
バイクにはさまざまなカテゴリーがありますが、一番気軽に乗ることができるバイクといえば「スクーター」ではないでしょうか?その気軽さから人気も高いスクーターですが、おしゃれなモデルも多数存在しています。こちらでは、筆者の独断と偏見で「おしゃれ」を基準に7台を選定して紹介していきます。
目次
スクーターとは
一般的には無段変速機を搭載し、乗車姿勢は跨るのではなく前方の足踏台に足を置いてシートに腰かけるかたちとなるため、スーツやスカートなどの服装でも問題なく乗車可能です。
スクーターの定義について、日本国内では1953年に当時の通商産業省やメーカーなど関係各所の協議により「スクーターとは原動機を座席の下に設け、前方に足踏台のある、車輪の直径が22インチ以下であるような2輪自動車を指す」 としています。
スクーターの特徴
スクーターの特徴は、その利便性、使いやすさ、そして多目的な利用などにあります。以下に、スクーターの主な特徴をいくつか挙げてみました。
1. 小型車両:一般的に小型で軽量な車両が多く、そのコンパクトなサイズは、都市部の交通渋滞や駐車スペースの制約などに有効です。
2. 容易な操作:一般的にほとんどの車両が自動変速機を備えており、クラッチ操作が不要。これにより、初心者でも比較的簡単に操作することが可能です。
3. 経済的:ガソリンエンジンを搭載したモデルは、一般的に燃料効率が良く、燃料費が比較的低く抑えることができます。また、電動スクーターはガソリンを必要とせず、充電のみで動作するため、運転コストがさらに抑えられます。
4. 多目的な利用:スクーターは、通勤や短距離の移動だけでなく、レジャーなどにも利用できます。また、配達や物資輸送などの商業用途にも使用されることがあります。
5. スタイリッシュなデザイン:多くのスクーターはスタイリッシュで洗練されたデザインを備えており、ファッションやライフスタイルの一部としても人気があります。
6. 利便性:シート下やフロントのインナーパネルに収納スペースがあるモデルも多く、通勤や通学、ちょっとした買い物など重宝します。
スクーターの歴史
スクーターの歴史は古く、1910年にアメリカで発売された「Autoped」がスクーターの元祖と言われています。こちらはキックスケーターのようなもので座席は無く、立ち乗りで運転するものでした。
1917年にフランスのパリで「Autoped」が発表されると大きな反響を呼び、その後のヨーロッパのスクーターの歴史の礎となったようです。
1919年にイギリスのABCモーターサイクルズにより「Skootamota」が販売され、こちらには座席が取付けられており、ヨーロッパにおけるスクーターの原型となったと思われます。
その後、イタリアのピアッジオ社から1946年に登場した「Vespa98」。Vespaは、その洗練されたスタイリングと造形美により、世界のスクーターのアイコン的存在となっていきます。
また、日本国内でも同じく1946年に国産初のスクーターとして販売された富士産業(現:SUBARU)の「ラビット S1」が、半年程遅れて中日本重工業(現:三菱重工業)の「シルバーピジョン C-10」が販売されました。
このような感じでスクーターの歴史は紡がれていきますが、今回はここまでで割愛させていただきます。
おすすめ7選
今回は2024年5月現在の現行モデルから、7台を厳選して順に紹介していきます。
Vespa Primavara 125
イタリアの「ピアッジオ」から1946年に登場した「Vespa」。
そのVespaの代表的モデルのひとつである「Primavara」が市場に登場したのは1968年。
その後一旦市場から姿を消しますが、2013年に復活。
Vespa伝統のスチールモノコック構造を採用し、現代的でありながらもVespaらしいクラシカルな雰囲気を十分に感じることができる美しいデザイン。
「おしゃれなスクーター」といえば、外せない1台です。
自動車専用道路も走行可能な150ccモデルもラインアップされていますので、自分の使用したい環境にあわせて選択可能。
排気量:124cc
最高出力:10.9HP(8.1kW)/8,000rpm
最大トルク:10.4Nm/6,750rpm
シート高:790mm
Lambretta V125 special
イタリアのフェルディナンド=イノチェンティが 、1947年に「Lambretta」を創設。
Lambrettaのスクーターは、1950年代後半から’60年代にかけて流行したモッズ・カルチャーに深く結びつき、上記Vespaと同じく、若者の間でスタイルアイコンとして認識されました。
しかし、1971年にはスクーターの製造を中止し、インド政府に買収されています。
2017年にオーストリアKSRグループとの共同出資によりランブレッタ有限会社を設立し登場したのが、この「ランブレッタVスペシャルシリーズ」。
Lambrettaの伝統的スタイルを継承しつつ、最新のテクノロジーを搭載し、現代版として復活しました。
日本では上記Vespaほどの知名度はありませんが、イタリアを代表する1台です。
排気量49ccの原付免許で乗車可能な「V50」、排気量169ccで自動車専用道路も走行可能な「V200」もラインアップされていますので、自分の環境に合わせて選択可能。
排気量:125cc
最高出力:11.4PS(8.4kW)/8,500rpm
最大トルク:10.3Nm/6,500rpm
シート高:800mm
Royal Alloy TG125(TG125S)
「Royal Alloy」は、イギリスで創業された新興のスクーターブランドです。
