
「IKAZUCHI」レーシングマフラーの開発でおなじみ「TRICK STAR」が、カワサキ・ZX-4RRの排気量はそのまま、最高速度300km/hを目指すという「ZX-4RR ターボ」プロジェクト。400ccで約180PSのパワーの発揮を目標としている、まさに前代未聞の挑戦だ。
その試作機は4月に開催された名古屋モーターサイクルショー会場にも登場し、来場者の注目と興奮を集めた。ところがさらにトリックスターは、先日開催した「TRICK STAR MUFFLER FESTIVAL」にて、なんと一般ライダーに向けてZX-4RRターボの試乗も行ったのだ! 来場者の興奮を、現地の写真と共にお伝えしたい。
ラッキーな5人の当選者が一般ライダー初のターボ試乗!
ZX-4RRターボの試乗が行われたのは、トリックスターが5月5日(日)に愛知県で開催した「TRICK STAR MUFFLER FESTIVAL」。これは同社が開発・販売しているレーシングマフラー「IKAZUCHI」シリーズを、コースで実際に運転して体感することができるというイベントだ。エキゾーストパーツは高価なものだけに、購入前に実物のフィーリングを確かめられるのは嬉しいもの。当日も多くの参加者で会場はにぎわった。
そんな中にZX-4RRターボも登場。開発中の機体ではあるが、当然注目度は抜群。希望者も殺到するなか、当日は希望者の中から抽選で5名のみが選ばれ、貴重なマシンに乗るチャンスを得た。
名古屋MCショーで一般公開された「ZX-4RR ターボ」。最終的には180PS、時速300kmをねらうプロジェクトの試作機だ。
当日は100人の応募から、5人が抽選で選ばれ試乗のチャンスをゲット。あふれるパワーがどんなものなのか、興味は尽きない。
「大排気量マシンとは違うピーキーなパワー」ターボらしい独特の個性
ターボチャージャーは排気圧によってタービンを駆動させ、より多くの空気をエンジンへ送り込むユニットだ。従来からバイクエンジンにターボチャージャーを搭載することで、排気量の枠を超えたパワーを発揮しようといううチャレンジは様々なメーカーが行ってきたが、現行車に搭載されているものはなく、まして中、小排気量モデルでは前例がない。ターボ付きバイクに乗ったことがある、というライダーも多くはないはずだ。
そんな中、トリックスターは2015年から、カワサキのスポーツモデルをベースにした最高速アタックを行うなかで、「ZX-25R」にターボを装着した実績がある。その速度はメーター読み259km/h(実測250km/h)に到達、マシンの限界を超えたチャレンジの経験を活かし、このノウハウを「ZX-4RR」に活用することとなった。「ZX-4RR turbo project」と銘打たれた今回のチャレンジは、2023年7月のZX-4RR発売と同時にスタート。そして試作1号機が今年3月完成したばかりだ。そもそもが加圧時に77PSを発揮する圧倒的なパワーのZX-4RRだが、スペックは現在の段階でスタンダードから35~40PSアップしており、後輪出力で100PS以上の発揮が計測されているという。
こちらは名古屋MCショー会場に展示されていたZX-4RRターボ。今年3月に試作機が完成したばかりだ。
アンダーカウルは取り外され、巨大なエアクリーナーが突き出す。
コクピットにはブースト計とサブコンを増設。タダモノではない雰囲気は既に十分だ。
試乗した一般ライダーたちも初体験となるこのマシンの、純正よりもはるかに強いパワーを思う存分体感した。そのフィーリングはかなり独特であって、大排気量の100PSクラスのマシンとは全く異なり、のびやかでピークパワーがハッキリとしたものだったという。そのイメージは2サイクルエンジンにも似ているといい、中排気量のボディを軽快に操れる楽しさを、最大限に引き出すものといえそうだ。
一般ライダーがのZX-4RRターボに乗る機会は初めてのこととなる。
車格は400ccだが、パワーはけた違い。しかし大型バイクとも違うフィーリングのようだ。
未だ試作中とはいえ、既にターボらしいパワフルな世界を垣間見せてくれたひと時となった。
参加者からは、2サイクルエンジンのようなフィーリングを感じたという声も。
市販化に向けて開発継続中!意外に課題は少ない!?
今回、こうして一般ライダーにも確かめられたトリックスターのZX-4RRターボだが、今回選ばれた幸運なライダー以外も、乗ることができる日は遠くないかもしれない。というのはこのターボマシン、最高速チャレンジと並行して、市販化に向けた開発も進められているのである! その仕様は300kmを目指す究極のマシンとは異なり、誰でも100PS超の世界を楽しめる仕上がりを目指すもので、今回の試乗車の仕様は市販仕様に近いもの。ターボ加圧もその想定に調整されているのだ。
まだまだ開発中であるため、市販時期や価格といった情報はないものの、その道のりは意外にスムーズで、トラブルが少ないという。それはトリックスターが、構造の似たZX-25Rにて、ターボ化のチャレンジを進めてきた実績によるもの。250ccのZX-25Rでは困難だった部分も、ZX-4RRでは解決しやすいという設計的な利点もあり、市販化はけして遠くないという。ロマンあふれるZX-4RRターボ、開発の続報に期待していきたい!
限られたライダーのみが触れられた今回のイベントだが、多くのライダーがターボを味わえる日も遠くない!?
ZX-25Rターボでは課題も多く、250km/hまで1年半の歳月がかかった。今回はそのノウハウが惜しみなく注がれ、開発は順調だとのこと!
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いいねぇ♪これこそ「浪漫」だよねぇ~(^^♪