
現在の軽二輪クラスのスクーター市場で一大勢力となっているのが150㏄前後の中間排気量モデル。このクラスは日本のみならず世界各国で活躍している。使い勝手のいいサイズ感のミドルスクーターの実力をレポートするぞ!
文:横田和彦/写真:関野 温キビキビと街を駆ける高機動なスクーター
ヤマハがリリースするスクーターの中で、近未来的なフォルムとスポーティな走りを両立しているのがMAXシリーズだ。実用一辺倒なスクーターとは異なり“積極的に走る”ことを重視したモデルは“オートマチックスポーツ”というジャンルを確立させた。
そのMAXシリーズの末っ子であるNMAX125が日本にデビューしたのが2016年のこと。クラスを超えた車体の剛性感や軽快なフットワークに感心したのだが、翌年に共通の車体を使った兄貴分のNMAX155が登場。そう、上位モデルと共通の車体だったため高い剛性感があったのだ。
そしてNMAX155は2022年にフルモデルチェンジを敢行。車体デザインは一新され、LEDヘッドライトを採用しより質感が高いスタイルになった。シリンダーヘッドなどを見直した新型のブルーコアエンジンは、最新の排出ガス規制に適合させつつアイドリングストップの導入などで燃費を向上。フレームも新設計し軽量キャストホイールを採用するなど、変更点は多岐にわたる。先代のNMAX155の車体剛性感やスポーティなハンドリングには好感を持っていたので、モデルチェンジでどう進化したのか興味津々で試乗をスタートした。
125㏄クラスと同レベルの車体にまたがると凝縮感が伝わってくる。スリムで軽量、軽二輪とは思えないサイズ感だ。セルボタンを押すと瞬時にエンジンが始動。アクセルの開閉に忠実に対応し軽く吹け上がる。微振動も最小限で、低回転域からスムーズなパワーフィーリングで軽量な車体を押し出していく。中間加速もスムーズでストレスなく交通の流れに乗れ、ペースを合せて巡航可能。前が開けたときにアクセルを大きく開けると鋭くダッシュしていく。エンジンのフィーリングや扱いやすさは、先代よりもさらに洗練されていると感じた。
情報提供元 [ タンデムスタイル ]
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