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国内では16年ぶりとなるエリミネーターの復活

左がエリミネーターのスタンダード仕様で、右が上級仕様のエリミネーターSE。

左がエリミネーターのスタンダード仕様で、右が上級仕様のエリミネーターSE。

 

80年代に登場したエリミネーター。900、750、400、250とさまざまな排気量サイズでバリエーション展開した人気モデルだったが、日本国内では排ガス規制強化によるインジェクション化の波に乗れず、2007年モデルのエリミネーター250Vで販売終了。2023年4月25日に発売が開始された新型のエリミネーターで、約16年ぶりにエリミネーターブランドが復活したことになる。
エリミネーターとは、英語の「eliminate(排除)」からきており、そのマシンのキャラクターは、クルーザーかアメリカンのようなロー&ロングなフォルムながらスポーツ性を強調している。
というのも、このエリミネーターのスタイルは、0-400mのタイムを競うドラッグレーサーのスタイルを取り入れてきた経緯があり、スポーツモデルの高回転型エンジンを搭載するのが慣例。ゆったり走るのではなく、スポーティに走るのがエリミネーターのキャラクターというわけだ。
新型のエリミネーターもこのキャラクターに則って作られており、搭載するのはニンジャ400が搭載している水冷398ccの並列2気筒エンジン。最高出力もニンジャ400と同じ48PSを1万回転で発揮。なんとレッドゾーンは1200回転以上という高回転エンジンとなっている。

またバリエーションにはスタンダードに加え、上級仕様のSEを用意。このSEは、ビキニカウルやフォークブーツ、スペシャルシートといった外見上の違いだけでなく、“GPS付きのドライブレコーダー”を二輪車としては初搭載していることも見逃せないポイントだ。

エリミネーターらしいローアンドロングなスタイル

エリミネーター

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カラーリング:パールロボティックホワイト
【全長/全幅/全高】2,250mm/785mm/1,100mm【車両重量】176kg【軸間距離】1,520mm【最低地上高】150mm

ロー&ロングなフォルムの車体に、フロント18インチ、リヤ16インチのファットタイヤを装着しており400ccクラスらしい迫力ある見た目を演出。このロー&ロングなフォルムは、がっつり30°も寝かせたフロントフォークによるところが大きく、軸間距離は1,520mmとこのクラスにしてはかなりのロングホイールベースになっている。

【販売価格】759,000円(税込)

エリミネーターSE

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カラーリング:メタリックマットカーボングレー×フラットエボニー
【全長/全幅/全高】2,250mm/785mm/1,140mm【車両重量】178kg【軸間距離】1,520mm【最低地上高】150mm

スタンダードとの違いは、カラーリングがマット系のブラックになり、往年のエリミネーターの“SE”を想起させるビキニカウルを装着。シートも高級感あふれるレザー仕様となり、フォークブーツも追加。このほか電装系の装備として、防水設計のUSB Type-C電源ソケット、ミツバサンコーワと共同開発した前後カメラ仕様のドライブレコーダーが追加されている。

【販売価格】858,000円(税込)

カワサキの500cc以下のモデルで一番足つきがいい

【シート高】735mm

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シート高735mmという数値は、カワサキの500cc以下のモデルで一番シート高が低い設定。172cmの筆者がまたがると、かかとがベッタリとつき、かなり膝にも余裕ができる。これなら初心者にも安心だろう。ミッドコントロールのステップは意外とスポーティな走りもできる。

【ローシート】715mm

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純正比-20mmで715mmの超低シート仕様になるローシート(4万4900円)(価格が見直され、2万2000円となった。2023/06/19)もアクセサリーとして用意されている。シートが20㎜も下がると、さらに安心感アップ! ライディングポジションもさらにヒップポイントがさらに下がってちょっと膝の曲がりは窮屈になる。

【ハイシート】765㎜

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純正比+30mmのハイシート(4万4900円)(価格が見直され、2万2000円となった。2023/06/19)も用意。プラス30㎜ヒップポイントが上がるおかげで若干、上半身は前傾姿勢となりフロント荷重が増す。おかげでSTDよりさらにスポーティな走りができそうだ。とはいえ両足の踵がしっかりついて膝にも余裕は残っている。

