
目次
W800(773cc)
オーナー:アイボールさん
ウェビックコミュニティに投稿されているMYバイクを毎週1台紹介するこのコーナー。今回紹介するモデルはカワサキ「W800」、オーナーは「アイボール」さんです。
空冷モデルが消滅し続ける現代において、カワサキがいまだ守り続けているシリーズ「W800」。そのスタイルのルーツは1965年に発売された「カワサキ500メグロK2」からきており、60年近い歴史を持っています。エンジンの設計や構造は進化しつつも、「空冷並列2気筒」の大排気量ロードスターというアイデンティティは不変。
今回紹介する「アイボール」さんのW800は、現行モデルの1世代前にあたる(EJ800A)2016年式で、「W650」搭載のベベルギア駆動のOHCエンジンを排気量アップ&改良し、インジェクション化しているモデル。アイボールさんはこのW以前には、カワサキ「エストレヤ」とヤマハの「TRX850」(こちらも並列2気筒の名機ですね!)を所有していたものの、不慮の事故や譲渡により手放したのち、「昭和チックでわかる人にはわかる」Wを入手されたとのこと。
幼少の頃に乗った「自分のオートバイの原点」と振り返るメグロK2の雰囲気が、今なお残るWのサウンドは「最高の音を奏でながらのゆっくり下道ツーリングは本当に癖になります」と、マフラーをアールズギア製フルエキゾーストに換装し楽しまれている様子。そのインプレッションはなんと2800文字に及ぶ投稿で、心からWを愛好されていることがよく伝わってきます!
もちろんよいことばかりではなく、Wを所有するうえでの困った点や注意も丁寧にしたためてもらっており、「Wのスタイルが気になるけど、どんなバイクなのかな?」とこれからWを入手したいオーナーにも、とてもためになるインプレッション。アイボールさんにはこれからもじっくりWを熟成させ、沢山の思い出を作っていっていただきたいですね!

2011年から販売されていたW800(EJ800A)。現行モデルとはホイールサイズが異なり、フロント19インチで鷹揚な走行性能を発揮。エンジン出力は48ps/6500rpmとビッグバイクの中では控えめですが、メグロ時代からの空冷ツインを今に伝えるヒストリックな味わいはファンも多し。

「日本の原風景に馴染むデザインフォルムやエンジンを始め造形の素晴らしさ、エンジンを止めた時のフィンやエキパイ等が奏でるキンキンチンチン音もこれぞ空冷という趣き……」というアイボールさんのコメントの通り、威圧感のないスタイルはどこへ行っても馴染んでしまいます。

