
当記事は2022年8月に掲載されたものを再掲しています。
SRを知り尽くしたCANDYだから作れる絶妙な車体バランス
これまでボバーやチョッパー、カフェレーサーなど、ジャンルにとらわれず、さまざまなSRカスタムを発表してきたキャンディーモーターサイクルラボラトリー。その最大の魅力はしかし、既存のジャンルではなく、まったく新しいスタイルを作り出す「独創性」にあることは、これまで何どもお伝えしてきたとおり。
たとえばモトタイムズ発の雑誌「The SR Times vol.1」の表紙を飾った「The Absolute」やオフロードテイストを散りばめたモデルなど。その発想と高いクオリティーは、カスタムの可能性をおおいに広げるものとして、常に大きな注目を集めている。そして、今回発表された1台もまた、昨年末の横浜ホットロッドカスタムショーや先日開催されたJOINTSで披露されているので、すでにご存知の読者も多いかと思うが、ショートテールが印象的なマシンである。
「短すぎる」といってもよいテールに複雑な取り回しを見せるマフラー、さらにブロックタイヤにLEDヘッドライトなど、まさに既存のジャンルを打ち壊すスタイリングが特徴。そのコンセプトは、ビルダーの中村さん曰く「インスタなどで流行っているBMWカスタムをSRに落とし込んだ」とのことで、なるほど、言われてみればたしかに最近のネオ・カフェレーサーの雰囲気を持ってはいるが、やはりあれらのマシンとこのSRはまったく別物。車体をコンパクトにすればするだけエンジンの存在が際立つBMWカスタムに対し、単気筒エンジンはそこまでエンジンの存在感に依存することはできない。だから、極端に車体を小さくすると途端にバランスがくずれてしまうものなのだが、キャンディーのソレはまさにギリギリのラインでバランスを保っている……そう、多くのSRを見てきた同店のスキルが発揮され、「モーターサイクルとして成立」しているのだ。
もし、このマシンを見て「自分も真似してみよう」と思ったなら、決してD.I.Yでカスタムしようと思わない方がいいだろう。このマシンには細かなディメンションやディテール処理など、ここには書ききれない「テクニック」が散りばめられている。そして、それらのテクニックがこのバランスを生み出しているのだ。下手に上辺だけを真似すれば、きっと火傷するに違いない……。
Detail
Custom Spec
エキゾーストパイプ | ワンオフアップ左出し |
---|---|
サイレンサー | ワンオフメガホン |
キャブレター | CRφ38ポリッシュ仕様 |
エアクリーナー | エアファンネル |
ヘッドライト | 5.75ベーツライト(LEDプロジェクター) |
テールランプ | LEDテール(ループエンド埋め込み) |
ウインカー | モトガジェット Mブレイズ ピン/ワンオフバッテリーボックス(スイングアーム下) |
ハンドルバー | ワンオフ(ポスト、レバーホルダー 一体式) |
ハンドルバー | ワンオフ(ポスト、レバーホルダー 一体式) |
トップブリッジ | STDスムージング BLK |
スピードメーター | 48φミニメーター |
シート | ワンオフ |
ステップ | ボアエース バックステップ |
フューエルタンク | ワンオフ |
フロントフォーク | STD ローダウン加工 |
三つ又 | STD |
リアサスペンション | オーリンズ BLK |
スイングアーム | STD |
Fホイール | EXCELHリム(リム幅:1.85/径:18inch) |
Rホイール | EXCEL Hリム(リム幅:2.15/径:18inch) |
Fタイヤ | DUNLOP K950(サイズ 3.50-18) |
Rタイヤ | DUNLOP K950(サイズ 4.00-18) |
カムシャフト | ヨシムラ ST-2/強化バルブスプリング |
ピストン | CANDY 90φ |
シリンダー | トルクプレートボーリング |
クランク | SR500STD/強化オイルポンプ/メッシュオイルライン/シートレール部ワンオフ制作/サス取付部変更/スイングアームサス受け加工 |
ペインター | CANDY横山 |
取材協力 : キャンディーモーターサイクルラボラトリー
写真 : 井上 演
文 : 佐賀山敏行
2022.08.09
※2019年5月19日の記事を再編集しました。
情報提供元 [ モトタイムズ ] 【画像】CANDY Motorcycle Laboratory/1994 YAMAHA SR400 (12枚)
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