
ホンダは、2022年9月に開催された二輪事業説明会で、2024~2025年にかけて大型クラスのファンEVを3機種発売するとアナウンスした。それから1年程経過した現在、この計画が見直されているというウワサが出てきている。果たしてジャパンモビリティショー2023(東京モーターショー)にはどんなモデルが出品されるだろうか?
スクータータイプが東京モーターショーで展示されそう
2022年9月にスクーター、ネイキッド、クルーザータイプの3機種のシルエットが公開されたホンダの大型ファンEVモデルは、2024~2025年までに日本・アメリカ・欧州で投入される計画だ。これが、東京モーターショーでコンセプトモデルとして展示されると予想されている。
しかし、最新情報では大型ファンEVの計画に変更が見られるというウワサで、シルエットが公開された3機種とは異なるモデルが東京モーターショーで登場する可能性がありそうだ。考えられるのはスクータータイプと思われるが、期待したいのは未来感のあるNM4のEV版だ。
ホンダは、2021年にNM4をベースにしたライディングアシスト2.0という実験機を公開しており、これにはASIMOの技術を応用した姿勢制御技術が盛り込まれていた。ライダーが足をつかなくても自立することが可能で、立ち転けを未然に防ぎつつ自然なライディングが楽しめる。
NM4の未来的なスタイルは革新的な技術と相性が良く、ホンダが新たな一歩を踏み出す大型ファンEVにぴったりの存在。スクーターの利便性とスポーティな走り、一歩進んだセーフティ機能を両立した新たなコンセプトを打ち出して欲しい。

Honda Riiding Assist 2.0 [HONDA] NM4をベースにライディングアシスト機構を盛り込んだ実験機。これはサイドスタンドに頼らずに自立している様子。

ホンダが2022年9月に発表した大型ファンEVは3機種のシルエットが公開されていた。以降計画に変更があったと思われることから、これらの外観になるとは限らないようだ。
ホンダの大型ファンEVは全個体電池を採用か
ホンダのカーボンニュートラル(CN)戦略の要はEVにあり、武器は全個体電池だと思われる。「ホンダの強味は、4輪などの先進技術を2輪でも使えるところです。全個体電池はリチウムバッテリーの半分程です。逆に言うと同じ量では倍ほどの能力があります。
2輪車はバッテリーが大きくなってしまうと利便性が損なわれてしまいますので全個体電池と相性がいいと思います」という竹内副社長(当時)のコメントから、採用に向けて取り組んでいる様子がうかがえる。
ホンダは、2024年春に約430億円をかけてラインを立ち上げ、2020年代後半には全固体電池を搭載したEVを発売する目標を掲げている。開発の進捗や4輪とのスケールメリットによる低コスト化次第では、世界初の全個体電池EVバイクが登場する可能性もあるだろう。

ホンダが公開した全個体電池の積層体。EVは厚くハイブリッド車は薄くするなど仕様に応じて厚みを調整することができるという。

充放電容量、抵抗値、劣化状態などの性能を測定し品質基準をクリアして、写真のような全個体電池のセルが完成する。
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