メーカーの考え方にも注目してパーツや車両を作る

「II型のI型仕様ですね(笑)」と、このKATANAを前にしてオオノスピード・大野さん。

「II型(M2)が出たからI型(M0)とどう違うのかなって車両を買ったら、純正シルバーはSUZUKIロゴが赤から黒に変わってて、うちのコンプリートのカラーと同じ。それならパーツ移植したらすぐコンプリートになるぞって、M0に付けていた(開発した)パーツをこっちに移植したんです。

M2では電気系はいろいろ変わっているけれど、足まわりなどはだいたいM0そのままでしたから、フロントフォークもホイールもM0を移植しました。それでフロントフォークのアウターチューブが黒(M0純正。M2ではゴールドになった)なんですよ」

意外な形でのパーツコンバート。念のため説明しておくと、M0は2019年に登場した現代KATANA。そしてM2は、’22年にマイナーチェンジを受けたモデル。電子制御の強化やスロットルの変更が行われた。このM2に話を戻すと、各部には当然ながら、オオノスピードのオリジナルKATANAパーツが装着される。チタンコートスクリーンや、操作が一気に軽くなるクラッチホルダー。足着きも良くなり作動感が自然なショートタイプのアラゴスタリヤショック。外観を空冷カタナに寄せたすっとした感じにしつつ、内部に小物入れ機能を備えた「GTテールカウル」もそのひとつだ。ハンドルはKATANAノーマルのアップ・テーパーバーを使っている。

オオノスピード KATANA 初期型で開発したパーツをコンバートし新型の性格も知る

「M2でもM0と同じで鬼ハンになっているので、できるだけ手前に倒してます。ハンドルを切ってもタンクカバーに手が挟まらないくらいの感じ。クラッチは純正でもM2で軽くなってて、M0よりいいんです。でもウチのオリジナルでどう変わるか付けてみたら、激軽(笑)。

GTテールカウルもすんなり付きました。これは、街乗りターゲットで積載は要らないと考えたのだろうKATANAでも、やっぱり少しは物が積めたらなというところもカバーして作ったので、M0でもM2でも使えるのはいい」

若干のロングテール化もされ、リヤの泥はねの影響も抑えられたとM0での開発当時に聞いた覚えがある。これらのオオノスピード・オリジナルはM2でも有効そうなパーツ。ならば、M0とM2で同じという足まわりはどうだろう。

「今回はリヤサスだけ換えていたM0の時と違って、フロントディスクをブレンボ製に換えています。ぐっと効いてよく止まれる。お勧めです。

リヤサスは、ノーマルが固いと言われてますけど、じつはショック本体は柔らかいんですね。二人乗りを重視したリンクの立ち上がりや、燃費を重視したエンジンやFIのセッティングもあって、そのように思えるのかなと考えています。車両に対してメーカーの考えるところと、我々のようなショップで考えるところと、違う部分もあるんでしょうけど、どちらかがいいとかダメでいうのではなく、考えが分かれば、手の入れ方とか、セッティングの方向も分かりやすくなると思います。

それでこのショック(オオノスピード×アラゴスタ)にして、フロントフォークも突き出して前後の高さを調整したら、節度があっていい感じの足まわりになりました。これはM0でも、M2でも通用します。今後はリンクも試作して、販売用を作ろうかなと思います」

この車両で分かるように、同店製M0パーツはM2にも適合する。これはありがたい。空冷カタナ用とも同じように、常に走ってその感触を反映するオオノスピード製パーツ。KATANA用も、こうして実走で裏付けされているのだ。


Detailed Description 詳細説明

オオノスピード KATANA 初期型で開発したパーツをコンバートし新型の性格も知る

KATANA標準のバイザーに共締めする純正オプションのポリカーボネイト製メーターバイザー。これにチタンコートを施したオオノスピード「チタンコートスクリーン」(受注生産品)はKATANAに必要な“らしい”スクリーンの装着感も演出するとともに厚みも確保して風防効果も高めている。



