
ホンダが北米で11月にモトコンパクトを発売することが発表され、モトコンポ復活! と注目されたばかりだが、日本発の電動バイク「ポケットコンセプト」もハンドルが折り畳める同種の存在。隣にコンビで展示されたEV4輪「サステナCコンセプト」はまるでアレのよう。
バイクは横向きで立てた状態で積みます

インタビューに答えていただいたのは、本田技術研究所シニアチーフエンジニアの田中健樹さん。クルマの開発に携わりつつバイクも趣味で楽しんでいるという。
Webike──この2台を見ると「来たな」という感じがするんです。
田中さん──ある世代から上の人は「アレが来たな」と感じるみたいですね。今回そうとは言ってはいないのですが、そこは感じていただければと思います。クルマもそういう形をしていますからね。
Webike──ということは、ポケットコンパクトは折り畳めるんですよね?
田中さん──ハンドルを折り畳むとシートの下に入って、サステナCコンセプトのトランクに積載できます。バイクは横向きで立てた状態で積むようになります。
Webike──まさにアレのようですね。ポケットコンセプトの後方が矢印のようにエグれていますが、車内で部品を避けるための形状ですか?
田中さん──その形状はデザイン上の処理ですね。ポケットコンセプトを積んでもサステナCコンセプトのシートバックの高さに収まるので後方視界を妨げることもありません。
Webike──今回のモビリティショーでは車載した展示は実施しないのですね。
田中さん──はい、ですが2輪と4輪のセットの生活をご提案したいと思います。
Webike──まさに1967年のモンキーZ50Mから始まる6輪生活の提案ですね。今回の提案はこれまでと何が違いますか?
田中さん──やはり電気ですね。積んでも臭いがしない。ポケットコンセプトは寝かさないですけど、仮に寝かせて積んでも液漏れするものがない。従来のものよりは軽いので、電気だからこそ現実的に積めるというところです。
Webike──ポケットコンセプトの重量はどのくらいですか? 確かモトコンポが40kgくらいでしたよね。
田中さん──非公開です。ですがそれよりは軽い感じですね。
Webike──シティの時は2輪+4輪ではなく2輪×4輪の掛け算を目指したと言っていましたから、ぜひそんな6輪生活コンセプトを実現して欲しいです。
田中さん──シティと言っちゃってるじゃないですか!?(笑)。私たちホンダらしい2輪と4輪の掛け算…そういうことを実現していきたいですね。
Webike──すみません、言うまいとしていましたが崩れてしまいました。2輪チームとの共同作業はあったのですか?
田中──もともとセットで企画されたものなんですよね。4輪とは開発部門が違いますのでポケットコンセプトの開発は2輪部門がやっています。この流れもアレに近い感じですね。

「ある世代から上の人」が連想するのがこのイメージ。ポケットコンセプトはサステナCコンセプトのトランクに同じように積むことができる。6輪生活の浸透はホンダの悲願なのだ。

左がポケットコンセプトで右がサステナCコンセプト。あえて言わなかったがモトコンポとシティの組み合わせをなぞるように提案されたことがインタビューから導き出された。

Pocket Concept [HONDA] ポケットコンセプトはハンドルが折り畳み可能になっている。現状は車載するために持ち上げるグリップ等は装備されていない。

駆動はフロントのインホイールモーターで行う。ホイール径は8インチだ。リアにはドラムブレーキがセットされている。

上下2段のLEDヘッドライトに外枠はポジション灯だと思われる。シートの下の空間に折りたたんだハンドルが収容できる。

テールランプは特殊な形状になっている。その下には原付サイズのナンバープレートホルダーが用意される。特定小型原付ではなく原付1種を想定しているという。

すでに公開されている特許によるとハンドルは左右のバーを支柱に沿って折り曲げて畳むようようだ。

広めのステップボードは下側に畳んで、スタンドの役割も果たすようになっている。リアサスペンションはあるようにも見えるが不明だ。

折り畳んだポケットコンセプトはサステナCコンセプトのトランクに積載可能。この大きさなので乗用車のトランクなら普通に積めそうだ。
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