2014年に発表された「プロジェクトライブワイヤー」から9年、ついに、今度こそハーレーEVの国内導入が濃厚となった。また、新たなモデル「S2 DEL MAR(S2デルマー)」もアメリカで発売され、日本でも2つのモデルが用意される可能性がありそうだ。

ハーレーから分家したEVメーカーが「ライブワイヤー」

2020年12月にハーレーダビッドソンが電動バイク「LiveWire(ライブワイヤー)」の国内発売を正式発表したが、その後導入に至らなかったのは、2021年5月に車名そのものを企業名に掲げる新会社「ライブワイヤー」がハーレーから独立して立ち上げられた影響と言われている。

同社はテスラのようにEV専門ブランドとして世界をリードするのが目的。同年12月には株式上場を発表し台湾のキムコと提携。その際に、LIVEWIRE ONE(ライブワイヤーワン)に続くS2デルマーやスケールダウン版のS3をリリースする計画も明らかにされた。

ライブワイヤー第2のEVであるS2デルマーは、2023年7月にアメリカで発売されたばかり。ハーレーダビッドソンCEOのヨッヘン・ハイム氏は「電動バイクの普及を促進したい。早い段階で日本市場にも参入する」と語っており、国内導入は確実の情勢だ。

そんなライブワイヤーの本格展開を受けてか、早くもハーレーダビッドソンの日本語サイトに「電動スポーツ&バイク」のコーナーが開設されている。ライブワイヤーワンとS2デルマーが掲載されており、発売に向けての準備が進んでいることが分かる。

S2 DEL MAR [LIVEWIRE] 2018年に発表されたMore Roads戦略にあったダートトラックマシン風EVの市販版。最高速165km/h、出力84hpというスペックはミドルクラスに相当しそうだ。

S2デルマーはアップライトなライディングポジションで街乗りが似合う。20→80%までの充電時間は、110V家庭用電源で5.9時間、公共の急速充電で78分と公表されている。

2023年6月16日に来日したハーレーダビッドソンCEOのヨッヘン・ハイム氏は、ライブワイヤーの日本導入を明言していた。ちなみにライブワイヤーの筆頭株主はHD社だ。

ハーレーダビッドソン日本語公式サイトにある「電動スポーツ&バイク」コーナー。EV2車の発売時期や価格は不明だ。ハーレー系のバイク=自転車「SERIAL 1(シリアルワン)」も掲載されるようだ。

S2デルマーは、0-96km/hタイム3秒という加速力

ライブワイヤー第2のモデルであるS2デルマーは、26.8kg-mのトルクを発揮するA2プラットフォームを採用。加速力は0-96km/hタイム3秒というスーパースポーツ並みの性能を誇るストリートスポーツだ。先行するライブワイヤーワンにトルク値は及ばないが加速力は互角だ。

一方、航続距離はライブワイヤーワンの街中234kmに対し181kmと制限されるが、コンセプトは街乗りバイクなので十分だろう。車重は197kgで大型ネイキッドのMT-09(189kg)に近いレベル。前後19インチホイールで安定したハンドリング特性になっているだろう。

S2デルマーの最大の特徴は、無線アップデート機能をライブワイヤーで最初に採用したモデルだということ。車両の起動時にソフトの更新をするので、常に最新の状態を保つことができる。また、アプリを介して空気圧やナビ、取説、メンテスケジュールなども確認可能だ。

DEL MARというカリフォルニアの町の名前が由来のS2デルマーは、ストリート向けのモデルだが、前後19インチというダートトラックモデルのホイールサイズを導入している。

ARROWと呼ばれていたS2プラットフォームは、バッテリーケースを強度メンバーにすることでフレームは最小限の構成としている。

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