251~400ccまでの400ccクラスはガラパゴス区分と言われ、長らくラインナップは下火になっていた。ところが近年は逆に活発化してきており、2023年はZX-4Rや新型エリミネーターの登場などでより注目度が高まった。今後この流れはどうなるだろうか。

ガラパゴスと言われた400ccが復活する?

1995年に免許制度が改正され、大型バイク免許が教習所でも取得可能になった。以降、2000年代は日本で発売される大型バイクのラインナップが拡大するのと同時に、126~400ccの普通二輪カテゴリーが下火になっていった。

その流れを変えたのは2008年のニンジャ250Rで、平成17年排ガス規制の影響でホーネット(250)など人気モデルが生産終了したところに税込49万8000円という低価格でヒットし、ホンダなどが追随することで250ccが活性化したのだ。

2010年代は大型と250ccがバイク業界を支えたが、2020年代は変化が現れている。2020年のCT125ハンターカブからブームに火が付いた原付2種の盛り上がりはヤマハにも飛び火し、2023年にはXSR125など一挙に3車種がデビューしたのは記憶に新しいところだ。

そして、今後気になるのが400ccクラスだ。2021年にSR400、2022年にはCB400SFが生産終了。このまま衰退すると思われたところに2022年はGB350が1万2000台の大ヒットを記録し、2023年にはカワサキがZX-4Rと新型エリミネーター(400)を投入したのだ。

125ccブームとは異なり400ccは若者が牽引している!?

原付2種ブームの背景には、ライダーの高齢化がまず理由として考えられる。2021年の新車購入者の平均年齢は54.2歳で、CT125とダックス125の購入層と一致している。では、400ccクラスはどうかというと実はGB350は20代に一番ウケているというデータがある。

新型エリミネーターは2023年4月末発売に関わらず上半期で販売1位を記録しており、さらに2023年10月にリリースされたハーレーダビッドソンのX350が直後に1000台以上の受注を記録している。ともに若者を狙ったコンセプトが需要に合致したと思われる。

加えて、2024年1月下旬にはトライアンフのスピード400がX350と同じ税込69万円台という国産車並み以下の価格で発売されるので、2024年の400ccクラスは日本ブランドと海外ブランドの新世代モデルが販売上位に顔を揃えると予測できる状況なのだ。

なぜ400ccかというとインドでは350cc、欧州では500ccが普及モデルの排気量として定着しており、日本の400cc区分に近いのが理由だろう。欧州のエリミネーター500(451cc)は日本では399cc版が発売されるといった具合に海外の若者需要と一致した状況なのだ。

この勢いで並列4気筒CB400 vs Z400に期待!

加えて中国でも400cc前後のクラスが人気になってきているのだ。先述のハーレー・X350は中国向けで生産も中国だ。また、カワサキのZX-4Rはニンジャ400が人気だったことから中国でも販売されており、すでに5000台に迫る販売数になっているという。

これに対抗する動きとしてホンダが中国向けに並列4気筒モデルを開発しているというウワサがあり、500cc版を中国に400cc版を日本で販売するという。これをCB400スーパーフォアの後継機として報じているが、早ければ2024年暮れにも登場するかも知れない。

となれば、カワサキにはZX-4Rの並列4気筒エンジンがあるので、これのネイキッド版も期待したいがどうだろうか。ZX-4Rの開発責任者は「ZX-4Rの受けが良ければ、違うバリエーションを作っていきたいと思います」と語っており、可能性は低くはないだろう。

普通に考えればZ400RSが濃厚。他にもZX-4RはZX-25Rとエンジンなどの基本が共通なので新型バリオス250/400も魅力。変わり種としてはFX400Rのようなカウルレスも新鮮だ。ホンダとカワサキの4気筒対決になったら日本でも盛り上がるはず。もう期待しかない!

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