筑波サーキットにて先日行われた“テイスト・オブ・ツクバ”は冷めやらぬ熱狂と盛況の中で幕を閉じた。そんなガソリン車たちによる熱いレースが繰り広げられる中、FELOブースにて2台のEVバイクを発見。去年のモーターサイクルショーで大きな話題をさらったEVバイク「M壱」(M1)と「FW-03」である。価格や機能などの詳細も含め、ご紹介していこうと思う。

とにかくホンダの“アレ”に似ているM壱&FW-03

去年の発表以降、ホンダの「モトコンポ」「EZ-9」に“とにかく似ている”と巷を騒がせたM壱&FW-03。それもそのはず、FELO Technologyの創業者は元々上海ホンダの上席スタッフという経歴を持つ。

M壱は定格出力600W(最大出力1.20Kw)の原付一種クラス、FW-03は定格出力1000W(最大出力5.0Kw)を誇る原付二種クラスとそれぞれ住み分けされている。

実際にFW-03のプレスリリース時にFELOは「EZ-9にインスパイアされた」と表明しており、未来的なバイク“だった”EZ-9が本当の意味で未来のバイクとして帰ってきた、と言っても差し支えないだろう。

一方のM壱はあのモトコンポライクな作りとなっており、見た目やサイズ感はもちろん、ハンドルを折り畳めるコンパクトな仕様まで同じ。

正確にはモトコンポというよりも2011年にホンダが参考出品した電動版「モーターコンポ」や、2023年に発表された「モトコンパクト」に近いコンセプトだが、どちらにしても気軽に購入できる“モトコンポっぽい”バイクということに変わりはない。

M壱とFW-03に関しては別記事にて詳細が確認できる。詳しく知りたい人はこちらのチェックもオススメ。

“走るポータブル電源”M壱

まずは“電動モトコンポ”とも言えるM壱から見ていこう。出品されていたのは1台だけだが、サイドパネルのカラーリングが左右で異なっている。今回は右側にグリーン、左側にイエローのパネルが装着されているが、今後様々なデザインのパネルを展開していく予定だという。

驚きなのは、見慣れないカードキーシステムを導入しているところ。所定の場所にカードキーをかざせばワンプッシュでバイクが作動する仕組みで、近年のスマートキーシステムと従来のシリンダー式の中間を担うようなシステムだ。

車重は49.5kgと非常に軽量のため、ちょっと頑張ればこのように持ち上げることもできる。車へ積む際にも大きな負担とはならないだろう。

アウトドアや緊急時を考慮し、専用コネクターを使えば電源としても活躍。“走るポータブル電源”となり、どんな状況でもライフラインとして役立ってくれそうだ。

コンパクト、多機能ながら航続距離は45km(FELO Technologyラボが行ったNEDC作業条件における30km/hのテストデータ)とEVとしては十分な持続性を確保。価格は税込み43万7,800円となる。

“大人向けビッグトイ”FW-03

続いてはEZ-9と瓜二つのFW-03を見ていこう。オフロードやレジャーで遊べるバイクとのことだが、ここもEZ-9のコンセプトを再現したのではないだろうか。

展示されていたのは「Sic 58 Limited edition」(特別限定仕様車)であり、マルコ・シモンチェリ仕様だ。国内導入されるかは現在不明。

懐かしさを感じずにはいられない外見についつい気を取られてしまうが、注目なのはその高い走行性能。

マックススピードは80km/hを実現し、最大航続距離に至っては160km(FELO Technologyラボが行ったNEDC作業条件における50km/hのテストデータ)にも及ぶ。なんとM壱の約4倍もの距離を走行できてしまうことに。

足回りは前後ディスクブレーキを装備、スクーター用の小径オンロードタイヤを履かせたシティライクな仕様だ。

面白いのが、ボタン一つで微速後退する“リバースシステム”が導入されていること。車重は97kgと決して重くはないが、オフロード走行などを意識した機能と思われる。価格は税込み68万2,000円。

両車とも具体的な発売日はアナウンスされていないが、国内で販売される日も遠くないはず。続報に期待したい。

FELO M壱(M1)主要諸元

・原付一種クラス
・全長×全幅×全高:1195mm×565mm×805mm
・ホイールベース:800mm
・シート高:600mm
・車重:49.5kg
・定格出力:600W
・最高出力:1.20kW
・バッテリー容量:960Wh(48V 20Ah)
・充電時間:5-6時間
・ブレーキ:F=ディスク、R=ドラム
・タイヤ:F=3.00-8、R=3.50-8
・航続距離:45km(FELO Technologyラボが行ったNEDC作業条件における30km/hのテストデータ)
・価格:43万7,800(税込)

FELO FW-03主要諸元

・原付二種クラス
・全長×全幅×全高:1734mm×783mm×1026mm
・ホイールベース:1200mm
・シート高:760mm
・車重:97kg
・定格出力:1000W
・最高出力:5.0Kw
・バッテリー容量:4176Wh(72V 58Ah)
・充電時間:6-7時間
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク 油圧ディスク CBS(前後連動)
・タイヤ:F=100/90-12、R=130/90-14
・航続距離:160km(FELO Technologyラボが行ったNEDC作業条件における50km/hのテストデータ)
・価格:68万2,000(税込)

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