
市販車として並列6気筒エンジンを採用している例は非常に少ないうえ、空冷となると唯一無二の存在と言えるホンダCBX1000。
今でも根強い人気を誇るCBX1000を、高品質かつ最高級なパーツ造りで定評のあるBITO(ビトー)R&Dが自社取扱い製品を投入してフルカスタム、大阪MCショー会場にデモ車として展示していました。
上品なカスタムを身上とするビトーらしく、貴重なCBXのオリジナリティを損ねないように丁寧なカスタムが施されているのが特徴です。
つまり、派手なパーツでいかにもな外観にはせず、ノーマルのCBXの雰囲気を可能な限り残したまま現代の最高級パーツを違和感無く組み込むという、いつものビトーらしい仕上がりになっていました。
美しさと迫力と性能が同居しているエンジン周り
エンジン本体の外観に大きな変更はありません。
ノーマルの美しい造形を生かしたままですが、吸排気系は刷新。
3連x2というCBXだけのレイアウトを持つ自慢のFCRを丁寧に装着し、美しい曲線を描く自慢の手曲げフルチタンエグゾーストで排気。
6本のエキパイが並ぶ様は並列6気筒ならではで、誰もが素晴らしいと思える造形美となっています。

クラッチカバーがポリッシュ仕上げとなっている以外、エンジン外観に大きな変更はない
クランクシャフト横にあるアルミ削り出しクランクサイドカバー(税込¥27500)は万が一の際に貴重なエンジンをしっかりガード
中身はφ67mm鍛造ピストンキットとクロモリ鍛造コンロッドで武装した1130ccにチューンされている

フレームからエンジンを吊っているように見えるエンジンマウントセット(税込¥55000)は非常に手の込んだアルミ削り出し製
アンダーパイプの存在しないCBXでは車体剛性の向上に欠かせないパーツの一つだ
端面が単なる平面になっておらず、凸リブを設ける事で美観と剛性向上を遂げている
エッジも45度面取りではなく、角を丸められた独特の処理となっている

6本のエキパイが綺麗に並んでいるが、集合部に向かって微妙な曲げの違いで等長となっているのが垣間見える
どの角度から見ても6本のエキパイが綺麗に並んでいるにもかかわらず管長を等しくするのは至難のはず
エンジン上部に見えるのオイルクーラーキット(税込¥132000~)は9インチ13段
最大の特徴は非常に珍しいラバーバンド固定式を採用してクラックの発生を抑える設計になっていること

非常に高品質なJB-POWER チタン手曲げフルエキゾーストマフラー(税込¥330000)、デモ車に装着されていたのは通常タイプのサイレンサーだった(メガホンタイプも選択可能)
恐るべき事に同一クオリティの左右2本出し仕様(税込¥440000)も存在する
テールピースの溶接の美しさや端部の処理など、わかる人が見れば驚愕する高品質仕上げだ

6連装されたFCRキャブレター(税込¥421300)がとても目立つエンジン後方からの眺め
センターにあるカムチェーンを避けつつニーグリップ時に膝と干渉しないように、3連装キャブを角度を変えて2連装する特殊な構造になっている
角度の違うキャブレターの同調を取るために等速ジョイントを中央に持つが、残念ながらタンクを外さないと見えない
ブラックアルマイトボディ(税込¥451000)の他、時代に合わせたCRキャブレター(税込¥335500)も用意がある
フロント周りは総交換してあるが・・・
フロントフォーク、ホイール、ブレーキローター、ブレーキキャリパー、フェンダー、アクスルシャフトが交換されており、純正部分を探す方が大変なほどの大改造が施されていました。
しかし倒立フォークや派手なカラーアルマイトなどは使われておらず、とても落ち着いた雰囲気になっているのがビトー流の仕上がりです。

フロントフォークはΦ41 スペシャルフロントフォーク(税込¥220000~)を採用しているものの、アウターカラーに敢えてシルバーを選択する事で純正の雰囲気を出している
本来GPZ900Rにボルトオン装着できるように設計された物を流用しているので、無電解ニッケルメッキ仕上げの中空クロモリ製アクスルシャフト、φ320mmの6ポッド用鋳鉄ブレーキディスク(税込¥82500/片側)、 マグネシウム鍛造「MAGTAN (マグ鍛)JB4」ホイール、オリジナルキャリパー(税込¥107800/片側)、キャリパーサポート(税込¥55000)もこれに合わせてあるはずだ

デモ車はフロント周りを総交換してある特別仕様だが、ビトーではCBX用としても各種用意されているので、通常はCBX専用品を使用すれば良い

ライト周りもさりげなく見えるが、実際はとんでもなく豪華な仕様
ステム、ヘッドライトステー、ウインカーステーなどは市販されていないワンオフ
実際にはとても豪華な仕様なのだが、センスが良いので違和感はない

ブレーキ側も大カスタム車とは思えない落ち着いた仕上がりになっている
マスターシリンダーは当時の雰囲気を重視してAPレーシング(APロッキード)製(税込¥115500)を採用しているのが渋い
ブレーキホースもステンレスメッシュに交換されているが、昔ながらのコンパクトなフィッティングと黒いホースカバーによって敢えて純正風に仕上げている

ハンドル周りの眺めはフルカスタム車とは思えない純正風
しかし良く見ると削り出しのステム(可変オフセット式)や、APレーシングのマスターシリンダーで只者ではない事がわかる
間もなく新登場?初お披露目のスイングアーム
今回のデモ車はその存在だけでも素晴らしいのですが、目玉として新作のアルミスイングアームを装着していました。
まだラインナップに無いこのスイングアーム、早く製品化される事を願うばかりです。

ビトーの扱う各種製品が収められた棚
他社ブースの展示台と雰囲気が全く異なり、ボルト剥き出しの無骨な展示台となっていた
収められているパーツが繊細でないとできない技だ

これが新作のスイングアーム
角のシャープなエッジと側面に掘り込まれた『JB-POWER』の刻印が特徴
チェーンケースの形状は純正と異なる専用品だ、スイングアームとセットの販売になるのだろう
ステーの形状などはワンオフ感が強いので、製品化の際には仕様変更があるかもしれない

チェーン引き部分をアップにした画像がこちら、スライダーブロックまで含めて全てアルミ削り出しで、クイックリリース仕様になっているのが見える
アクスルシャフトを引き抜いてもブロックが落ちたり外れたりしないうえアクスルナットを締める必要も無い、耐久レーサーと同じ構造だ

あらためて全景を振り返る
CBXと言えば2本サスのイメージが強いが、この車体はモノサスを採用している後期型だ
純正の大型フロントカウルを取り去る事で誰もが想像するCBXの形にしている
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