
2018年から国内で5年連続ベストセラーの人気モデルになっているREBEL250(レブル250)のご先祖である初代REBEL(レブル)をご紹介。日本で初めて本格的なアメリカンカスタムスタイルを実現したクルーザーで、後のブームのきっかけとなった存在だ。
初代レブルはアメリカ人が好むスタイルを徹底的に追求した
2017年に登場したレブル250の初代はアメリカのビギナー向けに開発され、1985年に日米で同時発売された。初代レブルの前にホンダや日本メーカーがラインナップしていたのは既存モデルのカスタムの範囲だったが、初めて本格的なクルーザーに変貌を遂げたのだ。
レブルを開発するにあたってホンダが目指したのは「アメリカ人が本当に好きなアメリカンカスタムでなければならない」という課題をクリアすること。そこで、クラスの枠を超えたロー&ロングの車格にティアドロップタンクやメッキを多用した装備などを盛り込んだのだ。
エンジンは1981年に発売された250T LAカスタムの並列2気筒OHC233ccをベースに低中速重視のフラットなトルク特性とした。鋼管フレームはセミダブルクレードルフレームを採用し、タンデムシートはハーレーのように鉄製のリアフェンダーに直接取り付けられている。
チョッパースタイルになるようフロントフォークは少し長めの140mmのストロークを確保。さらにリアは75mmと最低限のストローク量としてシート高は660mmに抑えている。ちなみに現行レブル250のシート高690mmなのでそれよりも足つき性に優れていたのだ。
REBEL(1985年) [HONDA] ジャメリカンなどと揶揄されていた日本のアメリカンが本格的なクルーザースタイルを獲得。1988年にはVツイン搭載のスティードに繋がっていく。
ロー&ロングのクルーザーは当時では珍しくホイールベースはビッグバイク並みの1460mmを確保。プルバックハンドルにフォワードステップで完璧なアメリカンクルーザーを目指した。
エンジンは並列2気筒OHC233ccを採用。ツインだが最高出力は21PSとレブル250の26PSよりも低い。このエンジンには125cc系もあり、海外ではCA125Tもラインナップされた。
ティアドロップタンクはシンプルな形状で容量は10Lありショートツーリングには十分。アナログ1眼のスピードメーターはメッキリングで飾られている。
ピロールックシートやリアフェンダーの上にタンデムシートを置くスタイルはハーレーダビッドソン的。わずか660mmのシート高は50ccモンキーと同じ低さだ。
丸目のヘッドライトになぜか角型のウインカーが時代を感じさせる。フロントフォークは径33mmサイズでキャスター角は32度とかなり寝かせた設定になっている。
アメリカではほぼ姿を変えずに2016年まで継続した
レブルは2017年にフルモデルチェンジし、レブル250/300とレブル500が新たにラインナップされた。レブルは日本では1996年型が最終型になるが、実はアメリカでは2016年まで継続しており、現行型と地続きの存在なのはあまり知られていない。
低シート高の扱いやすさからアメリカではバイク入門車として定着しており、レブルなら親がバイクを許可するケースがよく見られたという。その美点を受け継いだのが現行のレブル250/300で、並列2気筒のMC13型レブルは実に31年に渡りアメリカで愛されたのだ。
一方、初代が目指した「本格的なアメリカンカスタム」は、現行レブル250では脱ハーレー化が進んでいる。特徴的な形状の燃料タンクはホンダ独自のクルーザースタイルに行きついており、日本で爆発的なヒットに結びついた。こちらもまた名車として語り継がれるだろう。
REBEL(2016年) [HONDA] アメリカ仕様の2気筒レブル最終型。日本では1990年に大型ヘッドカバー、1994年に右2本出しマフラーを採用したが、こちらはほぼ初代の姿のままだ。
1985年型レブル主要諸元
・全長×全幅×全高:2115×815×1100mm
・ホイールベース:1460mm
・シート高:660mm
・車重:147kg
・エンジン:空冷4ストローク並列2気筒SOHC2 233cc
・最高出力:21PS/8500rpm
・最大トルク:2.0kg-m/7000rpm
・燃料タンク容量:10L
・変速機:5段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ドラム
・タイヤ:F=3.00-18、R=130/90-15
・当時価格:33万9000円
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>>これがレブルなの!?
むしろコレこそがレブルって感じ。
初代レブルの紹介ならゴールドリーフに触れて欲しかったな。
量産であの贅沢なペイントの採用は、もっと評価されるべき。