
株式会社ストリーモから発表された次世代EV「ストリーモ」。ホンダ発のベンチャー企業が開発する新しいスタイルのモビリティで、電動キックボードのような外見ながら、最新技術を投じた意欲的な存在として注目を集めている。
そんなストリーモの報道向け試乗会が開催され、価格や仕様が発表された。試乗の印象もお伝えしていきたい。
高い機能性に注目度大!300台の第2次抽選販売を予定
ホンダの新事業創出プログラムから生まれたストリーモ。一見するとリア2輪のキックボードのように見える機体だが、静止状態でも自動でバランスを取り、自立することができる3輪モビリティだ。電動キックボードは構造的に不安定であり、段差や悪路が苦手という特徴があるのだが、ストリーモはそれらの弱点を補いつつ、コンパクトで操作簡単というメリットを追求。それでいて、電動キックボードと同様の交通方法に適合する「特定小型原動機付自転車」仕様の認可もなされており、誰もが様々なシチュエーションで移動手段として選択できるようになった。

株式会社ストリーモ・代表の森氏とストリーモ。電動キックボードのメリットを持ちつつ、デメリットを軽減させる新しいモビリティだ。
これほど高性能ながら、操作はとても簡単。アクセルは親指ひとつで操作が可能であり、ブレーキもスクーターでおなじみのレバータイプとなる。更に急な飛び出しを防ぐために3段階の加速調整を搭載。最高速度は原付一種仕様で30km/h、航続距離は30kmと、長距離の走行は困難ながら、ちょっとした近隣の散策や買い物には充分な性能といえるだろう。もちろん家庭用電源での充電が可能で、バッテリーは脱着式となる。満充電は3.5時間だ。
このため注目度もとても高く、先行して募集された台数限定の抽選販売では、300台の販売枠に対して1200名もの応募があり、すぐに売り切れてしまった。これに応じてストリーモは、7月上旬より第2次抽選販売を予定している。こちらも台数は300台で、特小原付仕様が250台、原付一種仕様が50台となる。また販売価格も発表されており、特小原付仕様は30万円。原付一種仕様が30万5000円となっている。

操作系はほとんど自転車と同じくらいシンプル。原付一種仕様ではここに警音器、ミラーが追加される。

特小原付、原付一種仕様ともにウィンカーを装備。灯火は小型だがフルLEDで、明るさはスポーツサイクル程度。

バッテリーは脱着でき、家庭用電源で充電が可能だ。満充電までは3.5時間となる。

こちらは車重24.5kgの原付1種仕様のストリーモ。特定小型原付仕様より500g重いが、持ち上げることが可能だ。

ワンタッチで折りたたむことも可能。タイヤを転がしてキャリーバッグのように運ぶこともできる。とても軽々としている。写真は原付1種仕様だが、特定小型原付でも同様。

特定小型原付のナンバープレートは正方形型に小型化される。自賠責保険のシールはこのプレートでは「大田区」の上の部分に貼り付ける。
バランス制御は急停止時にも効果大!
実際に試乗してみると、慣れるまでかなり違和感のある乗り味だった、というのが第一印象。特にバイクに普段から乗っているライダーにとっての違和感が大きいだろう。というのはハンドルのロールを操作できてしまうため、バイクのようにハンドルを倒しこもうとすると、姿勢の自動制御を妨げてバランスを崩しそうになるのだ。とはいえ、慣れてしまうとまるで自動車のようにハンドルを切った方向へスイっと進むことができる。加速性もよく、スラローム走行も簡単だ。初体験の感覚だが、非常に面白い! さらに急停止時にも、バランス制御はハンドルのブレを防ぎ、ピタッと安定した制動が可能だ。ふらつきによる立ちごけはあり得ないだろう。次世代モビリティとしてのポテンシャルをしっかり感じることができた。

慣れるまでは違和感があったが、思った以上にスイスイと安定して走るストリーモ。スラロームも可能だ。

ハンドルがロールすることで、片輪だけ段差を乗り越えるような動きも可能だ。これも姿勢の自動制御でとても安定している。
ストリーモ主要諸元
・全長×全幅×全高:1090×480×1180mm
・車重:24kg【24.5kg】
・最高速度:20km/h【25km】
・走行モード:1) 6km/h、2) 12km/h【15km/h】、3) 20km/h【25km/h】
・航続距離:30km(郊外実測値)
・充電時間:約3.5時間
・価格:30万円【30万5000円】
※【】は原付一種モデル
情報提供元 [ ストリーモ ]
ギャラリーページへこの記事にいいねする