中国の電動クレーンメーカーが電動バイクブランド「GOWOW(ゴーワオ)」を新たに展開し、オフロードバイクのORI(オーリ)を発売した。日本への輸入はモータリストが行っており、早速試乗することができた。

取材協力:モータリスト

意外とよく走る! 超軽量なので初心者でも楽しめそう

浅間火山レースの跡地であるアサマレースウェイのイベントレースで、モータリストがゴーワオ オーリの試乗会を開催した。モーターサイクルショーで展示されたばかりの電動オフロードバイクは、四角い箱に前後タイヤをつけただけのロボットのようなデザインに注目が集まっていた。

その奇抜な外観に反して、中身はよく走るオフロード。セロー250の約半分の73kgの超軽量な車体に強力なモータートルクで走りは爽快。シート高は890mmと決して低くはないが、足を着きながらの2輪2足走行も可能で、難所でもあまり苦労せずにクリアすることができる。

そして、電動ならではメリットは、「ギアチェンジが不要」「エンストしない」なところ。シフトダウンが不要でかつ左手でリアブレーキができるのでコーナリングが楽になる。また、難所でもクラッチミートが不要でエンストと無縁なので電動が有利だ。

フロントが19インチなので小回りが利く分オフロードではフラつきやすいが、一般道では軽快さが増すはず。ストレートでは、ゼロ発進から力強く加速し最高速の100km/h近くまで切れ目なくスムーズ伸びていくので、公道でも不足を感じることはないだろう。

ORI [GOWOW] 中国北京にあるMODE社による初の電動バイク。四角いボディにはバッテリーとモーターがセットされている。日本での価格は121万円でモータリストが販売している。

フロント倒立フォークにリアはボトムリンクのモノサスを採用。125ccクラスのオフロード車のサイズでピークパワーは12.24PSを発揮する。カラーリングはホワイトのみ。

アルミツインチューブフレームがバッテリーを挟む。ダウンチューブもあり剛性に不安はない。前後サスは210mmのストローク量で、通常のオフロード走行で底付くことはなかった。

ブレーキは前後とも小型の4ポットキャリパーをラジアルマウントしている。ディスク厚は2.8mmと薄く自転車用のものに近いが、制動力や安定性に不安はなかった。

車体から突き出たワイドステップは位置も自然でグリップ力も高かった。左右ともチェンジペダルやブレーキペダルはないので、シンプルさが際立っている。

ワイドなテーパータイプのバーハンドルを採用。超コンパクトな4連ヘッドライトはハイ/ローに切り替えることもできる。ゼッケンプレートもあり、レーサーのようなデザインだ。

フラットなシートとリアフェンダーの間にテールライトがセットされている。ナンバープレートも取得可能で、区分は原付2種となる。

超小型メーターもシンプルデザイン。パワーモードや最高速を調整するギアのセッティングも可能だ。中国ではスマホのアプリにも対応している。

身長170cmの足つき性は少しかかとが浮く程度。幅が超スリムなので890mmのシート高以上に足つき性は優れているだろう。

それなりのスピードが出るので、オフロードではフロント21インチ仕様があるとよさそう。街乗りではむしろ19インチの方が軽快で楽しめるだろう。

GOWOW ORI主要諸元

・全長×全幅×全高:1900×780×1100mm
・ホイールベース:1275mm
・シート高:890mm
・車重:73kg
・ピーク電力:9kW(12.2PS)
・駆動輪トルク:42.84kg-m
・航続距離:100km
・バッテリー容量:2833.9wh
・充電時間:3.5h
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディクス
・タイヤ:F=70/100-19、R=3.50-18
・価格:121万円

バッテリーは着脱式。重さは10kg以上の手応えがあった。写真は輸入元であるモータリストの野口社長でオフロード好きとして有名。オフ性能についても野口社長自ら見極めている。

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