画像は編集部で制作したCG(上段)

日本最古のバイクブランドで4ストロークビッグバイクを得意としたメグロが2024年に100周年を迎える。この節目にエストレヤの復活版となる新型250ccモデルが発売されるというウワサがある。その可能性を探ってみたい。

2024年は川崎航空機がメグロを吸収合併してから60年

2020年にメグロK3が発売されて話題になったメグロは、1924年(大正13年)に創業した日本およびアジア最古のバイクメーカーだ。1964年の東京オリンピックで聖火リレーの先導を務めた496ccのスタミナK1など大排気量車を得意とする国内トップブランドだった。

一方、日本の高度経済成長にともなうバイクの大衆化や小排気量化の波に乗れず、1964年には川崎航空機工業に吸収合併された。また、川崎航空機も1961年にスーパーカブC100の対抗馬として発売したカワサキペットM5が不発に終わり、二輪事業の存続が危ぶまれていた。

この合併により、メグロの4ストローク2気筒が1966年のカワサキ650W1に発展し、さらに大排気量4ストローク技術が「900スーパー4・Z1」(1972年)につながったことで、カワサキの二輪ブランドが確立したといえるだろう。それから間もなく60年となるのだ。

ちなみに、合併初号機はメグロK3につながったカワサキ500メグロK2(1965年)ではなく、1964年のカワサキ250メグロSGで、これも来年60周年。メグロ100周年を記念するモデルが発売されるとすれば、新型カワサキ250メグロSGというストーリーが自然だろう。

カワサキ250メグロSG [KAWASAKI] カワサキの名で最初にリリースされたメグロモデルは1964年の250SGだった。これが、後のエストレヤのデザインに繋がっている。

メグロの250ccモデルはジュニアJ1が1950年に発売されている。SGは高出力化を図ったOHV単気筒248ccエンジンを採用し、最高速度は120km/hを発揮した。

ESTRELLA(1992年) [KAWASAKI] まさにカワサキ250メグロSGの復刻と言えるスタイルのエストレヤ。2017年のファイナルエディションまで25年のロングセラーを誇った。

新型エリミネーターが400ccだったのはメグロ250との棲み分けか

近年のカワサキは、製品戦略をNinjaシリーズ、Zシリーズ、ネオクラシックの3本柱で展開してきた。ネオクラシックはWシリーズが175cc、250cc(エストレヤの海外版)、800ccが展開されているが、単気筒モデルもあるので「メグロで統一するのでは?」とも言われている。

そして気になるのは、2023年に発売された新型エリミネーターが250ccではなく400ccで発売されたこと。低シート高の入門モデルとして支持されたレブル250にぶつけてこなかったのは、メグロ250が後に控えているからとも推測できるが…果たして!?

さらに関連情報としては、KLX230SもしくはKLX230SMが令和2年排ガス規制に対応する可能性が高いという。空冷単気筒232ccエンジンが今後存続するとしたら、メグロ250登場の好材料になるだろう。2024年のメグロ100周年で何が起こるのか注目だ。

メグロジュニアS9[KAWASAKI] 予想登場時期:2023年後半(2022年11月号で再予想)。CGイラストは編集部が制作したもの。オートバイ誌はメグロジュニアS8の後継機のS9と予想した。

KLX230SM(2022年) [KAWASAKi] 排ガス規制適用直前に発売されたモタード仕様がSM。この空冷単気筒エンジンが令和2年排ガス規制に対応する可能性が高い。

エリミネーター [KAWASAKI] 新発売のエリミネーターはZ400の並列2気筒を搭載している。同じエンジンの250cc仕様があることから新型エリミネーター250もリリース可能だった。

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