
この冬に発売が予想されるヤマハのXSR125は、端正なネイキッドスタイルで注目の一台。カスタム映えすること請け合いのXSRシリーズだけあり、王道のヨシムラ仕様を予想してみた。
CG:SRDやはり似合うのはストレートサイクロン
ヤマハのXSRは同社初の4ストローク車として知られるXS-1をオマージュしたシリーズ。1970年に発売されたバーチカルツインの気品ある佇まいは現行XSRシリーズの祖であるXSR700や他のXSRシリーズにも受け継がれており、1970年代的な雰囲気が漂っている。
そして、当時のイメージを崩さずにカスタムするのであれば、最高のマッチングを見せるのがヨシムラのマフラー「ストレートサイクロン」だ。1971年にポップ吉村氏が発明した初の集合管マフラーがルーツで、1970年代のトレンドになったカスタムパーツだ。
だが、過去の製品かというとそうではなく、近年はカワサキのZ900RSを代表とするネオクラシックモデルが定着しており、ストレートサイクロンも対応する新製品が続々とリリースされている状況。125ccクラスでもモンキー125やダックス125用が新発売されている。
この流れから、この12月に発売が予想されるXSR125に対応するストレートサイクロンもぜひ発売を期待したいところ。ヤマハ車のストレートサイクロンは現在存在していないだけに、XSR125をきっかけにヤマハ×ヨシムラのイメージ構築にもつながるはずだ。
XSR125 [YOSHIMURA] 画像は編集部で制作したCG。あくまでもイメージだがXSR125にストレートサイクロンを装着してみるとかなり似合う! ヤマハにヨシムラもいい感じだ。
XSR125 [YAMAHA] 兄弟車のYZF-R125やMT-125と共通プラットフォームと思えないほどクラシックなイメージを獲得。ストレートサイクロンが似合いそうなスタイルだ。
ヨシムラR&Dカラーで硬派なイメージに
XSR125は、ツインチューブフレームを持つシャーシながら丸型ヘッドライトのネイキッドモデルに仕上げられており、燃料タンクカバーも昔ながらのスタイル。ストレートサイクロンだけでなく、カラーリングもコディネートするとレトロ感が増すだろう。
CGでは2つの方向性を提案してみたい。まず、ヨシムラ伝統のR&Dカラーをヤマハ車向けの配色としてみたのが灰色×水色のCGだ。1976年にZ1でAMAスーパーバイクに参戦した際のデザインで、アメリカで設立された「YOSHIMURA R&D」のロゴが入る。
1971年にアメリカに進出したヨシムラは、ホンダCB750フォアの集合管を考案してデイトナ200マイルで活躍。1973年にはカワサキZ1用の集合管を製作しデイトナスピードウェイの最高速を塗り替えた。R&Dカラーはアメリカ時代のヨシムラを象徴しているのだ。
そして、R&Dカラーの独自デザインは、車種を問わずZ1が原型となったネイキッドスタイルにぴったりハマるのだ。2019年にモンキー125がR&Dカラーでヨシムライメージに様変わりしたことでも分かるとおり、上品なXSR125も硬派な印象になるだろう。
ラインを赤にするとヨシムラ濃度が高まる。ベース色はガンメタでストレートサイクロンで1970年代風のレーサーカスタムになる。画像は編集部で制作したCG。
2019年の東京モーターサイクルショーでヨシムラが展示したモンキー125のカスタム仕様でストレートサイクロンにR&Dカラーを纏っていた。
本来のヨシムラR&Dカラーに近いのはZ900RS用ヘリテイジキット(2021年)のタンクで、公式なZ1用R&Dカラーの再現になる。英文字ロゴも新鮮だ。
RZ250カラーにストレートサイクロンもいい感じ
XSR125は正統派ネイキッドスタイルを持ちながらも、サイドカバーの形状や丸い肉抜き装飾から1980年のRZ250を彷彿とさせる要素がちりばめられている。このヤマハならではの伝統が感じられるスタイルには、再現した通りやはりRZ250カラーが似合うのだ。
これはRZ250単体のためにデザインされたカラーが、時間を経たことでヤマハを象徴するイメージに高まったからだろう。現にXSR900には欧州のカラーバリエーションにRZ250カラーが存在していたことがあり、2スト、4スト問わずヤマハの伝統を受け継いでいる。
2ストロークレプリカの元祖と言われるRZ250カラーに、4ストローク4気筒エンジンのために考案された集合管をルーツに持つストレートサイクロンを装着するのはそぐわないと思われるだろうが、実際に絵にしてみるとマッチングは良好だ。
XSR125は、原2クラスならではの気軽さで自由なカスタムが楽しめる素材としても有望。アイコニックなスタイルを最大限活かして好みのスタイルをとことん追求するのもいいだろう。ヤマハイメージは決して強くないが、ヨシムラの積極的なパーツ開発に期待だ。
1980年に発売した初代RZ250カラーは黒と白が存在する。ストレートサイクロンが似合うのは、当時のチャンバーが黒一色だったこともあるだろう。画像は編集部で制作したCG。
RZ250(1980年) [YAMAHA] 2スト250ccレプリカの祖。レーサーTZ250由来のメカニズムを導入しており2ストロークを復権させた。XSRシリーズはRZのイメージを色濃く投影している。
この記事にいいねする