
スズキは10月に開催される「ジャパンモビリティショー2023」にて、新コンセプトの参考出品車を一挙に発表する。この中でもひと際異彩を放つ4輪車「SUZU-RIDE(スズライド)」と「SUZU-CARGO(スズカーゴ)」は、様々な使い方ができる新型電動モビリティだ。
市販予定はまだないが、車体のサイズや各種保安部品から「特定小型原付」に相当するモデルになるのは間違いない。近い将来、レジャーや日常生活で身近に触れることができるかも!?
安全性と利便性の高い4輪特定小型原付の提案SUZU-RIDE
SUZU-RIDEとSUZU-CARGOは、どちらも次世代EVとしてコンセプトされた4輪車だ。スズキは「電動キックボードのような手軽さを持ちつつ、転倒しづらく、安全な四輪電動モビリティ」として、日常から業務用、レジャーまで幅広く生活に密着した移動手段を提案した形となる。
電動4輪モビリティで小型、というと、いわゆる高齢者向け「セニアカー(電動車いす)」が思い浮かぶ。しかしSUZU-RIDE、SUZU-CARGOはどちらにもハンドルバーに最高速度表示灯(緑色ランプ)、ヘッドライトやバックミラー、ナンバープレートが装備されており、いわゆる「特定原付」にカテゴリーされるマシンだ。今年春の法改正により話題を集めている特定原付は、電動キックボードが大きく注目されているため、2輪タイプのみと考えている人もいるだろうが、実際には車体サイズの制限内であれば、ホイールの数は何個でもOK。電動キックボードはその特性から、公道での危険性などが取り沙汰されているものの、4輪タイプならば安定感は抜群。最高速度も20kmまで発揮できる。
そんな新コンセプトのSUZU-RIDEは全長1300mm、全幅600mmの1人乗りで、シート部分が巨大なラゲッジスペースとなっているのが特徴。容量は110Lで、さらに通常のスクーター同様フラットフロアを採用しているため、足元にも荷物の積載が可能となる。買い物や通勤、通学といった日常生活に役立つモビリティといえるだろう。

ジャパンモビリティショー2023で発表される参考出品車「SUZU-RIDE」。特定原付であるため、免許不要で公道を走れる。

ポイントはシンプルなパイプフレームと、シート一体型の大きなラゲッジスペース。110Lの容量を持つ。

スクーター同様のフラットフロアにより、足元への荷物積載も可能。現在の業務用トライク以上の積載能力があるようだ。

荷物を気にせず、かつ免許も不要で日常生活やレジャーを気軽に楽しめるという、次世代のライディングを実現するモデルとなるだろう。
サイズ制限ギリギリのボディに特大のキャリアを採用するSUZU-CARGO
対して、そのバリエーションというべきSUZU-CARGOはシートが独立し、その分ラゲッジスペースがより広くとられたモデル。車体サイズも全長1900mmと、特定原付のサイズ制限ギリギリを狙った特大さだ。面白いのはラゲッジスペースの壁面が固定されておらず、ブロック単位で組み合わせたり、バイクのようにコードやフックで積載ができるというところ。キャンプや釣りといったアウトドアシーンで、ギアを大量に積んでいっても困らないどころか、荷物配達や農作業での活躍も期待されている。具体的数値は不明ながら、SUZU-RIDEよりも長いホイールベースを活かし、より大容量のバッテリーの搭載も想定されているようだ。
そんな夢のあるコンセプトモデル、SUZU-RIDEとSUZU-CARGOだが、公開は10月28日(土)~11月5日(日)に開催されるジャパンモビリティショー2023のスズキブースにて行われる予定。このほかにも多数の新型モデルやコンセプトモデルが展示される。

SUZU-CARGOはラゲッジスペースを更に拡大し、特定原付の制限サイズギリギリとなる1900mmとした積載特化モデル。フロントガードもオミットされている。

ラゲッジスペースは固定されておらず、ブロック単位で脱着が可能。またフックもそなえ、コードで荷物をぶら下げることもできる。積載容量は約175Lだ。

大きい車体サイズにより、ゆとりのあるライディングと大容量バッテリーの搭載が可能。レジャー用だけではなく、業務用としても活躍できるだろう。

新たなモビリティとして提案されるSUZU-RIDEとSUZU-CARGO。発売情報はまだないが、ぜひ実現してほしいコンセプトモデルだ。
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