いよいよ4月17日に発売が迫ってきた2024年型のニューMT-09。撮り下ろしカットとヤマハによる詳細資料でジックリ解説していきたい。エンジンとメインフレームは従来型をベースとするが、大部分が新作だ!

自在に動ける機能美と、高級感を追求

3月15日~17日に開催された大阪モーターサイクルショーでヤマハの新型MT-09が日本初公開された。新型はスタイルを筆頭に、官能的なサウンドの強化、クルーズコントロールなど電脳の充実、カラー液晶メーターなどを獲得している。

さらにヤマハが社内向け&販売店向けに公開した資料を入手。大阪MCショーで撮影した写真とともに解説しよう。

開発コンセプトは「The Knight Horse」(“騎馬”の意)。クラス随一の強大な9.5kg-mの最大トルクとリニアなレスポンスを発生する890cc水冷トリプル+高剛性アルミフレームは従来型を継承しながら、従来から提唱してきた“The Rodeo Master”の乗り味を洗練させることが新型の狙いだ。

まず大きく変わったのはデザイン。機能性と密接にリンクしており、実はモトクロッサーであるYZシリーズもデザインのヒントにしたという。

車体デザインは、ライダーが車上で自由自在に動ける「3D RIDING」の思想を根幹に構成。これは、ライダーがマシンの上で自由自在に動き、状況や気分に応じた走りを思いのままに表現できる一体感に満ちたライディング体験を意味する。

そこで“YZシリーズ”のデザインもヒントに、乗り手の動きとシンクロし、まるでその軌跡によって削り出されたかのようなニーグリップエリアからサイドカバーにかけての造形を意識。視覚的にも物理的にも積極的に操りたくなるエルゴノミクスを実現したという。

また機能美を重視しながら、質感も追求。塗装のクオリティ、ワイヤーの取りまわし、ホーンの位置、ステップの締結方法、電装部品の設置場所に至まで再考したとしている。

【デザイン】洗練さとカタマリ感を重視、足着き性も向上している

まさにデザインの顔であるフロントマスクは「Purified functional beauty」(洗練された機能美)を表現。ヘッドライトを筆頭とする機能部品をひとつの塊として捉え、新開発の小径薄型ヘッドライトと透明感のあるポジションライトによって、凝縮感のあるクールな表情と機能美を体現した。

機能部品を塊として表現するため、ヘッドライトカバーは燃料タンクとの一体感を高める造形を意識。MTらしさの一つであるマスの集中化とショートオーバーハングのスタイルに磨きをかけている。

タンクに関しては「自由自在に操れる軽やかさ」、「MTの世界観を際立たせるシャープさ」を造形として表現するため、高意匠プレス成形の新製法を導入。スチールタンクながらMTらしい鋭いエッジを実現している。

さらにシートは、従来の前後一体型からスーパースポーツ的な前後独立式に刷新。より脱着が容易になり、質感も向上した。同時にタンクとの当てつけ部に設けていた前端の反り上がりを廃止。ライダーが前後に移動する際の自由度が高くなっている。加えて、左右のくびれ部分を左右各6mmずつスリム化することで、足つき性も向上したという。

【メカ】ブラケットやシートレールを改良、操作系は快適度を大幅アップ

エンジンとフレームに関しては従来型ベースなのは前述した通りだが、細やかなアップデートを施した。

まずエンジンブラケットの形状と肉厚を変更し、剛性をアップ。その相乗効果として、より幅広いスピードレンジでの入力に対する安定感が向上した。一方でメインスイッチ周りの剛性をやや抜く方向でチューニングし、シリーズの伝統である俊敏な軽快性を保持している。

また、ギヤに備わる雄側ドッグと雌側ドッグの本数を5→6本に増加。シフトチェンジの最大駆動切れ時間が減少し、よりスムーズなシフトチェンジを実現する。

続いて車体関連。シートレールは新作で、新たな電装部品の搭載スペース確保や、剛性の最適化による安定感アップを狙った。絞り込むことで、足着き性の向上も貢献している。

サスは、より幅広いスピードレンジに対応するためバネレート強化と減衰特性をリセッティングした。これに伴い、リンクの設計も変更。増やした前輪分担荷重に対し、コーナリング中の車体姿勢と荷重配分をそれぞれ最適化することで、一段とスロットルで操るフィーリングとしている。

ライダーが触れるパーツも大部分が刷新され、快適性の追求に余念がない。シフトペダルやクラッチレバー、スイッチ類を使いやすく変更した。

シフトペダルは先端を従来の丸棒型から「へ」の字型に変更し、ラバーのパターンも狭い間隔と方向を見直し、滑りにくく摩耗しづらくなった。また、クラッチレバーは完全新作でアジャスターを追加したほか、形状やタッチにもこだわっている。

【電装】バイクで世界初の二段開式ウインカーを投入、ナビも表示する

電装部品に関しては、クルーズコントロール、電子制御エンジンブレーキコントロール、スマホ連携機能を追加。さらに二輪初の「二段階式」ウインカー機能も採用した。一段目は車線変更などの短い時間に便利な3 回点滅。二段目は通常の連続点滅となる。

また、急ブレーキ時にハザードを自動点滅するESS(エマージェンシーストップシグナル)と、ウインカーの点滅開始から15秒以上かつ150m走行してもキャンセルしない場合、自動でウインカーを停止する消し忘れ機構も追加した。

カラーTFT液晶メーターは従来の3.5インチから5インチに拡大。また、ナビがメーター上で表示可能になった。欧州でナビが使えても、日本仕様では使用不可のモデルも多いが、新型MT-09では問題なし。無料の「Garmin StreetCross」アプリをスマホにインストールして、車両とペアリングすることによってメーター上にナビが映し出せる。

【カスタム】旅性能もカッコよさも思いのままに変更できる

ワイズギアによるアクセサリー装着車も展示された。「ツーリングスタイル」と「Dark Side of Japanスタイル」の2タイプを用意し、前者はスクリーンやトップケースで旅性能をアップしたアクセサリースタイル。後者はMTシリーズの世界観を際立たせるアイテム群を装着した。

――新型MT-09は東京モーターサイクルショー(3月22~24日)、名古屋モーターサイクルショー(4月4~7日)でも展示される。この記事を読んで実車を見ると、より理解が深まるハズだ。

【画像】新型MT-09が日本初公開 (24枚)

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