文/Webikeスタッフ:アキヒト

【カワサキ ニンジャ1000SX】
ディテール&試乗インプレッション

スポーツツアラーモデルとして絶大な人気を誇るニンジャ1000でしたが、2020年4月にシリーズ4代目となるフルモデルチェンジをはたして新登場。今回のモデルチェンジに合わせて名称も新たに「ニンジャ1000SX」へと変更しています。大きな変更点としてクルーズコントロールやクイックシフターと言った電子制御が追加となり、さらに充実の装備となりました。

今回はこの新型ニンジャ1000SXと試乗と従来モデルとの違いについてインプレしていきたいと思います!

軽快感が増したスタイリング

【全長/全幅/全高】

ニンジャ1000SX:2,100mm/830mm/1,190(1,225)mm
ニンジャ1000:2,100mm/790mm/1,185(1,235)mm
※()内はスクリーンがハイポジション時

【車両重量】

ニンジャ1000SX:236kg
ニンジャ1000:235kg

従来モデルとの外観の大きな違いは、マフラーのレイアウトがこれまでの2本出し(出口は4つ穴)から片側1本出しに変更されました。従来モデルの2本出しはリアビューの迫力がありましたが、片側1本出しになったことで軽快感が増し、よりスポーティな印象が強くなっています。
空力面では引き続き可変式のスクリーンを採用し、ビッグバイクの宿命ともいえるエンジンで熱せられた空気も、ライダーに当たらないように外側へと流れるカウルデザインにより快適性を向上させています。

足つき・ポジション

【シート高】

ニンジャ1000SX:820mm
ニンジャ1000:815mm

【足つき】

直列4気筒エンジンとボリュームのあるタンクにより足つきはあまり良くないかなと思っていたところ、足つきは両足の踵が少し浮くくらいでした。従来モデルよりも5mmほどシート高は上がっていますが、支える上で大きな影響は感じませんでした。

ハンドルはセパレートハンドルになりますが、スーパースポーツモデルと比べてアップなポジションになっているので、街乗りやツーリングでも窮屈と感じることはありませんでした。

▲シート高:820mm(スタッフ身長173cm)
▲シート高:820mm(スタッフ身長173cm)

試乗インプレ

従来モデルにも試乗したことがありますが、その時はデザインや走りが一新したのと併せて電子制御が初めて搭載されたこともあり、あまりの完成度の高さに驚いたことは今でも覚えています。その時のことを思い出しながら今回のニンジャ1000SXに乗ってみましたが、生まれ変わるとか進化というよりも「熟成」という言葉がピッタリのバイクでした。従来モデルの良い所はそのままに、長所ともいえるスポーツツアラーとしての快適性、操作性をさらに向上させてきました。

特に快適性の面では、新たに追加されたクルーズコントロールとクイックシフターが素晴らしい。ニンジャ1000SXが活躍する高速道路では、ただでさえ疲れにくく快適だったのに、クルーズコントロールによりスロットルの操作が不要となり手の疲れまでもが軽減されました。ワインディングや街乗りになら今度はクイックシフターが大活躍。発進と停止以外はクラッチ操作も不要でシフトアップとダウンが可能です。

元々の長所ともいえる太いトルクにより、60km/hは6速2,500回転、100km/hなら6速4,200回転程で巡行できるだけでなく、そこからスロットルを捻ればしっかりと加速する余裕もあります。多彩な電子制御も備えているので、様々な天候にも対応でき、連泊のロングツーリングなどで、日ごとにコンディションが変わる時でも心強い相棒と言えるでしょう。

ネガな部分を強いて挙げるとするのであれば、従来モデルよりも当然ながら価格が上がっていること。しかし、これだけの装備が備わっていると考えればむしろコストパフォーマンスは十分良いと言えるでしょう。結局ネガな部分とは言えませんね(笑)それほどまでに、スポーツツアラーとしての地位を盤石のものとしています。

ディティール紹介 灯火器&メーター

【灯火類】

▲ロービーム
▲ハイビーム
▲スモークレンズ
▲LEDテールランプとウィンカー

従来モデルもヘッドライトとテールライトにはLEDが採用されていましたが、ニンジャ1000SXになってウィンカーもLEDに変わりました。テールライトはスモークレンズを採用することで高級感の演出にも寄与しています。

