
6月15日に神戸・メリケンパークで行われた「My Yamaha Motorcycle Day Touch」にて、7月24日に発売が待たれる新型「MT-09SP」の現車が展示。細部に至るまでチェックし、またがった際のライディングポジションも確認してきた。
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上級装備で武装された“The Knight Horse”
今年4月に発売された新型MT-09。その上級グレードとしてすかさず発表されたのが新型MT-09SPだ。すでに欧州では発売中である同車だが、とうとう今年7月に国内販売が正式決定したことは記憶に新しい。
2014年からヤマハラインアップに属するMT-09は、“乗り手が意のままに操れる”というコンセプトのもとに生み出された3気筒ネイキッドスポーツ。スーパーモタードの要素をネイキッドスタイルに落とし込んだ車体構成のまま、幾度ものマイナーチェンジ、フルモデルチェンジを繰り返すことで研ぎ澄まされてきた。
「The Knight Horse」(“騎馬”の意)を開発コンセプトに抱え、888ccクロスプレーンエンジンからは120PSを発揮、最新のCF(コントロールド・フィリング)アルミダイキャストフレームを備える新型MT-09。さらにその上位モデルであるSPは、まさに“駿馬”と呼べる完成度のマシンに仕上がっている。
そんなMT-09SPが初めて公に姿を現した。主に通常モデルとの差異といえば、足まわりのグレードアップとスマートキー化。スーパースポーツモデルさながらの装備を携え、高速域と高負荷でのコントロールに耐える仕様となる。
従来モデルから刷新されたフロントフェイス。発光面も小型化され、よりシャープな印象となった
スマートキー、OHLINSリアショック、ブレンボ製モノブロックキャリパーなどMT-09SP専用装備を拝見!
さて、いよいよMT-09SPでの専用装備をチェックしていきたいと思う。まずはKYB製のフロントサスペンションだが、プリロードと左右それぞれ伸圧減衰調整機構を備えるフルアジャスタブルとなる。減衰調整段数は伸側で26段、圧側では低速18段、高速5.5段の調整が可能。減衰調整部位置については、伸側はフォーク上部、圧側はフォーク下部にて調整が行える。
OHLINS(オーリンズ)製リアサスペンションは車種専用開発となり、伸側で30段、圧側で20段という豊かな減衰調整幅を持つ。フロントブレーキにはブレンボ製モノブロックキャリパー「Stylema®」が装着され、通常のMT-09よりも大径ピストンを採用。ラジアルマウントにより剛性を保持しつつ、重量の削減も達成した。
通常のMT-09には装備されていないスマートキーの採用により、上位グレードらしい特別感を演出。キーの抜き差しによるシリンダーの摩耗もなくなり、文字通りスマートにバイクを起動できる。
よりアグレッシブなポジションを獲得したMT-09SP
MT-09SPでは、ライダーの好みに合わせてハンドルバーとステップの位置をそれぞれ2パターンから変更可能。基本的なライディングポジションはやや前傾となり、ステップ位置もやや後方へ。より幅広い速度レンジで安定感と接地感の向上に寄与する狙いだ。
これによりスポーティさをナチュラルに体感でき、ヤマハが掲げる人と機械の一体化“人機官能”をより鮮明に感じることができる。とはいえ、実際にまたがるとそこまでキツい体勢ではなく、あくまで自然にスポーツ走行が楽しめるポジションとなっている様子。SPでは足回りの強化により、高速域でも安心して楽しめるだろう。
アップライトとは言えないまでも、自然な体勢が保てるライディングポジションだ
MT-09 SP ABS[2024] ブルーイッシュホワイトメタリック2 主要諸元
・全長×全幅×全高:2,090×820×1,145mm
・ホイールベース:1,430mm
・シート高:825mm
・車重:194kg
・エンジン:水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ888cc
・最高出力:120PS/10,000rpm
・最大トルク:9.5kg-m/7,000rpm
・燃料タンク容量:14L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70ZR17、R=180/55ZR17
・価格:税込み144万1000円
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