回して走るエンジンが楽しい! -実走インプレッション-

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やはりエリミネーターといえば、迫力あるロー&ロングな車体に、ぶん回し系のスポーツエンジンを搭載する“意外に高いスポーツ性能”というところが大きなキャラクターの強みになっている。新型のエリミネーターもそんなエリミネーターらしいキャラクターを踏襲し、エンジンはロードスポーツモデルのニンジャ400のユニットをそのまま搭載。2次減速比を見てみれば、ドライブスプロケットの14丁は変わらないが、ドリブンスプロケットが2丁も大きくなって43丁になっている。これは楽しそうだぞ!と、早速ワインディングに持ち込んでエンジンをぶん回してみれば、これがかなりスポーティに走る。

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5000回転以上の域が非常に伸びやかなエンジン特性で、唸るようなエンジン音とともにかなり攻めている気分を味わわせてくれる。またコーナーの進入では、ニンジャ400譲りのアシストスリッパークラッチにものを言わせて思い切ったシフトダウンも可能。持ち前の高回転域を存分に活かしたスポーティなコーナリングが可能となっている。

車体やブレーキの性能に関しても、しっかりエンジンの高回転域を使った走りに見合うような性能が与えられており、ブレーキングからコーナー脱出まで、ワインディングレベルのスポーツ走行においては車体に不安なところがいっさいないのが頼もしい。新型のエリミネーターは紛れもなく旧来からのエリミネーターのキャラクターを引き継いでいることがわかった。

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ただ、その一方で感心させられたのは、高回転域と低回転域の両方の領域で走りをしっかり作り込んでいるというところだ。高回転域を使ってエリミネーターらしくスポーティに走るだけでなく、低回転域ではしっかりとトルクがあり、扱いやすさも持ち合わせている。

最新のインジェクション車であり、そのエンジンマネジメントによるところが大きいと思うが、Uターンや低速発進時もエンストしにくく、また高速道路では、3~4000回転くらいの低めの回転域を使ってゆったり巡航するするような使い方もしっかりできるようになっている。この回転域を使えばゆったりと高速道路をクルージングすることも可能だ。

現代に蘇ったエリミネーターは、エンジンをギャンギャン高回転域まで回して楽しむ“エリミネーターらしさ”だけでなく、万人に扱いやすいようなフレンドリーさもしっかり持ち合わせている。ここまでシートが低くて足つきがよく、極低速域が扱いやすいキャラクターなら、バイクの免許取り立ての初心者にも安心してお勧めすることができる。

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ディティール

ヘッドライトの光源は当然LEDでウインカーもLED仕様。φ130mmヘッドライトは、ローでもハイでも全点灯しているように見える工夫が盛り込まれている。

ヘッドライトの光源は当然LEDでウインカーもLED仕様。φ130mmヘッドライトは、ローでもハイでも全点灯しているように見える工夫が盛り込まれている。

 

フロントタイヤのサイズは130/70-18と、このクラスのフロントタイヤとしてはかなり太めで迫力がある。

フロントタイヤのサイズは130/70-18と、このクラスのフロントタイヤとしてはかなり太めで迫力がある。
【フロントタイヤサイズ】130/70-18
【リヤタイヤサイズ】150/80-16

 

ハンドルは往年のナローな一文字スタイルではなく、アップライトなポジションを作るため幅広タイプとなっている。左右の切れ角は35°を確保。

ハンドルは往年のナローな一文字スタイルではなく、アップライトなポジションを作るため幅広タイプとなっている。左右の切れ角は35°を確保。

 

ニンジャ400の水冷398cc並列2気筒エンジンを搭載。70.0×51.8mmのショートストロークからくる伸び上がるようなエンジンフィーリングをこれでもかと味わえる。

ニンジャ400の水冷398cc並列2気筒エンジンを搭載。70.0×51.8mmのショートストロークからくる伸び上がるようなエンジンフィーリングをこれでもかと味わえる。
【エンジン形式/排気量】水冷4ストDOHC並列2気筒/398cc
【変速機構】リターン式6段変速
【最高出力】48ps/10000rpm
【最大トルク】3.8kg-m/8000rpm

 

ニンジャ400の2次減速比が14/41丁なのに対し、エリミネーターは14/43丁とさらにパワー型の設定になっている。

ニンジャ400の2次減速比が14/41丁なのに対し、エリミネーターは14/43丁とさらにパワー型の設定になっている。
【フロントブレーキ】片押し2ポット/ディスクφ310mm
【リヤブレーキ】片押し1ポット/ディスクφ240mm

