
日本自動車輸入組合「JAIA」により、海外バイク試乗会が開催された。特徴的なデザインが気になるライダーも多いだろうが、海外の大柄なライダー向けに作られているんじゃないの……といった不安もしばしば聞くところ。実際、シート高が高そうなモデルが多い!
今回、試乗会に参加した私は身長165cm、普段は国産アメリカンに乗っているライダー。そんな私も海外モデルに不安なイメージを持っていた。しかし実際に乗ってみると、どのモデルも意外と(!)跨がれてしまい、走れてしまってビックリ。今回は中でも、普通二輪免許で乗れるスポーツモデル、BMW「G310R」KTM「RC390」「390DUKE」の足つきとインプレッションをレポートしたい。

KTM、BMW、ハーレー、ロイヤルエンフィールドといった有名メーカーが勢ぞろいした海外バイク試乗会。デザインやスペックのトガり具合は国産以上ながら、日本人が乗ってどうなのか? というのを実際に試すことができた!
うまい、へたを抜きにして、足付き情報はすごく大事!
ベテランライダーからよく聞く言葉に、「足つきなんて気にしなくていいよ! 乗ってしまえばいっしょさ!」なんてのがある。これは全然間違った言葉ではなく、走り出してしまえば足を着く必要などないので、どんなに大きなバイクだって乗れてしまうのは本当だ。
しかし、じゃあまったく足がつかないバイクに乗れるのか? というと、それはかなりアヤシイと個人的に思う。最初のハードルはバイクの乗り降りで、そもそもシートの高いバイクの場合、上げた足がつかないのでバイクを起こせないという問題が起こるのだ! 走り出してみても不安はぬぐえないもので、アッあぶない! と急停車したとき、落ち着かないつま先立ちでバランスをコントロールできるかは疑問だし、停車中に横風が吹いたりしても怖い(足を出していない側に倒されると絶望的)。ライディングに慣れていないビギナーにこそ知ってほしいのが、足つき情報なのだ。

「あぁ~どうしよう!」というトラブルの時、足つきに不安のあるバイクは緊張感もある。写真はUターンに失敗し、なんとかバックしようともがいている様子だが、またがったまま取り廻すことはできなかった。
「BMW G310R」は足つきのよさ&軽さが素敵 カッチリした雰囲気で走りやすさ◎
最初にまたがったのはBMW「G310R」。大排気量を得意とするドイツメーカー・BMWのラインナップの中で、普通二輪免許で乗れるモデルとなる。排気量は313cc、エンジンは水冷単気筒で重量158.5kgと軽量。倒立フォークやラジアルキャリパーといったスポーティーな装備も備え、電子制御スロットルやスリッパークラッチで快適な操作性も獲得しているモデルだ。

BMW「G310R」は国内2017年発売のミドルスポーツ。普通二輪免許で乗れるBMWのマニュアルミッションモデルはこれと、アドベンチャースタイルの「G310GS」の2モデルのみ。後方排気の珍しいレイアウトのエンジンは34PS/9,500rpmの出力を発揮する。
・全長×全幅×全高:2005mm×849mm×1080mm
・シート高:785mm
・重量158.5kg
・エンジン:4サイクル水冷DOHC単気筒313cc
・最高出力:34PS(25kW)/9500rpm
・最大トルク:2.85kgf(28Nm)/7500rpm
・タイヤ:(F)110/70R17 (R)150/60R17
・価格:72万円
アップライトなハンドルの位置、そして大型メーカーのBMWという緊張感でやたら大きく見えたG310Rだが、実際にまたがってみると非常にコンパクト。両足を出しても両母指球がしっかり接地するシート高の低さだ。もちろん片足を上げてみると、接地している足はほとんど踵をつけることも可能。しかも車体が非常に軽い! マスバランスがよいためか、車体を起こすときにも苦労はなかった。

両足を下ろした状態。身長は165cm。大型車を得意とするBMWのスポーツマシンということでやや緊張していたものの、またがってみた違和感、不安感はまったくなかった。

両足を下ろした場合、片足はご覧のようにかかとが浮く。しかし足指、拇指球までは完全に接地している。またがったまま歩くこともできそう!

乗車姿勢に近い、片足を上げた状態。ヒザは窮屈にならず、ハンドル位置もちょうどいい! ただしサイドカバー、タンクカバーがあまりグリップしないため、スポーツ走行時にはタンクパッド等が欲しいところ。

走り出すと大排気量シングルらしく、トルクフルな雰囲気を感じながら加速。カッチリした乗り味は高級感があるが、それ以上に車体の軽さが感動的。

後方排気のエンジンは初めてだったが、フィーリングは一般的なモデルと変わらない。しかし体感的な軽さは車体の重量バランスによるものが大きく、軽快さに一躍買っているのは間違いない。
この記事にいいねする