文/Webikeスタッフ:銀

こんにちは!ウェビックスタッフの銀です。今回はホンダの250ccスクーター、新型フォルツァを片道30キロの通勤ルートを中心に実際に走ってみた感想をレポートします。

今まで、片道約30キロの道のりをヤマハ NMAX(2016年式)で通勤していましたが、この試乗企画の影響によりADV150に買い替えてバイク通勤しています。ルートとしては、約1/3は渋滞がひどく、すり抜けが多いストップ&ゴーの道で、2/3は流れの早い国道の幹線道路、主に国道246号線を走るルートです。今回の新型フォルツァも同様のルートで走行しています。

モトレポートでは、試乗インプレの他に新車・中古バイク検索サイト「ウェビック バイク選び」に掲載されているバイクに関する情報を発信しています。

実用一辺倒ではない造りに気分もアガる!

125ccクラスのスクーターを中心に通勤インプレを続けてきましたが、今回は別格ともいえる、250ccスクーターのフォルツァ。今まで乗ってきた車両とは明らかに車格が違い、押し歩きもずっしりと手応えがあります。

バイクに跨り、シート前方のスリムな部分に座れば、身長170㎝の自分でも両足の半分は余裕で着地します。イメージ的にはもうちょっと腰高なイメージでしたが、足着き性に不安はありません。

エンジンを始動してまず目に入るのは、二連メーターのコクピット回り。125ccクラスのスクーターとは作りが違い、ラグジュアリー感を感じます。スクーターには本来必要ないタコメーターで、不思議と気分が盛り上がります。手元のスイッチでメーターの表示を切り替えたり、フロントスクリーンのシールドを上下できたりと、実用一辺倒ではない作りが、乗り手の気分をくすぐってくれます。

▲2018年に従来のロー&ロングから決別したハイト系スタイルで新登場したフォルツァが2021年にモデルチェンジ。従来のeSPをさらに進化させたeSP+エンジンは、フリクションロスや振動を低減させながら吸排気効率を向上させています。

▲250だけにバイクの大きさが際立つライディングポジション。ステップ部分も前後に自由度が高くロングツーリングにも行けそうな余裕があります。

▲かつての250ビッグスクーターよりも大径となる前15/後14インチホイールを採用していることから、足着き性は犠牲になります。シート前方のスリムな部分に座れば不安はありません。

新作エンジンの動力性能は申し分なしも渋滞時のすり抜けは苦手

街中を走ってすぐに感じるのは、新型PCXにも通じるスムーズさと低速の力強さ。4バルブのeSP+エンジンはパワーだけではなく、静粛性も明らかに増しており、フォルツァのエンジンは本当に滑らかに走ります。渋滞もなく、スムーズに走れる環境であれば、速さと快適さを兼ね備えたフォルツァは実に贅沢な通勤号です。時速60キロまでの加速もあっという間。交通の流れを余裕でリードできるだけの走行性能で、巡航速度の高い幹線道路でも、自動車にまったく引けをとりません。

予想はしていましたが、朝の渋滞路では、やはり車格の大きさが気になりました。特にハンドルではなくカウルマウントされたミラーが、手元より遠い場所にあるため、自動車のミラーとぶつからないように気を使います。このミラー、左右後方の視認性にはとても優れているのですが、ウインカーと一体になっていることもあって、折り畳んで走行することもできないので、運転に慣れない間はすり抜けは控えたほうが良いでしょう。微妙なところですが、ミラーを折り畳んでしまえば、車幅はかなりスリムになるので、すり抜けも俄然しやすくなります(手で簡単にミラーの折り畳みは可能なので、自分はどうしようもない箇所では片側のミラーを畳んですり抜けしてしまいました)。

▲eSP+エンジンは出力維持のためにボア×ストロークを変更。さらにクランクまわりの高剛性化、ピストンオイルジェット採用、吸気・排気ポートは完全新設計としています。

▲ボディマウントのミラーは、目線の移動が少なくて安全性が高い半面、すり抜けが苦手でした。

試乗期間中、高速道路を使って40キロほどの通勤も行いました。新型フォルツァは時速100キロでの巡行は余裕の一言。おそらく、120キロ区間であっても問題なく走行できるだけのパワーを備えつつも、高速道路での振動の少なさは特筆もの。ラグジュアリーなセダンに乗っているような気分になります。

高速道路に乗って、ここぞとばかりにスクリーンの高さを手元のスイッチで調整してみました。高さをスイッチで調整できるのは便利ですが、スクリーンを高くすると、風の巻き込みで頭部が後ろから押されてしまい、結局そこそこ低い位置で落ち着く結末になってしまいました。