特徴的なのは1960年代や1970年代初頭まで販売されたランブレッタシリーズを彷彿とさせるデザインのスクーターを新車として開発 販売を行っているところ。
この「TG125」は、上記ランブレッタの50年代後半から60年代中盤にかけて生産された「シリーズ2」というモデルレンジをオマージュしたもの。
リアルクラシックにこだわった、フルスチールボディーと当時を彷彿させるディテール。クラシック好きにはたまらない1台です。
「Euro5」に適合した空冷エンジン搭載の「TG125」と水冷エンジン搭載の「TG125S」がラインアップされています。
他にもランブレッタ「シリーズ3」をオマージュした「GP125」にも注目。
日本国内ではモータリスト合同会社が代理店を務めています。
排気量:124.6cc
最高出力:9.8PS(7.2kW)/7,500rpm
最大トルク:9.2Nm/7,000rpm
排気量:124.2cc
最高出力:14.3PS(10.5kW)/9,000rpm
最大トルク:11.0Nm/7,500rpm
PEUGEOT Django 125 Evasion
フランスの自動車メーカー「プジョー」の2輪車部門である「プジョー・モトシクル」から発売されたネオレトロスクーター。
プジョー・モトシクルの歴史は長く、1898年に最初のモーターサイクルが製造されました。
第二次世界大戦後の1953年に優雅な曲線とロー&ロングなデザインで構成されたスクーター「プジョー S55」が登場します。
その歴史と伝統を受け継ぎ、「S55」をオマージュして2014年に登場したのが、この「Diango」です。
「Evasion」はオリジナリティあふれるツートンカラーが特徴的。
フランスらしいエレガントさと高級感は他にない1台ではないでしょうか。
Evasionでは他にも、原付免許で乗車可能な50ccモデルと、自動車専用道路も走行可能な150ccモデルもラインアップされています。
しかし、残念ながら2023年で生産終了となってしまったので、新車で購入できるのはメーカー在庫のみ。
排気量:125cc
最高出力:10.6PS(7.8kW)/8,000rpm
最大トルク:9.3Nm/6,500rpm
シート高:770mm
HONDA GIORNO
日本のHONDAからレトロスクーターとして発売された「GIORNO」。
初代モデルは空冷2ストローク単気筒エンジンを搭載し、1992年に登場。
1999年に後継車として空冷4ストロークエンジンを搭載した「GIORNO Crea」に代替わりし、2011年に同じく空冷4ストを搭載して2代目「GIORNO」として復活。
現行モデルは3代目となり、2015年にフルモデルチェンジをして水冷4ストロークエンジンを搭載して登場しました。
車名の「GIORNO」からもわかるように、イタリアンテイストを盛り込んだデザインが成されており、3代目は丸と曲線が強調されたかわいらしいデザインに変更されています。
かわいらしさの中にしっかりとしたクラシックさを感じることができ、国産スクーターとしての信頼性を含めおすすめの1台です。
排気量:49cc
最高出力:4.5PS(3.3kW)/8,000rpm
最大トルク:4.1Nm/6,000rpm
シート高:720mm
YAMAHA Vino
日本のYAMAHAから1997年に登場した「Vino」。
初代モデルは空冷2ストロークエンジンを搭載。2004年に水冷4ストロークSOHC3バルブエンジンを搭載した2代目が登場。
2018年に3代目へとフルモデルチェンジが行われ、このモデルから本田技研工業との原付一種領域における業務提携により、HONDAの「GIORNO」の外観を変更したOEM車として販売されています。
こちら「Vino」の車名もイタリアに由来しており、イタリアンテイストにヤマハならではのテイストが加えられたおしゃれな仕上がり。
人気漫画・アニメ『ゆるキャン△』に登場する志摩リンの愛車としても知名度が高い。
排気量:49cc
最高出力:4.5PS(3.3kW)/8,000rpm
最大トルク:4.1Nm/6,000rpm
シート高:720mm
YAMAHA E-Vino
上記の「Vino」のEVモデル。
2015年から発売され、2022年モデルからは従来比1.2倍の新型バッテリーを搭載。
1回の満充電での航続距離は32kmで、1回あたりの充電の電気代は約15円とのこと。
テレビ東京のTV番組『出川哲郎の充電させてもらえませんか?』の番組内で使用されるスクーターに起用されています。
クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(CEV補助金)対象車両のため、条件を満たして申請手続きすれば、現時点では31,000円が交付されますよ。
おしゃれなEVスクーターに興味がある方におすすめ!
定格出力:0.58kW
最高出力:1.6PS(1.2kW)/3,760r/min
最大トルク:7.8Nm/330r/min
シート高:715mm
まとめ
気軽に乗れるスクーターが1台あると何かと重宝しますよね。
スクーターに乗るのにも「おしゃれ」にこだわりたいものです。
でも「おしゃれ」という言葉自体曖昧で、人それぞれにとっての「おしゃれ」は違ったりするもの。
こちらでは筆者が「おしゃれ」だと感じる車両を紹介しましたが、自分自身が「おしゃれ」と感じられる1台を探してみて下さい。
こちらの記事があなたの「おしゃれスクーター」探しの、何かの参考になったのであれば幸いです。
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