海外で発表されていたKTMの新型、1390スーパーデュークRエボと250デュークの国内仕様が正式発表された。1390は190ps超をマークする新たなフラッグシップで3月発売。390と同様のフルチェンジを受けた250は2月に発売だ。さらに今年はデュークの誕生30周年。数々の新型が投入されるという!
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ツイン最強馬力に翼も授けた1390スーパーデュークRエボ参上
KTMジャパンが新型1390 SUPER DUKE R EVO (1390スーパーデュークRエボ)の国内版を発表。269万9000円で3月発売する。
2013年にデビューした1290スーパーデュークRが従来の旗艦だったが、エンジンを拡大し、車名も1390に進化。外観も刷新し、特に縦2灯フェイスが強烈だ。
新型1390 SUPER DUKE R EVO [KTM] 現状では機械調整式サスのSTDは入荷せず、WPの電子制御サスを備えるエボのみ導入。価格は269万9000円。
V型2気筒LC8エンジンは、ボアアップして排気量を1301→1350ccに拡大。最高出力は従来の10PS増の190PS+ラムエアに、最大トルクは14.27→14.78kg-mにアップした。200PS超の4気筒スーパーNK勢に迫る190PSは、2気筒では現行モデル最強。もちろん最新のEURO5+ 排ガス規制もクリア済みだ。
カムシャフトは新作で、幅広い回転域でトルクを維持する可変バルブ機構を吸気側に採用した。新しいエアインテークとエアボックスで燃料タンクの容量を1.5L拡大し、17.5Lを確保。航続距離は300kmに達している。
75度V型2気筒1350ccエンジンはボアを107→110mmに拡大。回転数に応じて2つの異なるバルブリフトを利用し、全域に渡ってパワーとトルクが上乗せされている。
シャーシは2020年型で採用したクロモリ鋼トレリスフレームがベース。引き続きWP製セミアクティブサスを採用する。
電磁バルブで減衰力をリアルタイムに制御するWP電子制御サスを前後に採用。フロントブレーキはブレンボ製Stylemaモノブロックキャリパーとφ320mmディスクの組み合わせだ。
そして何より新型のポイントは外装だ。ヘッドライトは有機的なフレームで構成された鮮烈なデザインで、縦2眼メインライトを囲むようにポジション&デイタイムランニングライトを配置。新形状のタンクスポイラーと追加されたウイングレットでダウンフォースも発生させる。
またサブフレームカバーの小型化やブレーキランプとウインカーを統合することで、一段と筋肉質なスタイルを獲得した。
シート高を下げ、パワーアップも果たした250デューク
LC4cと名付けられた新設計の249 cc水冷単気筒は、従来のDOHC4バルブに対し、あえてSOHC4バルブを採用。軽量コンパクト化を追求している。なお390DUKEはDOHC、海外で発表された125はSOHCだ。
加えて、電子制御スロットルや新設計ギヤボックスなどを採用し、最高出力は30→31PSに、最大トルクは2.45→2.54kg-mにアップした。390が採用する走行モードやローンチコントロールは250ではオミットされている。
フレームも新設計だ。スチール製トレリスのメインフレームにアルミダイキャスト製サブフレームを組み合わせた2ピース構造を採用。新しいトリプルクランプとオフセットの見直しで、より優れたコントロール性と安定感のあるハンドリングを狙った。
従来はサブフレームも鋼管トレリスだったが、新型はアルミ製に変更。新設計の軽量なスイングアームと組み合わせた。
リヤショックはセンター配置から車体右側にオフセット。これによりシート高が830→800mmにダウンしたのは朗報だ。また、エアクリボックスの大型化が可能になり、燃料タンク容量も13.4→15Lに増大した。
サスペンションはWP製で、φ43mmのAPEXビッグピストン倒立フォークとイニシャル調整可能なAPEXエマルジョンショックを採用。ホイールは新設計の軽量タイプだ。
なお、従来型の車重は半乾燥で152kgだったが、新型は装備重量で167kg。燃料タンク容量15Lを引くと車重はほぼ同じと考えられる。
リヤショックを右側にオフセットすることでシート高ダウンなどの恩恵が。シートを低くすると一般的に運動性能がスポイルしがちだが、ハンドリングは犠牲になっていないという。
さらにメーターを5インチの角型液晶タイプに刷新。390がカラー液晶なのに対し、250がモノクロ液晶なのは先代と同様だ。新たにスマホ接続機能が追加され、左手元のスイッチで様々な操作ができる。
従来型はコンパクトな異型モノクロ液晶メーターだったが、最新のスクエア液晶に変更。
990と125の登場は確実か、さらに隠しダマも出てくる?
これで2024年型デュークの国内仕様は、1390、390、250の3車が登場。さらにデューク30周年を記念して、どんな新型が登場するのだろうか?
まず、既に海外で発表された990デュークや125デュークが国内で登場される可能性は高い。990デュークは、890デュークの後継車。従来の899cc並列2気筒エンジンを947ccに拡大し、級STD比で7PS増を果たした。
フレームは新作で、剛性をアップしつつ、スイングアームの剛性を落として後輪のトラクション性能を向上。車重は半乾燥で179kgと軽量だ。
海外仕様990DUKE[KTM] リッタークラスに近い899ccパラツインを600ccクラス並みのコンパクトな車体に搭載。異形のスケルトンフェイスは本作を皮切りに採用された。
125デュークはスモールデュークシリーズの末弟で、新型390/250譲りのシャーシを踏襲。鋼管トレリス+アルミサブフレームと右マウントのリヤショックによりシート高は830→800mmにダウン。サスは250と同様のWP製だ。
エンジンもやはり新設計でDOHC→SOHCとし、電制スロットルとスリッパークラッチを獲得した。メーターは250がモノクロ液晶なのに対し、カラー液晶だ。
海外仕様125DUKE[KTM] 390のシャーシにSOHC4バルブ水冷単気筒を搭載するクラスレスな1台。390から電脳やサスのグレードはダウンしているが、やはり豪華だ。
さらにデューク30周年を記念した隠しダマが存在する可能性も? デュークイヤーの2024年、今後の動向に注目したい!
KTM 1390 SUPER DUKE R EVO(2024)主要諸元
・ホイールベース:1491 mm±15 mm
・シート高:834mm
・車重:212kg(燃料含む)
・エンジン:水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 1350cc
・最高出力:190 PS/10000rpm
・最大トルク:14.78kg-m/8000rpm
・燃料タンク容量:17.5L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70 ZR-17 R=200/55 ZR-17
・価格:269万9000万円
KTM 250 DUKE(2024)主要諸元
・ホイールベース:1357mm
・シート高:800mm
・車重:165kg
・エンジン:水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 249cc
・最高出力:31PS/9500rpm
・最大トルク:2.54kg-m/7500rpm
・燃料タンク容量:15L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70 R-17、R=150/60 R-17
・価格:66万5000円
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