
中国CFMOTOが作るパピオシリーズは6速エンジンでメチャ速い!
【モンキー・グロムのライバル出現】CF MOTO パピオ XO-1 / XO-2 試乗インプレ
https://www.youtube.com/watch?v=lrkjWq3OEQU
1.125クラスながら迫力あるあるスタイル
右がセパレートハンドルでロードモデル仕様のパピオXO-1。左がアップハンドルにセミブロックパターンタイヤを履いたパピオXO-2。
千葉県茂原市の「KURE35茂原ベース」が今秋より発売を開始するCFMOTOのパピオシリーズ。セパレートハンドルでロードモデル仕様の方がパピオXO-1でアップハンドルにセミブロックパターンタイヤを履いたスクランブラーテイストのマシンがパピオXO-2だ。今回、試乗したのは到着したばかりのサンプル車で、エンジンの排気量は126cc(軽二輪登録)。実際に販売されるモデルは124ccとなることを最初に書いておこう。仕様諸元に関しても、現在発表されているのは中国仕様のもので、今のところパピオXO-1/パピオXO-2ともに共通となっていた。
【全長/全幅/全高】 1748×683×963mm
【ホイールベース】1214mm 【シート高】740mm
【車両重量】 114kg 【エンジン】空冷4ストローク単気筒
126cc※日本版は124cc
【最高出力】9.5PS/8250rpm
【最大トルク】0.93kg-m/6500rpm
【燃料タンク容量】7L
【変速機】6段リターン
【ブレーキ】F=ディスク、R=ディスク
【タイヤ】F=120/70R12、R=130/70R12
【販売価格】349,800円(税込)※日本発売価格
※2モデルとも公式諸元が同一
パピオXO-1
パピオXO-2
ちなみに車名の“パピオ”とは、マントヒヒの“ヒヒ(狒々)”のこと。もちろんこれはホンダのモンキー125を意識してのことのようで、確かにヒヒらしくモンキーよりも車体はやや大柄。ファニーなスタイルのモンキーに対し、パピオはモーターサイクルらしい本格的な雰囲気も特徴だ。
2.ポジション設定が全く違うパピオXO-1とパピオXO-2
パピオXO-1
【シート高】740mm(ライダー:身長172cm/体重75kg)
前後12インチホイール由来のコンパクトな車体のおかげで足つき性はよく、踵までべったりである。低めにセットされたセパレートハンドルのおかげで前傾姿勢が強め。コンパクトではあるが変な窮屈感はなく、スポーティな印象を受ける。
パピオXO-2
【シート高】740mm(ライダー:身長172cm/体重75kg)
シート高も数値上は同一だがシート形状が異なるパピオXO-2の方が若干シートが低く感じる。当然ながらパピオXO-1同様足つき性はよく、踵までべったり。しかもパピオXO-2はアップハンドルを採用しているため背筋がほぼ垂直となり、余計足つき性がよく感じるようだ。
3.セパレートハンドルでロードスポーツ仕様のパピオXO-1 -実走インプレッション-
このパピオシリーズ、カタログやホームページなどどこにも明記はされていないもののホンダのモンキー125を意識していることは明白だろう。試乗に当たってはその辺りを念頭におきながらインプレッションしてみるとしよう。
パピオXO-1/XO-2ともに車格はモンキー125よりもやや大きく、作りも本格的でスポーティな印象を受ける。モンキー125というとやはり特徴的なのは、スーパーカブ由来の横型エンジ
ンだが、このパピオシリーズは一般的な縦型エンジンを搭載しているのも面白い。
しかもスペックを見て驚いてしまったのだが、なんとギヤは6速なのだ。最高出力に関してはモンキー125と数値はほぼ一緒なのだが、その発生回転数が1500rpmも高くなっている。ボア×ストロークは発表されていないが、ショートストロークで回転でパワーを稼ぐスポーツタイプのエンジンのようだ。
走り出してみれば予想通りエンジンのフィーリングはスポーティで、モンキー125よりもかなり高回転型で吹け上がりもいい。またセパレートハンドルを採用し、ポジションが前傾気味なこともあってだろう、つい楽しくてペースが上がりがちになる。気を抜いているとすぐに法定速度をオーバーしそうになるくらいスポーティなキャラクターに仕上がっているのだ。
