
ホンダがアメリカで公開した電動バイク「モトコンパクト」は、1981年の「モトコンポ」の再来として日本でも大きな話題になっている。これを受けて10月開催のジャパンモビリティショーでの展示も現実味を帯びてきた状況だ。
電動時代になり折り畳み式レジャーバイクが脚光を浴びるか
9月26日にホンダが、ジャパンモビリティショーの展示内容を公開した。その中でも注目だったのが、電動バイク「ポケットコンセプト」と電動自動車「サステナ-Cコンセプト」。この2台はセットで紹介されており、1981年のモトコンポとシティを連想させるものだ。
実際、ポケットコンセプトはホンダが申請した特許によるとハンドルやステップの折り畳みが可能。これをサステナ-Cコンセプトに積載可能と予想されており、2輪と4輪を手がけるホンダならではの6輪生活が、40年以上の時を経て改めて提案されたのだ。
そして、9月14日にアメリカで発表された「モトコンパクト」は、ハンドルやシートを折り畳んでキャリーケース状にできることから、公共交通機関への持ち込みも視野に入れている電動バイク。ホンダ自ら「モトコンポの再定義」としており、より幅広い使い方が可能だ。
モトコンパクトは日本で大きな話題となり、ジャパンモビリティショーでの展示が現実味を帯びてきている状況だという。これが実現すれば、同じ折り畳み式バイクのポケットコンセプトとの揃い踏みとなり、電動でもホンダのレジャーバイクが開花するかも知れない。

Pocket Concept(左)/Motocompacto(右) [HONDA] 畳み可能なバイクが同時に登場。ポケットコンセプトはコンセプトモデル、モトコンパクトは11月にアメリカで発売される。

ポケットコンセプトは特許が出願されており、イラストのようにハンドルが折り畳み可能になっている。ステップは写真のようにスタンドとしても機能するように畳める。

モトコンパクトはハンドルを折りたたむと上部にハンドルが現れキャリーケース状になる。リアタイヤはボディ側に入り込むようになっており、ハンドルはステムを短縮してボディに収める。

MOTOCOMPO(1981年) [HONDA] モトコンポは当時流行っていたオーディオのミニコンポからネーミングされたモデル。シティのトランクに収まるように設計されていた。

モトコンポは蓋をはずして、ハンドルを起こして左右のノブを回して固定、シートを引き上げると走行可能となる。イグニッションキーは蓋の内部にある。
ポケットコンセプトは電動版モンキーとも言えそう
1967年に発売された公道仕様の初代モンキーZ50Mは、ハンドルとシートが折り畳み式で、車載を想定した設計だったのが遊園地仕様のモンキーZ100との大きな違いとなる。車重は47.5kgで折り畳んだ状態で全長×全幅×全高が1191mm×355mm×650mmに小型化できたのだ。
ポケットコンセプトはこの特徴を受け継ぐようにハンドルとシートが可変式で、特許によると「折り畳まれたハンドルはシート下の空間に格納される」とされており、初代モンキーZ50Mのトランスフォーム後の姿と一致したものになりそうだ。

モンキーZ50M(1967年) [HONDA] 初代モンキーは遊具だった頃にはない「車載可能」という新たな特徴を盛り込んで発売された。ポケットコンセプトはこれの再来のようだ。

LN360(1967年) [HONDA] モンキーZ50Mを積む様子に使われたのは、LN360の荷室だと思われる。N360のワゴンタイプで後部ドア上下開きタイプもラインナップされていた。

ポケットコンセプトと思われる特許イラストによると折り畳んだハンドルはシート下(K)に収容可能。シートがスライドするところはモンキーZ50Mに近い特徴だ。
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