
CB750/900Fに続くホンダが大攻勢に賭けた初の新エンジン!
どのクルマメーカーもお手上げだったマスキー法という排気ガス規制をクリアして、ホンダが世界に認められたCVCCエンジン開発に全社のエンジニアを投入した後、暫く新型スポーツバイクを開発できなかった期間の巻き返しをはかる大攻勢は、’70年代終盤にご存じCB750/900Fからスタート。無敵だった耐久レーサーRCBの直系DOHC4気筒に、待っていたホンダファンが狂喜しているその影で、実はホンダが本当の意味で大改革を狙った切り札がデビューしていたのだ。
それはまさかの縦置きVツインでシャフト駆動のGL400/500(輸出名はCX500)。当時のバイクファンが期待する路線ではイメージすらしていなかった新しい次元のコンセプトで開発されたバイクだった。
ホンダが反転を期した大攻勢で、次世代のスポーツバイクは高速でタンデムする快適スポーツ・ツーリングモデル。そしてそれまでのホンダらしさを脱ぎ捨てた、発想が全く異なるテクノロジー開発が込められていたのだ。
膝頭が当らないよう22°ひねったシリンダーヘッド、そのためOHCが使えずOHVで開発!
高速道路を長距離クルージングするためのシャフトドライブ。そのシャフトドライブで安定性に優れ且つ軽快な車体構成とするエンジンは、縦置きVツイン。スリムな設定を狙った80°のVバンクは、クラッチを1次減速で逆回転させる縦置きの反トルクを打ち消す画期的な構成。そして大容量のフライホイールの採用で、低速での力強いトルクと高速での滑らかな回転……さらには初の水冷化で高出力でも安定した性能を可能としていた。
それまで高回転高出力で多気筒化がブランドの必須イメージだったホンダが、まるで自らを否定するような構成に、多くのファンは半ば唖然としていた。それを決定づけたのが、ホンダの代名詞のように思われていたDOHCではなく、何とローテク・イメージだったOHV、プッシュロッドでバルブ駆動するエンジン型式だった。
情報提供元 [ RIDE HI ]
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