Wと風景写真を撮るという趣味が新たにできてしまったアイボールさん。美しいスタイルを大事にされたまま、カスタムも工夫させる予定だとか。
<MYバイクコメントより>
■購入動機・用途・比較車種
住居地から置き場の都合で一台にと!どちらにするか迷っているうちに、何とTRXが工事車輌の餌食に!同時にエストレヤも引っ越す御世話になった住人から是非とも譲って欲しいと!
年式の新しいTRXを探しましたがなかなか気に入らず・・・大分球数も減ってしまいました。
次のバイクはと、エストレヤの乗り味が気に入って、兄貴分のWはどうかなぁと、まだちょっと終のバイクには早いとも考えましたが、ちょうど良い出物が目の前に!限定300台って人気が有る筈がWらしくないとの理由で実は無いとの事しかし、気もひかれて自分の計画では空冷大型はまだまだ早いのですが、昨今の名車カタログ落ちやらの生産中止嵐もあり、思いきって前倒しで購入。
欠点も多いけど、そこが昭和チックでわかる人には解ると言うか、そして機械っぽくて人間に寄り添うような対話の出来るオートバイです。
そんな存在感のある、一台で何でも出来るW800に気持が決まりました、考えてみると縁深くて、人生の約50年前のオートバイの原点だったバーチカルツインの本命に乗ることになったのです。
■長所
幼少の頃に乗せて貰ったK2の流れを汲むツインの音が最高に抜群です。
自分のオートバイの原点である、叔父の思い出とともに甦る懐かしいデザインも最高です。
大きさ、重さを感じない取り回しの良さ、燃費の良さや不安を感じない高次元の車体バランスはそこそこ、安定感のあるフロント19インチのコーナリングも楽しめる懐の深さ。
欠点と言われるブレーキですがデイトナやSBS等の高性能なパッドに交換すると、なかなか節度感があって不満が無くなります。
しかもステンメッシュホースは必要なく、しかも似合わない(と思う車種なので(汗))ので、ゴムホースでと考え交換しないで行きたいと、私の場合はそこそこ効きの良いパッド+純正ホース仕様でちょっと良い感じ。
日本の原風景に馴染むデザインフォルムやエンジンを始め造形の素晴らしさ、エンジンを止めた時のフィンやエキパイ等が奏でるキンキンチンチン音もこれぞ空冷という趣き、圧倒的な存在感の元祖日本車と言う雰囲気です。
ツーリング合間やWと風景写真を撮る趣味が新たに加わってしまいました。
しかも雨の日や自粛期間で磨いても整備して楽しめるオートバイなんて・・・エストレヤもそうでしたが、メカ的にもW800の方が重厚な佇まいです、ここはさすがに兄貴分です。
何より最高の音を奏でながらのゆっくり下道ツーリングは本当に癖になります、飛ばさなくても心が満たされるそんなオートバイです。
■短所
一番の欠点と言えば、まず夏の暑い時期は内股が灼熱地獄化します。
真夏に高速走ればほぼ油温120度もなる場合も、とにかく真夏に温風ファンヒーターに股がっているような印象です。
次に持病のオイル吹き、当初は結構苦労しました。
これは固めのオイルと適正よりオイル容量を少なめにする事で概ね改善できます、またマニュアル通り前後のタイヤを地面に接地した状態でのオイル量測定が肝心です。(センタースタンドかけた状態での測定は、オイル測定窓の半分程度でも既に上限オーバーになるかと思います)
オイル入れすぎによるエアーエレメントへのオイル浸しは気をつけて行かないとなりません。
実はこれ、カワサキ品証窓口もディーラーも同様に口にしていました。
今では苦労したことが嘘のように安心して、ライディングに集中できるようになりました。
そうは言っても所詮空冷です、真夏の高速連続走行は苦手なので、休憩を小まめに取るよう計画的に走行する余裕が必要と思います。
あとは乗り換え当初、バンク中にすぐ擦ってしまうステップ、リターンスプリングが弱く突然跳ね上がるので驚きました。
現在は流用部品で対応仕様に変更しました。
この辺りはやはりカワサキのオートバイらしいと言えばそうかもしれません。
振動は古いエンジンでもあり、本物の古いオートバイ程ではありませんが、現代のバイクと比べてみれば多いと感じます。
これを鼓動感とか味と捉えるか、はたまた不快感と捉えるかは個人差かと!ひとつ対策としてはアクティブのパフォーマンスダンパー装着で解消されるそう。(確かに雑味のある振動が減ります。)
個人差も有るようですが、かなりと言う位から幾分は収まる範囲まで変化があります、概ね安定傾向と鼓動感は増すようで味わい深くなりますが・・・
なんだかんだ言っても、悪い点不満な点も少しずつ自分色に合わせて付き合いながら、改良して行くとその時その時W800との思い出になり、個性とかキャラクターとして付き合うマシンなんだと気がつくと、あとは許せてしまう不思議なオートバイかと思います。
■これから買う人へのアドバイス
とにかく下道を鼓動を感じながら、楽しむオートバイです。
私の場合は旧W800なので峠を攻めた場合にフレームの共振によるシミー現象やウォーブル現象も顔を出す場合があります。
普段から空気圧やベアリングの定期点検に各部調整と整備が大切かと思います、出てしまった時は気持ち後ろ過重やフロントの抜重、アクセルやブレーキを急激に操作せず少しずつ丁寧に操作して、急な操作をしないようにします。
秘密兵器のパフォーマンスダンパーがこれらの現象改善にはかなりの効果があります。
まあ、そこまで攻めないように本来はのんびり、景色や道、オートバイとの一瞬一瞬の時間を楽しむそんなマシンです。
パワーだスピードだコーナリングもと言う方には物足りない、ワクワクドキドキが足りないので飽きてしまうことも多くあるそうです。
あくまでも自然体で気取らずに普段着で接するようなことが似合う、気持ちも余裕を持ってのんびり乗っている事が楽しい、楽なオートバイです。
W800のユーザーレビューを確認
オーナー平均満足度3.99
評価人数: 428人
新車平均価格: 127.49万円
中古車平均価格: 99.2万円
https://news.webike.net/motorcycle/307450/
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