こんにちは、前回から「国産トレールバイクHonda CRF250Lで日高2デイズエンデューロに参戦」というテーマの連載をスタートさせていただいているオフロードバイク雑誌編集者の宮崎です。日高2デイズエンデューロという伝統的なオフロードレースに参戦するにあたり、現在カスタムパーツ類を揃えるべく準備をしているわけですが、その前にせっかくの新車で購入したトレールバイク、まずはスタンダードの状態で林道を楽しみたいと思い、長野方面へ走りにいってきました。

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ノスタルジーに浸るのもいい加減にして、さっそく長野県の八ヶ岳方面に向かいました

かつて20代、30代の頃はよく林道ツーリングを楽しんでいました。「BACK OFF」というオフロードバイク雑誌の編集をやっていましたから、企画でアウトドアの達人とツーリングして、林道の途中でマットとシュラフのみで星空を眺めながら1泊してみたり、元モトクロス世界チャンピオン渡辺明さんと、パリダカ参戦に向けた練習に通っていたという栃木の思い出の林道をたどってみたり、ナイトラン企画で夜中から明け方まで長野の林道を走りまわったり、Honda CRM250ARが登場したときは前年モデルとの燃費比較をしに伊豆の林道へ行ったりと、仕事関係だけでも色々と楽しい思い出が残っています。もちろんプライベートでもよく林道に行きました。手巻きのマップホルダーを装着してのコマ図ツーリングや、無理くりビデオカメラをヘルメットにセットして走行動画を撮影して、アナログ機器で編集してみたりと、いまでは便利なギヤが発達して簡単にできる遊びを、当時友人たちと四苦八苦して楽しんでいたのも良い思い出です。

さて、そんなノスタルジーに浸るのもいい加減にして、さっそく長野県の八ヶ岳方面に向かいました。八ヶ岳林道は30年ほど前に走りに行ったきりですが、ネットの情報によれば今でも走れるらしい。みずみずしい緑と青空、締まった路面で気持ちよく走ることができました。CRF250Lに装着されているサスペンションは、強い入力に対しては底付きすると言われていますが、フラットな林道を安全運転する限りではまったく不安もありません。少々のがれ場も飛ばさなければ大丈夫。タイヤもスタンダードのままで空気圧は2キロほどで走りました。まだレースに向けたビードストッパーやヘビーチューブといったパンク対策もしていないですし、今回はパンク修理キットやチューブを持参せずに走ったので、なるべく空気圧を高くしました。レースではもちろん低圧にしますし、さらにいえばチューブではなくムースに変える予定ですが、今回のような林道ツーリングならば、薄いノーマルチューブでも空気圧を相当高くすることである程度パンクのリスクは減らせるのかなと思います。もちろんパンク修理装備は持参したほうが安全ですし、林道の継ぎ目やクレバスのようなところではなるべく速度を落として、タイヤがヒットしないように気を使いました。

続いて場所を変えて、長野県入笠山付近の林道へ。この辺りも20代のころよく走りました。前述したナイトラン取材もこの辺りでおこないましたが、なにしろ漆黒のなか地元のライダーの案内で走り回っただけなので道も場所もよく覚えていません(当時の私は駆け出しの新人で、記事担当は大先輩がされていました)。そんな若かりし頃のことを思い出しながら走りまわっていると、いつまでも舗装路にでくわさないし、枝道も多くて道に迷いそう。仕事柄林道よりもレース会場に赴くことが圧倒的に多くなり、「最近はダート路面の林道は激減している」といった漠然とした勝手な想像をしていたのですが、意外にも走れる道がまだまだ多いことを知りました。これを機に林道ガイドブックも購入しましたので、レースだけでなく林道も引き続き楽しんで行きたいと思います。

日高はあえてスタンダードのままで

と、今回はマイペースでのんびりと林道を楽しんできたのですが、もちろん日高のことも頭に入れて考えながら走っていました。サスペンションに関しては、CRF250Lでの初参戦ということで、トレール車でのチャレンジという企画のテーマにそって、あえてスタンダードのままでいこうと走りながら決めました。

変更するのはギヤ比。スタンダードの前後スプロケットは14/40Tですが、同じくCRF250Lで日高に参戦をされる予定の大阪の「モーターサイクルショップ ニュートン」の高橋店長は旧知の間柄で、日高をよくご存知ですし、今年のJNCC開幕戦にCRF250Lで参戦していたショップですので、アドバイスをいただきました。教えていただいた情報に従って、まずはフロントを12Tへ変更してショート化します。これだけならばチェーン交換が不要で経済的とのことです。このギヤ比で走ってみて、まだパンチ不足を感じるようならリアスプロケ丁数を42Tまで増やし、チェーン交換をするかもしれません。高橋店長によれば「今の所JNCCやちょっとした難所の林道は問題ありません。伸びやかなエンジンで6速あるので、超高速以外は日高でもOKかなと思っています。もともとパンチが弱いのでギア比を下げたところでモリモリにはなりません(笑)。ハマった時の力がないのでそこが欠点ですね。ガレ場の登りとかスリッピーな所は優しいい出だしと車重で案外イケます!」とアドバイスをいただきました。ちなみに「スタックしたらお互い助けましょうね」と、前もって話し合ってています(笑)。

ほかにはハンドルバー、ステップ、ブレーキ&クラッチレバー、シフトペダル、スキッドプレート、ヘッドライトガード、チェーンガイド、スイングアームプロテクションなどの商品をすでに決めているので、次回以降のコラムでご紹介したいと思います。

日高2デイズエンデューロ(HTDE)とはこんなレースです!

「ルート(移動路)」の魅力について


Photo:宮崎大吾 2018年度大会の模様

前回のコラムで日高の歴史や「オンタイムエンデューロ」と「クロスカントリー」の違いなどを書きましたが、今回は「ルート(移動路)」についてです。オンタイムエンデューロには「テスト(タイム計測区間)」と「ルート(移動路)」があり、順位はテストの合計タイムで決定します。ルートは文字通り移動するための道ですが、時間制限がされたなかで様々なダート区間を含む行程をミスなく走り抜ける必要があります。クローズドコースで行われるレースでは割と持ち時間に余裕がなくて、ルートも良いペースで走り続けなければいけないことも多いのですが、1周が長い日高の場合はそこまでタイムがタイトということも少なく、わりと余裕があるはずです。とはいえ、実際に走ってみないとタイム設定の余裕度はわからないので、手を抜かずに淡々と確実に走る必要はあります。


Photo:宮崎大吾 2018年度大会の模様

このように和やかな一面もある日高ですが、あくまでもレース中ですから途中で食事したりコンビニで買い物をすることはありません。またガソリンスタンドで燃料補給することもせず、その代わりに途中に定められた給油ポイントで補給することが許されています。タイムチェック前に数分間余っていた場合は、同じ組や前後のライダー達とのしばしの会話も楽しむことができます。他のレースでは競争中に会話することなど考えられませんが、オンタイムレースの特徴は、ちょっとした連帯感や、旅の要素=ツーリズムも感じられることなのだ思います。


Photo:佐藤敏光 2018年度大会の模様

➤VOL.3へ続く!

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