
2022年型で生産終了したKLX230シリーズが刷新されて甦る。オフローダーのKLX230Sに続き、大阪モーターサイクルショーでモタード仕様のKLX230SMが国内初披露された。撮り下ろし写真満載で、細部まで見ていこう。
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大阪MCショーにオフとモタード仕様が揃い踏み
ラインナップが寂しくなっている250クラスのトレール車。排ガス規制の影響で2021年にヤマハのセローが殿堂入りし、翌年にKLX230/S/SMが国内販売を終了した。
そんな中、2023年10月に開催されたジャパンモビリティショーで新型のKLX230が世界初公開。翌1月に発表された北米仕様はKLX230Sを名乗った。さらに同3月15日から行われている大阪モーターサイクルショーでスーパーモタード仕様のKLX230SMが国内初展示されたのだ。
従来のKLX230シリーズは、19PSを発生する233ccSOHC単気筒をセミダブルクレードルのペリメータフレームに搭載。元気のいいエンジンと車重134kg(STD)の軽さが魅力的だった。
新型は心臓部を継承しながら、最新の令和2年排ガス規制に対応。ボア×ストロークは67.0×66.0mmで変化はないが、吸気ポート形状やECUセッティングを見直し、低中速域の出力特性を改善している。
フレームと足まわりは最適化され、外装もレーサーKX風のデザインに刷新。スマホと連携できる新型メーターも採用した。KLX230S、SMともにカワサキが国内販売をアナウンス済みだ。
現行の国内モデルではモタードが販売されていない。KLX230SMが登場すれば、唯一のモタードとして歓迎されるハズ。従来型は2022年10月に発売され即完売したが、ついにモタードの系譜が復活するのだ。
国内導入予定モデル(参考出品)のカワサキ KLX230SM。オフロードモデルのKLX230Sをベースに、倒立フォーク+前後17インチホイールなどを与えた。発売時期、価格は未定。
KLX230Sも国内導入予定モデル (参考出品)。フロント21、リヤ18インチホイールと正立フォークで足元を固める。発売時期、価格未定。
足まわりのほかにも細部を差別化してオンに適応
KLX230SMとSでは装備もかなり異なる。前述のとおりSMは前後17インチのロードタイヤを履き、フロントディスク径をSのφ265mmから300mmに大径化。Sはアルミスイングアームだが、スチール製としている。
オンロード向けに足まわりを最適化し、各部のブラックアウトなどで外観もストリートに馴染むデザインとしているのが特徴。Sに搭載されるABS解除機能はSMでは非装備となる。
従来型SMの小型LEDヘッドライトを継続採用しつつ、カバーの形状を一部変更。シュラウドやサイドバー、ヒートガードなどは新型KLX譲りだ。FフェンダーはSTDよりコンパクト。
KLX230Sのエンジンはシルバー仕上げなのに対し、SMでは従来型と同様にブラックアウト。
[ライバル比較]セロー並みに軽い130kg台の車重が武器
KLX230SMは国産唯一のモタードだが、オフ仕様のKLX230Sにとって、ホンダのCRF250Lシリーズ、スズキのV-ストローム250SXがライバル。CRFが水冷、V-ストロームSXが油冷、KLXが空冷とエンジンが三者三様なのが面白い。
最高出力に関してはV-ストロームSXが26PSで、CRFが24PS。旧型KLXが19PSだったため、パワーではライバルに軍配が上がるだろう。
KLXのメリットは130kg台というセロー並みの軽さ。CRFの141kg~、SXの164kgとライバルより圧倒的に軽量だ。2024年早期の登場を期待したい!
V-ストロームSX(スズキ)は独自のSOHC4バルブ油冷シングルを採用(56万9800円)。ライバルと異なるキャストホイールでF19&R17インチを履き、シート高は835mmだ。
新型KLX230SM/S 北米仕様主要諸元(参考)
・全長×全幅×全高:2035/2078 × 843 × 1123/1138mm
・ホイールベース:1364mm
・シート高:838mm/843mm
・車重:137kg/132kg
・エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 233cc
・最高出力:未発表
・最大トルク:17.9Nm(1.82kg-m)/640rpm
・燃料タンク容量:7.6L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=100/70-17/2.75×21、R=120/70-17/4.10×18
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