【メーター】

▲ツーリングモード
▲スポーツモード

メーターには新たにコンパクトな4.3インチフルデジタルTFTカラー液晶パネルを採用しています。スクリーンの表示は2つのモードから選択でき、背景色も白と黒の2色から選択できます。スポーツモードでは、スロットル開度やバンク角、加減速Gなど、各センサーからフィードバックされた情報を表示します。モードや表示の切り替えは左ハンドルスイッチで行います。
また、Bluetoothによるスマートフォンとの連携が可能となり、専用のスマートフォンアプリ「RIDEOLOGY THE APP」を使用することで、スマートフォンによる相互通信が可能となります。

ディティール紹介 走行性能

【エンジン】

エンジン形式:水冷4ストローク並列4気筒/DOHC 4バルブ
最高出力:104kW(141PS)/10,000rpm
最大トルク:111N・m(11.3kgf・m)/8,000rpm

最大出力は141PSというパワフルなエンジンは、電子制御スロットルを採用したパワーの制御により全域で扱いやすくなっています。街中での低速巡航からでもスロットルを開けることでスムーズな加速を体感できました。
エキゾーストシステムは2本出しから片側1本出しに変わったものの、環境性能と気持ちの良い排気音の両立をはたしています。
従来モデルにも採用されていたアシスト&スリッパークラッチにより、シフトダウン時のバックトルクを低減しつつ、クラッチレバーの操作を軽くしてくれています。

【電子制御】

ニンジャ1000SXに搭載された電子制御は下記の6つとなります。

・パワーモード選択
・カワサキトラクションコントロール
・インテグレーテッドライディングモード
・カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム
・エレクトロニッククルーズコントロール
・カワサキクイックシフター

中でも新たに追加されたクルーズコントロールとアップダウン対応のクイックシフターにより、長距離移動時の負担が軽減され快適性が格段に上がっています。

【ハンドル】

右側ハンドルはセルとキルスイッチが一体となったデザインのスイッチボックスと電子制御スロットルを採用。左ハンドルスイッチで各種電子制御やメーターの表示切り替えを行います。さらにグリップヒーターも標準装備となりました。

【ブレーキ】

フロントブレーキは300mmのダブルディスクブレーキとラジアルマウントキャリパー、リアには250mmのディスクブレーキを採用しています。これに加えてKIBS(カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム)により、多彩な情報から最適なブレーキングをアシストします。

【サスペンション】

フロントには41mm径インナーチューブを装着した倒立フロントフォークを装備。圧側、伸側減衰力とプリロードの調整が可能です。
リアには伸側減衰力とプリロード調整が可能なリアショックを装備。プリロードの調整は別体式プリロードアジャスターにより簡単にセッティングができます。

【ホイール&タイヤ】

フロントサイズ:120/70ZR17M/C (58W)
リアサイズ:190/50ZR17M/C (73W)

ホイールはスーパースポーツモデルのようなデザインの6本スポークを採用。タイヤには新たにブリヂストン社製のスポーツタイヤ、BATTLAX HYPERSPORT S22を標準装備とすることで、高いグリップ性能と軽快なハンドリングを実現しています。

ディティール紹介 ユーティリティ

【スクリーン】

▲ローポジション
▲ハイポジション

スクリーンはライダーの好みに合わせて4段階の角度調整が可能。メーター下部のボタンを押すことで工具無しで調整することができます。

【タンク】


タンク容量:19L

19Lのフューエルタンクは、容量を確保するだけでなくニーグリップのしやすいデザインにすることで操作性の向上に寄与しています。

【シート】

▲ETC2.0を標準装備
▲グラブバー
▲ヘルメットロック

シートには長時間のライディングでも疲れにくように、反発性と形状保持性が高い高密度のウレタンクッション素材を採用。タンデムシート下にはETC2.0が標準装備となるので、納車したその日からでも高速道路を使ったロングツーリングが可能となります。他にもタンデム時に重宝するグラブバーやヘルメットロックなど、ライダーに嬉しい装備が搭載されています。

気になる販売価格

メーカー希望小売価格(消費税10%込み)

1,485,000円
※2020年10月現在

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まとめ

スポーツツアラーの完成形ともいえるニンジャ1000SXは、「カワサキケアモデル」の対象にもなっています。「カワサキケアモデル」とは、カワサキプラザの購入特典である1年目の距離無制限のロードサービスと計3年間の新車保証に加え、カワサキプラザでの定期点検5回・オイル交換3回のメンテナンスを無償で受けることができます。ハイテクマシンなだけに、メンテナンスにも気を遣ってあげたいですね!

撮影協力:カワサキモータースジャパン

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カワサキ ニンジャ 1000SXの価格情報

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