ヤマハは、一貫して製品作りの重要な要素としてデザインを位置づけてきており、これをより発展させるために2010年代に「GEN(ジェン)」シリーズを展開した。4番目の作品となる04GENは、美しさと独自性で注目されたスクーターだ。

写真:ヤマハ、ホンダ

スケルトンボディにダイキャストフレームの車体構成

ヤマハは2016年のベトナムモーターサイクルショーにスクーターのデザインコンセプトモデル「04GEN」を展示した。ファッションモデルの花道である「RUN-WAY」をコンセプトに気品と優雅さを兼ね備えた女性をイメージしてデザインされており、完成車も繊細な造り込みが特徴となる。

車体は、動きのある形状のフレームに白鳥のようなスタイルとし、スケルトンの外装で内部の造形を表現。台形かつロー&ロングなフォルムで安定感を演出している。さらにシートには本革を採用し、新しさの中にも伝統的な素材を導入することで親近感のある仕上げとした。

ヘッドライトやテールランプはLEDと思われる光源にデザイン性の高いレンズ構造とし、スマートフォンをメーターに活用することで先進性も打ち出している。現代の新車では当たり前になりつつある、車両状況の確認もスマホでできるようにしていた。

GENは、「Genesis(先駆者)でありたい、Generate(発動)し続けたい」というヤマハの企業姿勢を表したネーミング。2014年の01GENは、2018年のNIKEN(ナイケン)に結びつく成果を残している。一方、04GENは現在に至るまで製品化されていないが、その美しさが記憶に残る幻の名車だ。

04GEN(2016年) [YAMAHA] デザインコンセプトとしてベトナムで展示されたスクーター。アジアでブランドを確立しているベスパに対抗する意図があったと考えられる。

シートは本革で高級感と温かみのあるタッチを実現。ボディはスケルトンの樹脂製でリアサスペンションやフレームが透けて見えている。

04GENのハイライトはこれ。これまで見たことのない機構で、テールカウルが鳥が羽ばたくように可動するのだ。樹脂外装には羽毛のようなパターンも刻まれている。

ハンドルも翼断面形状とし、スマートフォンをマウントしてメーターとしても活用。シートはバックスキンとの組み合わせで模様にしており、タンデムライダーの座面があるのが分かる。

ヘッドライトは5角形で上下2段式。ポジション灯やウィンカーはボディマウントしている。ヘッドライトステーは左右分割式でレバーは造り込まれた形状が美しい。

テールランプが芸術的な美しさ。かつて市販されたモデルにはないレンズ構造だ。

今のコンセプトモデルだったら電動スクーターになると思われるが、2016年時点ではエンジンが全盛。スマートな形状のマフラーにブルーコアエンジンのステッカーも確認できる。

01GENはMWT-9に発展し、NIKENに結びついた

NIKENのルーツになった01GENは、オンロード、オフロードなど様々な地形に対応する「クロスオーバー」をコンセプトに掲げたデザインスタディモデル。それを表現する面が複雑に重なり合ったシームレスなデザインと前輪2輪のボリューム感を生かしたボディが特徴だ。

01GENの翌年、ヤマハは東京モーターショーにMWT-9を出品。コンセプトは「コーナリングを再定義するCornering Master」に変更され、外観はよりNIKENに近いものになった。前例のない3輪モデルだけに、01GENの存在が「Genesis(先駆者)」の役割を果たしたのだ。

01GEN(2014年) {YAMAHA] 同年の3月にトリシティが発売されたタイミングで3輪モデルの新たな方向性が示された。オフを意識したフェンダーやハンドガードが付いている。

MWT-9(2015年) [YAMAHA] 01GENから1年後にはMWT-9に発展。コーナリングマスターの走りを視覚化したデザインコンセプトは「轟」。01GENと変わり、鋭い印象になった。

NIKEN(2018年) [YAMAHA] ナイケンは「かつてない走りを予感させる斬新かつ未来的なスタイル」を目指したもの。01GENを起点に3輪の性能面を表現するデザインに変化したようだ。

スケルトンといえばiMac G3だがバイクにもブームが波及

おまけにスケルトンボディの前例をご紹介。04GENから遡ること16年、2000年3月にホンダのジュリオスケルトンが3000台限定で発売。矢継ぎ早にライブディオZXスケルトンも5000台限定で発売された。それぞれ、1999年の東京モーターショーに参考出品され、反響を得ていた。

というのも、当時はスケルトンボディで話題をさらった1998年発売のiMac G3が大ブームとなっており、ゲーム機や携帯電話、腕時計などの電化製品でスケルトンブームが発生。これが50ccスクーターにまで波及したのだ。04GENはそれ以来の久しぶりのスケルトンバイクだった。

ライブDio ZXスケルトン [HONDA] 全面スケルトンボディに驚き。写真のサイバークリアレッド以外にサイバークリアブルーも用意。価格は18万4000円で通常版の5000円アップだった。

ジュリオ スケルトン [HONDA] 部分的にスケルトン外装を採用。写真のシュガークリアミントグリーン以外にシュガークリアオレンジも用意。価格は17万4000円で通常版より5000円安かった。

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コメント一覧
  1. Autista より:

    ガルウィングですか。
    筆者はガルウィングの定義を知っていながら、あえてわかりやすいからタイトルに使っているのかも知れないが、()で但し書きでもしとかないと間違った知識を広める事にならないかな。
    それはジャーナリストとしてどうなの。

  2. 猫乃家彦兵衛 より:

    オーラバトラーみたい。

  3. 匿名 より:

    コオロギっぽい

  4. 匿名 より:

    え、羽みたいなの上げて走るメンタルから鍛えないとね。

  5. 始まりのコンボイ より:

    月光蝶であーる

  6. 匿名 より:

    こんなどうでも良いクレーム(揚げ足とり)が世の中をおかしくしてる。
    別に誰かが困る事でもないエンタメニュースは細かい所を指摘しないで単純に『そうなんだぁ~』で良いのでは?
    心を広く皆にやさしくしましょうよ。

  7. 匿名 より:

    後ろ姿はカマキリに見えた

    しかし開くからどうというのか
    走れば内側は砂まみれになるぞ

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