ただちょっと気になるのは、その辺りの速度域になると路面からの突き上げが気になること。パピオXO-1/パピオXO-2ともに基幹部品の仕様は変わらないとのことだが、パピオXO-1は前傾姿勢が強めなこともあって前輪荷重が大きいのだろう。舗装の継ぎ目などで受けるキックバックがやや大きく感じるのだ。
今回は試乗にあたっては、タイヤをダンロップのTT93GPに換装した状態でサーキット走行する機会も得た。この手の125ccクラスの車体でサーキット走行するとサスペンションにしてもブレーキにしても限界が低く、バンク角も浅かったりして不完全燃焼に陥ることが多いのだが、パピオXO-1はかなり遊べることに驚いた。
確かにペースを上げていくとレブリミッターが9000rpmでかかってしまったり、ブレーキが若干心許なかったりと、気になる部分は出てはくるが、タイヤを換えただけでここまで遊べてしまうことにびっくり。また最高速も試してみたが、メーター読みで90km台後半まで見ることができた。
4.アップハンドルにセミブロックパターンタイヤを履いたパピオXO-2 -実走インプレッション-
続いてスクランブラータイプのパピオXO-2で走り出す。念の為パピオXO-1との違いを書いておくと、ディメンションや仕様諸元に関しては共通とのことだが、シート形状とハンドルポジションが大きく違い、ヘッドライトもパピオXO-1がフレームマウントになっているのに対し、パピオXO-2はステアリングマウントだ。
タイヤに関しても、コーディアルというブランドのセミブロックパターンを履いていたり、アップフェンダーを装備していたりして、アドベンチャーバイクやスクランブラー的な雰囲気。モンキー・バハならぬ“パピオ・バハ”といったところか。
エンジン特性に関してはパピオXO-1同様元気なのは変わらないが、ポジションがアップライトだからだろう、スポーティな走りはもちろん可能なのだが牧歌的なトコトコ走りも気持ちいい。
ポジションがアップライトだからだろう、パピオXO-1で速度を上げていったときに感じる路面からのキックバックもパピオXO-2なら気にならないし、ステアリングにもより落ち着きが出ている。ロングツーリングに出かけるならパピオXO-1よりもパピオXO-2が楽しそうだ。
ならば......と、パピオXO-2をフラットダートへ連れ込んでみる。ポジションは若干ハンドルが前目で幅も狭め。ABSにの介入もロードセクション用という感じで介入も早い。つまり特別ダートを走るようにできてはいないのだが、そんなことを気にせずダートで遊べてしまうのがこの125ccクラスの車格の楽しさだ。
エンジンが元気なこともあり、アクセルターン程度のアクションならなんなく可能。驚いたのはフロントサスペンションで、この手の125ccクラスをダートに持ち込むと途端に心許なく感じることが多いが、意外と踏ん張る。もちろん、フロントアップやジャンプをすると途端に破綻しそうな雰囲気はあるものの、そこそこのペースで走る分には全く不安がない。
また車体はエキゾーストパイプがサイド回しのため最低地上高に余裕があるのがいい。おかげで乗用車が入り込めるようなフラットダートならなんら問題なく走れてしまう。しかも、125クラスならではのコンパクトな車体は狭い林道セクションなどでのUターンも楽々。パピオXO-2が相棒になれば未舗装路が身近になること間違いなしだ。
5.パピオXO-1のディティール
6.パピオXO-2のディティール
パピオXO-1/XO-2中国仕様主要諸元
・全長×全幅×全高:1748×683×963mm
・ホイールベース:1214mm
・シート高:740mm
・車重:114kg
・エンジン:空冷4ストローク単気筒126cc※日本版は124cc
・最高出力:9.5PS/8250rpm
・最大トルク:0.93kg-m/6500rpm
・燃料タンク容量:7L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70R12、R=130/70R12
・価格:34万9800円※日本発売価格
※2モデルとも公式諸元が同一
Photo:南 孝幸
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カスタマイズを楽しめるかがキモ
パーツがなかったら一気に冷めますよね