
2018年から5年連続で国内大型バイクでベストセラーを記録し続けているカワサキのZ900RS。このまま走り続けるか、それともバリエーションモデルが追加されるのか多くのライダーが気になるところだろう。
「角Z」が出る可能性は低そう…
Z900RSの販売は2023年上半期もトップで、2023年も6年連続でベストセラーを記録する勢い。この人気は不動のものと言えそうだ。コロナ禍で新車が不足していた時期は中古車価格が高騰し、「Webikeバイク選び」では現在でも中古車価格が新車を上回っている状況だ。
今後の排ガス規制については、2026年10月末までにマフラーの触媒劣化を診断する「OBD2-2」の装着義務があるが、次の5次規制は欧州では2028~2029年頃、日本では2029~2030年頃に全面適用される模様で、あと5年程はOBD2-2の追加で販売可能となる。
となると期待したいのが、1979年Z1000MK2の「角Z」スタイルの派生機種拡大だろう。1972年のZ1から続いたティアドロップ形状の燃料タンクを持つ「丸Z」に対して角タンクのZ900MK2がデビューするのにちょうどいい時期だが、可能性は低いと思われる。
理由は定かではないが、エアクリーナーボックスがエンジンの上に位置する現代の高性能モデルではタンクがワイドになる傾向があり、角タンクとの相性の問題だろうか。もうひとつ、2024年に40周年を迎えるGPZ900Rタイプも可能性が低いと思われる。
2024年のZ900RSはすでに3つのバリエーションがあり、この勢いで2030年まで走り続ける!?
Z900RS [KAWASAKI] 2024年型は諸元は従来から変わらず新色が登場。注目はかつてゼファーxにも採用されていた「青火の玉」グラフィックだ。価格は148万5000円。
Z900RS SE [KAWASAKI] 2024年型はオーリンズのリアサスやブレンボFブレーキを装備したSEもラインナップ。カラーはイエローボールとは異なる。価格は170万5000円だ。
Webikeバイク選びによると2023年12月のZ900RSの新車平均価格は153万8600円、中古車平均価格は166万1400円。現在でも新車と中古車価格の逆転現象は続いている。
ホンダのCB1300SFはOBD2-2までは継続か
丸目の並列4気筒ネイキッドと言えばCB1300スーパーフォアも大きな存在。2021年型で電子制御スロットルやトラクションコントロールなどを採用し、令和2年排ガス規制にも対応した。こちらもZ900RSと条件は変わりなく当面販売が継続できるが、OBD2-2には対応しない模様だ。
となると2026年10月末までの生産になると思われるので、新型と入れ替わるのかが注目される。2024年は国内でCB1000ホーネットが発売されるので、これをベースにして丸目のネイキッドモデルをラインナップすることが可能な状況になるが、鍵はグローバル化と言われる。
一方、ホンダにはグローバル化せずに少数生産の国内専用モデルを開発する手法がホーク11で確立されており、日本人の好みに振ったモデルを開発できる。実際、ホーク11の対抗馬はZ900RSとされていたので、並列4気筒のCB1000ホーネットをベースに第2弾の可能性もあるだろう。
実際ホンダがCB1300シリーズの後継機を用意するウワサはあるので、どの手法で丸目モデルを開発するかは重要なポイントになりそう。その際、過去のどのモデルをモチーフにするかも興味深いところだ。カワサキのZ900RSシリーズの今後の動向とともに注目だ。
CB1300スーパーフォア [HONDA] 1992年の登場以来30年以上に渡るロングセラーを記録しているCBの旗艦。価格は156万2000円、オーリンズとブレンボのSPは193万6000円だ。
ホーク11の開発責任者の後藤悌四郎氏(写真中央)は、市場規模や台数に対応した開発手法「アーキテクチャーシリーズプロジェクト」を指揮。ホーク11発売前の2022年5月に定年退職。
ホーク11の製品説明で映し出されたスライド。既存の車体を利用して設定台数に応じた派生モデル生み出す方法をアーキテクチャーシリーズプロジェクト(ASP)と定義した。
新型CB1000ホーネット日本仕様 [予想CG] 新世代ホーネットの旗艦として開発された4気筒1000cc版。日本ではホワイトが夏頃に発売される模様だ。ASPのベースに最適だろう。
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