
乗り替えなどで現在の愛車を手放すときは、誰もが「少しでも高値で売却したい!」と思うはず。でも実際に売るとなったら、どんなことに気をつければいいのか……。そこで、年間約1.6万台のユーザー買い取り査定に携わってきたカチエックスに、ユーザーのちょっとした工夫や作戦変更で、納得できる査定価格を引き出した例を教えてもらったのだ!
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情報は、隠すよりもしっかり伝える!

KATIXのサイトでは過去の取引履歴も公開。買取金額の参考になるだろう。
「カチエックス」は、一般バイクユーザーが愛車を売りたいときに、業者との面倒なやり取りやユーザー側の手数料支払いナシで、超簡単に査定と売却決定までの作業ができるインターネットサービス。査定してもらうときは、所有者の情報と車名や年式や走行距離をはじめとする愛車の現状データを入力して、最低6点の写真をアップロードするだけでOK。情報が届いたカチエックスが、所有者の個人情報が業者にわからない状態で出品し、この情報をもとに複数業者が入札します。そして最短で翌日には、入札の最高額をカチエックスがユーザーに通知。査定金額交渉などを経てユーザーが売却に納得できた場合、カチエックスが売買契約を代行し、業者が愛車を引き取り、カチエックスが売却金額を入金してくれます。
このようなシステムのため、カチエックスを利用すれば現車を売却先業者に見せることなく査定金額が決まるのですが、だからこその大前提として、「写真などで情報をしっかり伝えることが、結果的には買い取り業者が支払えるMAXの金額を引き出せることにつながります」と、カチエックスの担当者は話します。
素人考えだと、「ちょっとキズがあるから、ここはなるべく隠して……」なんて考えがち。しかし情報が少ないと、業者側にリスクが生じるため、どうしても強気の査定をしづらい状況となってしまいます。いい点も悪い点も最初の段階でなるべく多く伝えることが、業者にとっての大切な判断材料となり、「ちょっとしたキズを気にしていたけど、意外と高値に……」なんてことにつながるかもしれません。
ちなみにカチエックスでは、写真や登録情報と現車に差異がなかった場合、引き取り時の減額は一切禁止。査定額に納得できなかった場合、売買契約締結前ならキャンセル料などは不要です。
高値買い取り、2番目のコツは複数社比較!

KATIXでは厳選されたバイク販売店が競争入札に参加。競争入札の上、査定のプロが金額交渉するため、安心、高額査定が可能。
カチエックスに伝授してもらった愛車の高値査定実現のコツは、まだまだあります。次に実践したいのは“複数社比較”。カチエックスの場合、契約する多数の業者が入札方式で査定額を決めますが、「これまでのデータから、入札の件数が多いバイクのほうが、相場よりも高値になる傾向」と教えてくれました。入札件数は愛車の人気度などによって変わるので、ユーザーが積極的に操作できるものではありませんが、とはいえカチエックスを利用すれば、「申し込みと同時に多数の業者から電話ラッシュが……」なんて面倒な事態を完全に避けつつ、簡単に複数社の査定額を比較することができます。
ちなみに近年の査定例では、「ハーレーダビッドソンのFXDLローライダー(2017年式/走行距離1万km以下、2023年6月査定)が、一番低い業者の金額が80万円だったのに対して、最高額が160万円だったことも……」とのこと。なんと価格差は2倍もあります。仮にカチエックスを利用せず複数社比較していなかったら、80万円も損していた可能性だってあるんです!
業者によって査定額がここまで違うのには、「得意な車種であれば不良在庫になりづらいので、強気の仕入れができる」とか、「買い取った車両をどのように売却する計画なのか(小売するのか、業者間オークションに出品するのか、輸出するのかなど)は、業者によって異なる」などの理由があるとのこと。先に一例として挙げたローライダーの場合、「160万円の最高値をつけた業者は輸入車専門ショップで、ハーレーを得意とし、しかもこの車種を探しているユーザーから依頼を受けていた」とのことです。売却先がほぼ確実で、在庫として長期間抱えるリスクがあまりないため、カチエックスでの査定額を小売価格ギリギリまで上げられたということでしょう。
買い取り金額アップには価格交渉も大事!
