
3月17日、大阪モーターサイクルショーにて突如国内発売が発表された、スズキの新型スクーター「バーグマンストリート125EX」。そのスタイリングは既に発表されているが、国内での実車展示は初。もちろん触れられる機会も初めてということで、多くの注目を集めた。
そのバーグマンストリートは東京モーターサイクルショーにも展示。実車を目にすることができたほか、実際に跨ることもできた! また、兄弟モデルである「アドレス125」「アヴェニス125」もあらためて跨り具合をチェック。それぞれのキャラクターを再確認してみた。
目次
バーグマンストリート125EXとは?
「バーグマンストリート125EX」は、同じ新型スクーター「アドレス125」「アヴェニス125」と同時に2022年10月に海外発表されたモデルだ。エンジンやフレームはかなり共通点のある3モデルながら、バーグマンストリートはラグジュアリーな質感を追求した上位モデルに位置づけられた。ところが「アドレス125」「アヴェニス125」は2022年のうちに国内導入が発表されたものの、バーグマンストリートのみ国内未導入の状況が続いていた。これがようやく大阪モーターサイクルショーにて発売が公式発表されたのである。
バーグマンストリート125EXのポイントは、まずスズキ初搭載となる「SEP-α」エンジンの採用だ。これは兄弟モデルと基本設計は同じだが、アイドリングストップシステムやサイレントスターターを搭載。静穏性と快適性を重視したバージョンアップが施されているもの。またフル液晶メーター、リアキャリアの標準装備、大型のシートやワイドなフットボードを採用し、高い質感と高級感を発揮する。

スタイリッシュなデザインの新モデル「バーグマンストリート125EX」。海外では先行発売されていたが、大阪モーターサイクルショーにて国内導入が正式発表された。発売は3/27(月)、価格は31万7900円となる。

スズキ初採用の「ESP-α」エンジンを搭載。アイドリングストップとサイレントスターターをにより、高い静粛性をもつエンジンだ。燃費のよさと排ガスの低減も実現している。出力は8.3PS/6500rpmで、アドレス125から0.4PS低い設定となった。

「アドレス125」「アヴェニス125」では車体後方に設置されていた燃料キャップはシート下スペースに。リアボックスや荷物積載の邪魔にならない位置となった。
バーグマンストリート125EX、実際の足つきは?
さて、東京モーターサイクルショー・スズキブースのバーグマンストリート125EXは、アドレス125やアヴェニス125と並んで展示されていた。第一印象は「けっこうデカい!」ということ。アドレスやアヴェニスよりも大きく見えるのだ。車体長は1905mm、シート高は780mmと、兄弟モデルよりわずかに大きいだけだが、フロントのスクリーンやキャリア、見るからにワイドなシートの存在感でそう感じるようだ。
ところが実際に跨ってみると、見た目以上によい足つきにびっくり。身長165cmの私だと、両足を出した時に土踏まずが浮くくらい。もちろん不安感はまったくない。これはシートが大型なのに、足が邪魔にならないよう細身に設計されているからのようだ。またフットボードの形状も、ちょうど足が下りる場所がスリムになっていて、とにかく足つきをよくしてやるぞ! という意思を感じる!

モデルは私。身長は165cmで足は短いほう(泣)ながら、バーグマンストリートに不安はまったくなし。

両足を出してもこの足つき。かかとは浮いてしまうが不安定さは感じない。ただ、跨って取り回しをするのはきびしいかも。

足を上げた運転姿勢も自然。ハンドル位置は少し近いのだが、広いシートを活かして腰を下げれば問題なさそうだった。

写真を見るとシートの設計がよくわかる。幅広なのに前方にはかなり鋭角に狭められているため、快適なポジションをとりやすい。厚みも48mのスポンジでフワフワだ。フットボードが絶妙に絞り込まれているのも注目!
サイズ感に似合わない足つきにちょっと驚きつつ、さらに嬉しいのはその質感だった。価格的にはお手頃なバーグマンストリートながら、アドレスやアヴェニスに比べると細かな部分がちょっとずつ高級になっているのだ。フルデジタルメーターに標準装備のスクリーンも、大型スクーターを思わせて気分よし!

液晶メーターにはアドレス、アヴェニス同様のエコランプインジケーターも搭載。スクリーンは小さいように見えるが、メーターをすっぽり覆うサイズ感で空力もよさそう。
アドレス125、アヴェニス125と比べると?
バーグマンストリートを楽しんだあとは兄弟モデルへ。実はこちら以前にもまたがるチャンスがあり、注目ポイントはチェック済みだ。しかし跨ってみると、やはりそれぞれ個性が全然違うことがわかる。アドレス125は最もシート高が低く、ハンドル位置も高い。安心感もあり日常使いにはピッタリだろう。対してアヴェニス125は、バーグマンストリートと同じ足つきながらシートが少し固めでシッカリした着座感覚。多少アグレッシブに走るならこちらだろうと思えた。それぞれのモデルのキャラクターについては、過去のレポートも参考にしてほしい!

こちらがアドレス125。パッと見ると「レッツ4」的丸みをおびたシルエットながら、こちらも125ccらしく大きめの車体。しかしハンドル位置、シート高の低さからかなりコンパクトに感じる。

足付きはもちろんよし。ただシートはあきらかにワイドで、絞り込みもさほどきつくないため足が開く感覚があった。

こちらがアヴェニス125。スポーティーなシルエットやLEDヘッドライトでハードな雰囲気だが、足つきはバーグマンストリート同様に絞り込まれており、イイ感じ!

踵は浮く。またシート高の数値はバーグマンストリートと同じ780mmながら、少しシートが硬めに感じた。これはポテンシャル重視のサスペンションセッティングのためかもしれない。
バーグマンストリート125EXは原二の主役になり得る!?
スズキの新型125ccスクーターがようやく出揃い、にわかに活気だった原付二種クラス。ファンライドのみならず日常生活の足として活用する人も多いこのカテゴリーでは、快適性はなにより重要。その意味ではバーグマンストリートの足つき、ワイドなシートやサイズ感はかなり高得点だ。現在の125ccスクーターの王者ともいえるホンダ・PCXもその快適性が大人気の秘訣。しかしバーグマンストリートは、プレミアムスクーターの中でも快適さと低めの価格によるコストパフォーマンスを両立した、新たな主役になり得るかもしれないモデルだった。

スズキ新型スクーターの中で、快適な普段使いに向いたラグジュアリーモデルといえるバーグマンストリート125EX。既に発売されているため、実際の走行シーン、パワー感が楽しみなモデルだ!
バーグマンストリート125EX(2023)主要諸元
・全長×全幅×全高:1905×700×1140mm
・ホイールベース:1290mm
・シート高:780mm
・車重:112kg
・エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 124cc
・最高出力:8.3PS/6500rpm
・最大トルク:1.0kg-m/5500rpm
・燃料タンク容量:5.5L
・変速機:Vベルト無段変速
・ブレーキ:F=ディスク、R=ドラム
・タイヤ:F=90/90-12、R=100/80-12
情報提供元 [ SUZUKI ]
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ライバルPCXに対してアンダーパワーすぎる。
安価勝負ならディオ、同価格帯ならリード、総合力ならPCXを持って来られるとつらいね。
何にせよホンダが強すぎるわ。