
2022年10月末にホンダCB400スーパーフォアが生産終了となり、そのまま4気筒400ccモデルは消滅すると思われた。そこにサプライズを用意してくれたのがカワサキで、この7月に完全新作のZX-4R/ZX-4RRが発売されたばかり。果たしてホンダはどう出る?
CG:SRD中国発の並列4気筒開発は継続中の模様
ホンダの新・4気筒400ccのウワサはCB400SFが生産終了になる前からあり、Webikeプラスで度々報じている。その内容は中国で4気筒500ccモデルが開発されており、400cc化して日本にも導入するというもの。これがCB400SFの後継機になると予想されている。
では、なぜ中国なのだろうか? 現在中国のバイク市場が趣味領域で拡大していることが大きい。現地ではドリーム店が展開され、高額な車両登録費用や車両価格に関わらず、ホンダだけで年間2万台規模の販売台数があるという。日本の3万台(251cc~)に迫る規模なのだ。
近年の動向としてはカワサキのニンジャ400が中国で大ヒットしており、これを受けてZX-4R/ZX-4RRが中国でも発売された。こちらも現地で大好評となっており、中国市場の成熟がホンダが中国で400~500ccモデルを開発する要因になっているはずだ。
そして、中国発の4気筒ミドルクラスは開発が継続されている模様。カワサキは4気筒400ccをスーパースポーツからリリースしたが、ネイキッドなど派生モデルも検討しているという。一方、ホンダの4気筒400ccはCB400SFの後継機と予想されるが、中国でのZX-4Rの反響次第ではスーパースポーツも期待したい。

CB400スーパーフォア(2022年) [HONDA] 惜しまれつつ生産終了となった国民的人気の400ccネイキッド。ホンダが日本で再び直4をリリースするならCB400SFの後継機が濃厚だ。

Ninja ZX-4RR [KAWASAKI] CB400SFと入れ替わりでカワサキが国内でも7月に発売した直4モデル。中国では大反響となっており、ホンダの開発にも影響を与えるかも知れない。
ZX-4Rは中国では激安価格!? 購買力が開発を加速させる
中国バイク市場の成熟を受けて、現地メーカーも勢いを増している。それを象徴するのがKOVE(コーベ)の450RRで、なんとオリジナルの並列4気筒400ccエンジンを搭載したスーパースポーツがリリースされたのだ。
450RRの日本円に換算した価格は71万円~79万円だが、中国でのZX-4RRの価格は約151万円(7万6800元)、ZX-4Rは約137万円(6万9800元)と倍近くの大きな開きがある。それでも中国のユーザーからするとZX-4R/ZX-4RRは「バーゲンプライス」だという。
中国で比較対象にされているのはCBR650Rで、現地では約217万円(10万9800元)で発売されている。ZX-4RR/ZX-4Rとの価格差は66/80万円。ホンダが4気筒500ccを用意しようというのは、この価格面のギャップを改善することも狙いだろう。
中国ではドゥカティなどハイブランドも進出しているが、販売動向は落ち着いてきていると言われている。今後はハイエンドモデルだけでなく、ビギナー層に向けたユーザー拡大も重要な局面になっており、目下注目されているのが400ccクラスなのだ。

CBR650R [HONDA] 日本では111万1000円のCBR650Rが中国では倍の価格に。中国では入門クラスの並列4気筒はこれしかなかったが、今はZX-4Rに注目が集まっている。

中国で大ヒットしているニンジャ400(右上)は約98万円(4万9800元)。ZX-4Rはそこから少し手を伸ばせば届く価格だ。ニンジャ650の147万円(7万4800元)も選択肢だが4気筒に分がある。

450RR [KOVE] 4月に開催された北京モーターショーでデビューした450RR。前作の400RRから排気量やスタイルが変更された。こちらの方がより低価格だが、現地では日本ブランドの品質面が評価されている。
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