
ホンダが新型軽商用EV(電気自動車)「N-VAN e:(エヌバン イー)」を日本の公式HPで公開した。価格は不明ながら3つのグレードを公開し、趣味やビジネスで新たな需要を生み出しそうだ。
普通充電で約5時間、急速充電で約30分
ホンダは商用EVを皮切りに4輪のEV展開を本格的にスタートさせる方針で、N-VAN e:が第1号となる。バッテリーEVになっても、N-VANの特長である商用車としての積載性を実現しており、大型バイクまで積載可能な特徴は変わらないはず。なお、最大積載量は300kgとされる。
航続距離はWMTCモードで210km以上が目標で、充電は6.0kWの普通充電器で約5時間だ。50kWの急速充電では約30分で80%になるが、FUNグレードのみ対応でL2、L4グレードではオプション扱い。さらに車外給電用コネクターを使えば、電源としてN-VAN e:を活用できる。
走りはEVならではのスムーズな加速、荷物の重さを感じさせないパワフルさ、低重心化による走行安定性を実現しているという。ブレーキ操作に対してリニアに反応する電動サーボブレーキを軽商用バンとして初めて採用し、積載物を荷崩れさせないようコントロール性を向上させている。
日本では発売されるグレードは助手席側シートをなくしたe: L2、4人乗りのe: L4、レジャー向けでLEDヘッドライトや内装もカラーリングされたe: FUNの3種類を用意。アダプティブクルーズコントロールなどを盛り込んだホンダセンシングはL2とFUNに搭載されている。

N-VAN e: [HONDA] e: FUNグレードはフルLEDヘッドライトやカラード内装、ホイールキャップなどが用意されている。写真のボディーカラーはオータムイエロー・パールだ。

e: FUNグレードのインテリア。バンとは言え、乗用車に近いイメージで使える雰囲気だ。インテリアカラーはアイボリーとなる。

車両の前部に充電リッドを配置することで、充電や給電時にも充電コードなどを気にせずに、車の乗り降りやドアの開閉をすることができる。

ディーラーオプションのAC車外給電用コネクターの「Honda Power Supply Connector(パワーサプライコネクター)」を使うと、N-VAN e:のバッテリーで合計1500Wまでの電化製品が使える。
N-VANは大型バイクも積載できるトランポ
N-VAN e:は、助手席足元スペースからテールゲートまで最大スペース長が2645mmあり、ホンダのCB1300スーパーフォアの全長2200mmよりも445mmも長い奥行きがある。エンジン仕様のN-VANでも同車を積載した例もあり、バイクのトランポとしても活用できるのが魅力だ。
N-VAN e:公式サイトで公表された荷室サイズは、荷室長が1480mmでエンジン版より30mm縮小しているが、最大スペース長は10mm拡大。気になるのが荷室地上高が+15mmの540mmになり最大積載量はー50kgの300kgに減少していること。これはバッテリーの影響かも知れない。

公開されたN-VAN e:の荷室サイズ。エンジン版と比べると微妙に差異があるはあるが、床面のセンターに配置されたバッテリーの影響はあまりなかったようだ。

こちらはN-VANの参考例。助手席側をピラーレスにすることで大きな間口となる。また、助手席と後席を畳むと2635mmのスペース長が確保できるので車内泊も余裕だ

2018年当時のCRF125Fを積載したデモンストレーション。125ccクラスだと前輪の先にもかなりスペースに余裕ができる。

助手席は分割して畳めるのでこの状態でも前後に2名乗車ができるのだ。






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