話題騒然! カタナ外装のZX-10Rがショー会場に登場?!

国産・輸入バイクメーカーの2024年ニューモデルからパーツ&洋用品メーカーの最新作まで、今回も百花繚乱という言葉がピッタリだった第51回東京モーターサイクルショー。そんな新製品群とともに毎回話題となるのが、各ブースに置かれたデモバイク群だ。これを楽しみに来場したカスタムファンも多いことだろう。

そうしたライダーの夢を具現化するデモバイクの中で、ひと際突き抜けた存在だったのが、10FACTORYのブースに展示された同社とNOZAKI WORKSによるコンセプトモデル『AK-001“KATANA”』だ。カワサキZX-10Rのエンジンをオリジナルアルミフレームに積み、スズキ・カタナをオマージュした外装をまとったAK-001“KATANA”はバイクメーカーの枠を飛び越え、アフターマーケットでしか成し得ない発想と10FACTORYとNOZAKI WORKSのノウハウ、そして技術の結晶。バイクカスタムは自由だということを改めて思い起こされてくれる1台だった。

そもそもはZX-10Rの事故車を前にしたとがきっかけだった?!

『AK-001“KATANA”』の製作プロジェクトのきっかけはカワサキZX-10Rの1台の事故車。このエンジンを使ってオリジナル・カタナの製作が始まったわけだが、なにせ同エンジンはストックで200psを絞り出す上、載せるのはカタナ・デザインの外装。ワンオフ製作したアルミフレームはそのエンジンパワーに耐える剛性を確保するために前側をZX-12Rのようなエアクリーナーボックスも併設するモノコック形状とし、カタナのダブルシートを載せるシートレールももちろん新作。スイングアームは木型から起こされたもので、それらのディメンションはZX-10Rを参考にしたという。

10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA
10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA

ZX-10Rエンジンの吸気まわりには上下からの2インジェクターを採用。そのインジェクターを収めるサイズ感もあってフレームはボックス形状とした、と石井代表。各部剛性と軽量性をバランスさせるため、無骨に見えるピボットプレート部の内側は緻密な肉抜き加工が施される。もちろん配線関係はすべて引き直し。これも苦労した箇所、と石井さん。

細部には新旧カタナオーナーのカスタム心を刺激するアイデア満載だ!

さらに各部を追っていくほどに、その苦労はいかばかりかと偲ばれるパートは続々。外観では分からないが、ラジエーターの内部には仕切りを設け、クーラントの循環距離を延長し冷却性をアップするアイデアも仕込まれていたりするし、ワイドタイヤを抱えるスイングアームも、車体のイメージを壊さず必要な剛性を保つ薄肉デザインとするなど、そのアイデアは枚挙に暇がない。

カウルサイドに装着された3Dプリンターで製作された最新Moto GP風の樹脂製ウィングが、80'sデザインのカタナのデザインによく馴染んでいることも意外で、製作者のセンスが光る部分。新旧カタナ・オーナーのアイデアを刺激するだろうこと請け合いだ。そう、自らのアイデアをカタチにして走り出す達成感こそが、バイクカスタムの醍醐味なのだから。

10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA
10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA
10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA

フロントは倒立フォーク、リヤはモノショックで構成される前後サスはオーリンズで、ブレーキキャリパーはブレンボ。ホイールはマルケジーニのM7RS Genesiを履く。スイングアームはアルミ製ワンオフで、アーム部は板材を合わせたモナカ構造を採る。小ぶりな2本出しサイレンサーのマフラーもオリジナルで、刀と脇差をイメージしたとか。

10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA
10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA
10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA

AK-001“KATANA”をカタナたらしめるフロントカウルもワンオフ。LEDヘッドライトはカウルはライトケースに合わせサイズを詰めて装着した、こちらも苦心作。その下にはラムエア用ダクトも装備。LEDウィンカーを内蔵するウィングは3Dプリンターによる樹脂製だ。一方のメーターまわりはKOSO製の特注品で、オリジナルのように円形を2個並べるためTFT2画面で上下に重ねた凝った作り。要望が多ければ市販も視野に入れているという。

10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA
10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA
10Factory NOZAKI WORKS AK-001KATANA

こちらもカタナのアイコンとなるタンクは、フレーム幅と前後長に合わせつつ雰囲気を保つアルミ製ワンオフ品。ダブルシートも同様の思考でデザインされている。ルーツモデルGSX1100Sの'84年型SEや'92年型SSLで採用されたツートン外装をブルー×シルバーで表現したペイントも美しいものだ。右サイドカバーの、本来ならフューエルコックとなるパートはABSのオン/オフスイッチに変更されているが、これは初代ZX-10Rがコネクターの抜き差しでオン/オフできたアイデアを落とし込んでいるのだ。

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コメント一覧
  1. 赤銀 より:

    はいはい、フューエルコックね。本来はチョークだ馬鹿。言うほうが馬鹿か…あ、エイプリルフールネタでしたかスマン

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