オオノスピード KATANA 初期型で開発したパーツをコンバートし新型の性格も知る

ハンドルは純正のアップタイプテーパーバーを、グリップが手前に来るように引いてセットする。ステアリングステムやメーター、ミラーはノーマルでドライブレコーダー(ハンドル左に見えるのはスイッチ)を加えた。



オオノスピード KATANA 初期型で開発したパーツをコンバートし新型の性格も知る

クラッチホルダーはオオノスピード「ライトクラッチホルダー」(写真は限定ブラック。ほかに標準カラーあり。ともに別途削り出しミラーホルダーが必要)を装着。フロントマスターシリンダーはM2純正を使う。



オオノスピード KATANA 初期型で開発したパーツをコンバートし新型の性格も知る

スイングアームマウントリヤフェンダーを外した上でGTテールカウルの下にデイトナEDGEフェンダーレスキットを車検対応(ロングテール化しているGTテールに適合させている)でスマートに装着。そのための「フェンダーレスアタッチメント」もオオノスピード製だ。



オオノスピード KATANA 初期型で開発したパーツをコンバートし新型の性格も知る

テール部の外装パーツ4点(L/Rサイドカバー、アンダーカバー、トップカバー)を換装し、テールライトハーネスを延長することですっとした外観を作るとともに、シート後ろと両脇に小物入れスペースが作れる「GTテールカウル・ベースキット」(写真のカーボンとFRP黒ゲル仕上げを設定、延長ハーネスも販売)。シート後ろのトップカバーはシートを外して手回しネジで開く仕組みとして、内部セキュリティ性も持たせている。



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シートを外した状態。テール部スペースだけでなく、サイドカバー裏にも工夫次第で使えるスペースがある。この例ではウエスが収まっている。



オオノスピード KATANA 初期型で開発したパーツをコンバートし新型の性格も知る

φ43mm倒立フォークや3.50-17/6.00-17サイズのホイールはM0純正に換装し、フロントフォークアウターチューブをM2のゴールドからM0のブラックにした。フロントキャリパーは純正ブレンボだが、フロントのφ310mmディスクはブレンボTドライブに変更し、効きやフィーリングを高めた。



オオノスピード KATANA 初期型で開発したパーツをコンバートし新型の性格も知る

リヤブレーキはキャリパー/ディスクとも純正。スイングアームやリンク、タイヤフェンダーも純正で、スイングアームマウントリヤフェンダーは外されている。



オオノスピード KATANA 初期型で開発したパーツをコンバートし新型の性格も知る

リヤショックはフルアジャスタブルのオオノスピードオリジナル・アラゴスタ。ここではリモートアジャスターも付いたTYPE-R(同なしのTYPE-Sも設定あり)を装着。シート高(純正は825mm)は15mm下がり、安心感を高める一方で固さもなく走行性もアップする効果あり。


主なカスタム内容(SUZUKI KATANA)

フレームスイングアーム OHNO-SPEED レーシングスタンドフック
ブレーキ周り
*マスター含む
フロント
BREMBO ブレーキディスクキット T-DRIVE
サスペンション
リアショック
OHNO-SPEED アラゴスタ TYPE-R
ハンドル周りステアリング
*ステダン、ミラー含む
OHNO-SPEED チタンコートスクリーン
OHNO-SPEEDライトクラッチホルダー
MiTAC Digital Technology MiVue M760Dドライブレコーダー
外装 DAYTONA フェンダーレスEDGE KATANA
OHNO-SPEED GTテールカウル・ベースキット カーボン仕様
OHNO-SPEED フェンダーレスアタッチメント



オオノスピード KATANA(SUZUKI KATANA)
取材協力:オオノスピード TEL043-227-9568 〒260-0006千葉県千葉市中央区道場北1-8-2



情報提供元 [ ヘリテイジ&レジェンズ ]

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