▲新型フォルツァはエンジンにバランサーシャフトを新たに採用してより振動を低減させています。高速道路の快適さは特筆ものでした。

▲2018型から採用している電動スクリーンは、この2021年型で可動域を40mm伸長しました。こちらは一番高くした状態です。

▲こちらは一番低い位置です。全可動域は180mmあるので、身長の違いや二人乗り時など様々状況に対応できるようになっています。

250ccスクーターは、タンデムや休日のツーリングも余裕でこなしてくれる懐の深さが魅力

気が付けば、2021年現在で購入できる250ccスクーターのラインナップは、国産メーカーだとホンダのフォルツァとヤマハのXMAXの2モデルのみ。ひと昔前を思い返すと、フォーサイト、マジェスティ、フェイズ、スカイウェイブといった王道ビックスクーターから、PS250、フュージョン、マグザムといった個性派まで、実に多様なラインナップが揃っていました。

自分の記憶では、二輪の路上駐車の取り締まりが強化されて以降、ビッグスクーターはコンパクトな原付二種スクーターに急速に取って代わられ、特に都心部では目にすることが減った印象があります(自分が学生のころは、大学のバイク駐輪場はビックスクーターで溢れてました!)。

渋滞路をバイク通勤するとなると、ゆったりとしたボディサイズゆえの取り回しがデメリットになってしまい、すり抜けもしづらいのは事実。バイクの路上駐車の取り締まりも厳しくなり、駐車場所も限られる、とあれば原付二種スクーターへのスイッチが進んだのは致し方ないのかもしれません。

▲シート下は48Lのスペースを確保していて、PCXよりも灯油ポリタンクと同等の18L分も上回ります。さすがの積載量でヘルメットと仕事道具がすっぽり入りました。

▲2018年型から継続採用されているアナログ2連メーターは、質感の高さをより強調するためメーターリングを新形状とし表面処理に金属的な輝きを与えています。目盛りと針は自発光式を採用。

ですが、改めて日々の通勤でフォルツァに乗ってみて感じたのは、250ccクラスのスクーターは、快適さと自由のバランスが実に優れている、ということです。乗り心地や荷物積載の余裕さ、そして高速道路での力強さは125~150ccクラスのスクーターとはまるで別物。自動車並みとはいかないけれど、通勤では充分な快適さを備え、それでいて自動車通勤や電車通勤の不自由さや窮屈さと比べると、圧倒的な自由度の高さ。ソロでもタンデムでも、休日のツーリングも余裕でこなしてくれる懐の深さは、大きな魅力です。

ちなみに渋滞路も高速も走ったフォルツァの燃費はリッター32キロほど。125ccクラスの燃費には及びませんが、十分高燃費でした。これにアイドリングストップが備わっていれば……と感じてしまうのは贅沢でしょうか。

通勤距離がちょっと長い、あるいは余裕をもったバイク通勤がしたい、そんな人には通勤バイクとしてもフォルツァは十分すぎる魅力を備えたバイクだと感じました。

▲高速走行時などで安心感のある走りを実現するため、新型フォルツァのフレームはパイプ径や肉厚、材質を選定し、これらの接合位置を最適化しています。

▲マフラーは内部構造を3室→2室に変更することで排気抵抗を減らしつつ、キャタライザーの配置などを最適化し令和2年排ガス規制をクリアしています。

▲ビッグスクーターブーム時のフォルツァは13インチでしたが、2018年以降は15インチのフロントホイールとなり、安定性が高まりました。

▲ヘッドライト下部分にはスポイラー形状を設け、Z字形状のフローラインが装着されるボディー面まで力強いデザインにまとめられています。ミラー部のウインカー形状も一新されました。

▲シートは座面が広くて快適。前後に移動できる自由度があるので、走行状況によって調整できます。リアにはグラブバーがあるのでパッセンジャーも安心できるでしょう。

▲左側のポケットはキー連動式なので貴重品の収納にも使えます。内部にはUSBタイプ2の電源もありスマートフォンの充電もできます。

▲トラクションコントロールの設定やメーターの液晶表示切替などのスイッチ類が左ハンドル手元に集中的に配置されています。

2021年型フォルツァ主要諸元

・全長×全幅×全高:2145×750×1360mm
・ホイールベース:1510mm
・シート高:780mm
・車重:186kg
・エジンン:水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 249cc
・最高出力:23PS/7750rpm
・最大トルク:2.4kg-m/6250rpm
・燃料タンク容量:11L
・変速機:Vマチック無段変速式
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-15、R=140/70-14
・価格:65万8900円

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