次に、「査定金額が事前に想定していた価格よりも低い場合、価格交渉してみるのも効果的」とのこと。カチエックスでは、専任担当者が業者との間に入って金額交渉してくれるので、ちょっぴり内気なユーザーでも思っていることを伝えやすいという長所もあります。
価格交渉により査定金額アップに成功する可能性がとくに高いのは、「車両の状態が良好」とか「業者側がこの車種を探しているユーザーを抱えている」というような場合とのこと。前者は修理や整備に必要なコストと時間を抑えられる分を仕入れ価格アップとして反映しやすく、後者は購入を希望しているユーザーと相談して予算を上げてもらうことも可能だからです。
カチエックスでの実例としては、「最近ではホンダ・レブル1100(2022年式/走行距離1万km以下、2023年8月査定)が、当初の最高査定額は72万5000円だったのに対して、最終的には76万円で契約成立したのですが、これは査定金額アップの定番条件を両方とも満たしていました」とのこと。年式が新しいこともあってキズや劣化がなく、その業者はすでに購入を検討しているユーザーがいて、利益が少なくなってもいいから買い取りたいと考えたようです。
カスタムしているならノーマルパーツもセットで!
カスタムしている車両の場合、そのままで売却するか、ノーマルに戻してカスタムパーツと別々に売るか、悩ましいときもあります。マフラーやブレーキ系統などをカスタムしている場合、自分ではノーマルに換装することができないユーザーも多くいるはずですし、かといってショップに換装作業を頼んだら普通は工賃が発生するので、ユーザー側が最終的に得られる金額は少なくなってしまいます。
そのため、カスタムしたままの状態で売却を検討する人も多いかと思いますが、カチエックスは「カスタムした車両を売却するなら、ノーマルパーツを付属することで査定金額アップにつながる可能性が高め」と話します。
実例としては、「ヤマハ・MT-09(2023年式/走行距離1万km以下、2023年9月査定)のカスタム車両が、ノーマルパーツをセットにすることで、査定金額4万5000円アップの65万円になったことも」とのこと。業者としてはノーマルのほうが車両を小売りしやすく、取り外したカスタムパーツを別で売却することで利益につながります。一方でノーマルパーツは、中古品として販売してもカスタムパーツと比べて価格が低く、それなら車両とセットで処分してしまうほうが、ユーザーにとっては煩わしさが少ないという利点もありそうです。
不動期間が長くなる前に売却を!
愛車の買い取り査定金額をアップさせる最後のコツは、もしも今はもう乗っていない車両なら、不動期間が長くなる前に売却することです。「動かさず放置している時間が長いと、とくに屋外保管の場合はサビやオイル漏れ、パーツの劣化などが発生し、完調な車両として販売するための修理に費用がかかるので、業者は高額買い取りが不可能になります」とカチエックス。部品交換の必要性がある場合、当然ながらさらに修理代がかさむので、買い取り金額はさらに下がります。
一例として、「スズキ・GSX1300Rハヤブサ(1999年式/走行距離2万km以下、2023年7月査定)の買い取り金額が21万円と、走行距離5万km超でも程度良好なら30万円前後で契約成立となることを考えたら、かなり低めだったことも……。この車両は長期不動でサビが多く、燃料タンク内にもサビが発生しており、しかも燃料ポンプに不具合があり警告灯も点灯しており、修理すべき部分が多いことから減額査定となってしまいました」とのこと。「また乗るかもしれないし……」より、「一度売却して、また乗りたくなったらそのときに買おう」のほうが、結果的にお得なこともあるのだ。
というわけで今回は、カチエックスに愛車の買い取り価格をアップさせる(あるいは下げない)ためのコツを教わりました。愛車の売却を検討している方々は、ぜひご参考に!
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