 

往年のエリミネーターのスタイルを踏襲した横型のテールランプ。一眼でエリミネーターをわかる部分だ。

往年のエリミネーターのスタイルを踏襲した横型のテールランプ。一眼でエリミネーターとわかる部分だ。

 

スタンダード、SE共にETC2.0の車載器を標準装備し、メーター周りにインジケーターも備える。

スタンダード、SE共にETC2.0の車載器を標準装備し、メーター周りにインジケーターも備える。

 

前部をしっかり絞り込んだ鞍型シートを採用。おかげで足つき性がものすごくいい。パッセンジャーシートは取り外せばすっきりとしたソロシートスタイルになるようになっている。

前部をしっかり絞り込んだ鞍型シートを採用。おかげで足つき性がものすごくいい。パッセンジャーシートは取り外せばすっきりとしたソロシートスタイルになるようになっている。

 

アメリカンのように足を前に投げ出すのではなく、手前に足を置く、ミッドコントロールのステップを採用。おかげでしっかりマシンを操れる。

アメリカンのように足を前に投げ出すのではなく、手前に足を置く、ミッドコントロールのステップを採用。おかげでしっかりマシンを操れる。

 

リヤタイヤは小径16インチ仕様。サイズは150/80-16で小径のためかどことなくファットタイヤ風に見える。

リヤタイヤは小径16インチ仕様。サイズは150/80-16で小径のためかどことなくファットタイヤ風に見える。

 

燃料容量はちょっと少なめの12ℓ(レギュラー)だが、WMTCモード値燃費は25.7km/ℓと非常によく、計算上の航続距離は308.4kmとなる。

燃料容量はちょっと少なめの12ℓ(レギュラー)だが、WMTCモード値燃費は25.7km/ℓと非常によく、計算上の航続距離は308.4kmとなる。

 

SEには、ビキニカウル(ヘッドライトカウル)&フォークブーツを装備。丸型ロケット形状はかつてのエリミネーターの“SE”仕様の定番スタイル。

SEには、ビキニカウル(ヘッドライトカウル)&フォークブーツを装備。丸型ロケット形状はかつてのエリミネーターの“SE”仕様の定番スタイル。

 

上級仕様のSEのシートは、上面の表皮にパンチング風のデザインと上縁ステッチが施されており高級感あふれる。

上級仕様のSEのシートは、上面の表皮にパンチング風のデザインと上縁ステッチが施されており高級感あふれる。

 

SEには防水設計のUSB Type-C電源ソケットを装備しており、スマートフォンの充電もバッチリ。

SEには防水設計のUSB Type-C電源ソケットを装備しており、スマートフォンの充電もバッチリ。

 

GPS付きのドライブレコーダーとしては世界初搭載の装備で、事故時の証拠としてはもちろん、SNSなどに走行動画を上げやすい。フロントカメラはビキニカウル下部に、リヤカメラはナンバーステー左側に装備。右側はGPSのアンテナとなっている。

GPS付きのドライブレコーダーとしては世界初搭載の装備で、事故時の証拠としてはもちろん、SNSなどに走行動画を上げやすい。

 

リア側カメラ

フロントカメラはビキニカウル下部に、リヤカメラはナンバーステー左側に装備。右側はGPSのアンテナとなっている。

撮影地「道の駅木更津 うまくたの里」

今回、のどかな風景を見せてくれた撮影地は千葉県の「道の駅木更津 うまくたの里」。2017年に木更津市初の道の駅としてオープンした施設で、ローカルな名産品が約2000点も並ぶショッピングコーナーが大人気。地元農産物を使ったワンプレート料理とポットパイの専門店「のうえんカフェレストラン &TREE」でゆったり過ごすこともできる。

アクセスは圏央道「木更津東IC」出口すぐ。国道410号線沿いで、営業時間は9:00~17:00(年中無休)。

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エリミネーター/SE主要諸元

・全長×全幅×全高:2250×785×1100/1140mm
・ホイールベース:1520mm
・シート高:735mm
・車重:176/178kg
・エンジン:水冷4ストローク並列2筒DOHC4バルブ 398cc
・最高出力:48PS/10000rpm
・最大トルク:3.8kg-m/8000rpm
・燃料タンク容量:12L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=130/70-18、R=150/80-16
・価格:75万9000円/85万8000円

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