
6月16日、ハーレーダビッドソン米国本社CEOのヨッヘン・ハイム氏が来日し、日本における事業戦略をプレゼンテーションした。注目されたのは、中国で発表された353ccのX350と500ccのX500について日本導入を示唆したこと。普通免許ハーレーの現実味が大きく高まった。
ハーレーも普通免許進出でシェア拡大を狙うか
2023年3月にハーレーダビッドソンの中型モデルが中国で発表された。車名はX350で並列2気筒353ccエンジンを搭載するトラッカースタイルのネイキッドだ。さらに4月には同じく並列2気筒のX500を発表し、一挙に2車種のミドルレンジをラインナップした。
X350は2019年からその存在がイラストなどで公開されていたが、日本での発売については長らく否定されてきたモデル。それが、中国での正式発表を経てついに米本国の社長が日本戦略の一環として「日本での発売も検討している」と明言した。
ヨッヘン・ハイムCEOは、日本へ導入するモデルがX350、X500の両方になるのか、どちらかになるかは明確にしていない。だが、近年のハーレーはアドベンチャーモデルのパンアメリカ1250を発売するなど新規需要創出に積極的なので、まずはX350導入の可能性が高い。
情報筋によると2022年の1万台達成を経てハーレーは日本で1万5000台の販売を目指すとしているので、これを達成するために普通二輪免許ライダーをターゲットすることは有効。さらにレブルのようにX500の導入もあり得るだろう。

X350 [HARLEY-DAVIDSON] 現行ハーレー最小排気量となる353ccの新型スポーツモデル。スタイリングは70年代のフラットトラッカー「XR750」をイメージしている。

水冷並列2気筒DOHC353ccのエンジンは36.7PSを発揮。サスペンションのレイアウトなどは、銭江モーターが製造を手がけるベネリ「302S」と同様となる。

灯火類はフルLED、倒立フォークやデジタルメーターを採用し最新装備を備えるが、電子制御の情報は未公開だ。

X500 [HARLEY-DAVIDSON] X500も銭江モーターが手がけるベネリ「レオンチーノ500(海外モデル)」と共通スペックとなる。並列2気筒500ccは最高出力35kW(47PS)を発揮する。

日本の報道陣を前にプレゼンテーションするヨッヘン・ハイムCEO。Xシリーズ以外にも電動のライブワイヤーの日本導入にも意欲を示していた。こちらもの続報に期待したい。
X350中国仕様主要諸元
・全長:2110mm
・ホイールベース:1410mm
・シート高:817mm
・車重:195kg
・エジンン:水冷4ストローク並列2気筒DOHC 353cc
・最高出力:36.7PS/rpm
・最大トルク:3.16㎏-m/7000rpm
・燃料タンク容量:13.5L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70ZR17、R=160/60ZR17
X500中国仕様主要諸元
・全長:2135mm
・ホイールベース:1458mm
・シート高:820mm
・車重:208kg
・エジンン:水冷4ストローク並列2気筒 500cc
・最高出力:35kW(47.0PS)
・最大トルク:46Nm(4.69kgf-m)/6000rpm
・燃料タンク容量:13.0L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-ZR17/58W、R=160/60-ZR17/69W
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ライブワイヤー(250ccクラス登録になる!)が、このスタイリングで登場するなら興味あるな。
日本のハーレー乗りは、排気量至上主義で迷惑な爆音を轟かせることをカッコいいと思ってる人種が多いので、日本ではあまり売れないと思う。
ベースはベネリだったのですね。そう言われてみれば外観もベネリに見えてきました。
水冷、並列二気筒、DOHCエンジン、中国製造でベネリと共通、という時点で、ハーレーじゃないな、と思う輩は多いのでは。