
12月12日、川崎重工業が2030年に向けたグループビジョンの進捗報告会を開催した。バイクなどのパワースポーツを開発・生産するカワサキモータースは、2030年に1兆円の売上を目指す戦略を打ち出しつつ、バイクについてはカーボンニュートラルの取り組みをアピールした。
水素の元素記号と同じ「H」字形ライトを採用
カワサキモータースは、グループビジョン発表の目玉としてH2 SXをベースにした水素エンジン二輪車を世界初公開した。伊藤浩社長は、「このバイクは、H2 SXをベースにしたもので年明けには試験走行を開始し、将来を見据えた研究を行っていきます」と語った。
2022年11月のミラノショーで動画や画像で公開されたH2 SXベースの水素エンジン二輪車が初めて実車として公開された訳だが、モックアップではなく実際に走行可能な試験車として開発されたものだ。同じエンジンを搭載した4輪バギーは2024年1月に開催されるダカールラリーに参戦することが決まっている。
カワサキによると水素エンジン二輪車の実用化は2030年初頭が目標となっており、内燃機関の存続を追求している。また、興味深いのはH2Rのエンジンを6気筒化した航空用エンジンも発表しており、将来的にこれも水素エンジン化するという。カワサキのエンジンにかける取り組みに注目だ。
水素エンジン二輪車 [KAWASAKI] H2 SXをベースにした水素燃料に対応した大型バイク。実際に走行可能な車両として世界初公開された。ヘッドライトはH字形にしている。
エンジンはスーパーチャージャーを搭載した直噴タイプとしている。車体後部には巨大な水素タンクが左右に搭載されていると思われる。タンクの間には水素の注入口がある。
カワサキモータースは川崎航空機工業をルーツとするが、バイク用エンジンを発展させた航空用エンジンを開発し再び空に飛び立とうとしている。Z1300以来の直6エンジンを開発。
カワサキ水素エンジンバイクの実用化への道
カワサキは、H2のエンジンをベースにしたバイク用水素燃料直噴エンジンを開発しており、2022年9月にはこれを搭載した4輪バギー「研究用オフロード四輪車」をデモ走行させた。エンジンはすでに回り出しており、これがいかにバイクのパッケージに搭載されるかが注目されていた。
そして、2022年11月のミラノショーでカワサキモータースの伊藤社長は、水素燃料直噴エンジン単体を初披露。2030年初頭の実用化を記者の前で宣言したのだ。さらに、動画や画像でカワサキがイメージする「Hydrogen Motorcycle(水素バイク)」を初公開した。
水素バイクは今回の発表と同様にニンジャH2 SXがベースになっており、パニアケースに水素燃料のタンクを搭載している。燃料はエンジン直噴式で、H2のスーパーチャージド機構は継続。タービンは赤→ブルーに塗られおり、水素のイメージカラーをアピールしている。
Hydrogen Motorcycle(2022年) [KAWASAKI] 水素の元素記号は「H」、水素を燃やすと水が発生するが元素記号は「H2O」。まさにH2系は水素バイクのベースにピッタリ?
2022年のミラノショーで初公開されたエンジン。「Ninja H2」の998cc並列4気筒スーパーチャージドエンジンをベースに、水素燃料の筒内直接噴射(直噴)仕様へ改良したもの。
スロットルバルブの下に直噴のインジェクターが設置されているのが分かる。奥に見えるのはスーパーチャージャーのタービンでブルーに塗装された。ちなみにH2SXのバランス型は緑だ。
公開されたイメージでは、水素燃料タンクはパニアケースに搭載。荷物の積載性を考慮すると実用化の際は燃料タンクをどこにどう積むかが課題になっている。
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こんなバカでかいタンクが必要なのか。
仮に実用化できてもこれではバイクの魅力が堪能できない。
なかなか厳しいね。
バイクの魅力はないかもしれないけど、こういう形は嫌いじゃないよ
今後燃料タンクが小さくなることを期待したい。
最近のカワサキは凄まじい。頑張れ
水素キューブの話は、一体どこへ(笑)
液体よりも固体の方が圧縮できるし有利なはずなのにね
まるで宇宙世紀のような巨大な追加スラスター
空になったら水素ステーションでパージして新しいのに付け替える。
このまま出そうぜ!