存在するものの、抜本的な改革や路線の変更を行わずに(もっともホンダの姿勢はフルモデルチェンジで、第二世代のCRF250L/(s)は数多くのパーツの見直しを行っていたのだが、エンジンとシャシーの基本構成は初代と同様だった)、あそこまで劇的な変貌を遂げた事例は、相当に貴重なんじゃないだろうか。そしてその変貌に、僕は感心を通り越し、感動してしまったのだ。
さて、初っ端から情緒的な話をしてしまったが、そもそも2012~2020年に販売された初代CRF250Lに、僕はあまり好感を抱いていなかった。その主な理由は車体の硬さと太さ、エンジンのモッサリ感で、全世界で約13万台が売れたモデルにこんなことを言うのは何だけれど、見た目と車名がCRFでも、ツルシ状態ではオフロードテイストが希薄な初代が、僕にはどうにもピンと来なかったのである。
情報提供元 [ モーターファンバイクス ]
この記事にいいねする